黒谷ヤマメの異世界旅行   作:ゆっくり霊沙

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帰宅

【成田空港】

 

(やっと日本だ~。辛かったな~。オーストラリアだと教えられる立場が教える立場に変わって疲れたし、アメリカは・・・思い出したくもない。イタリアは降下訓練のパラシュートが絡まったのはヒヤヒヤしたな~。ロシアは寒くて凍ると思ったな~。冬季レンジャーのニセコが温かく感じたし・・・でもそれも終わった~!!)

ロビーで万歳をするヤマメとそれを奇妙な目で見る一般の人々に、労いに来たが他人のふりを決め込んだ烏間局長だった。

 

【車の中】〔ヤマメが現実を認知してから30分後〕

私は烏間先生の車の中で烏間先生についてきたビッチ先生と現状を話していた。

 

「ヘル・ウィークを4週おこなうってそろそろ人間じゃなくなってきたわね。」

私と烏間局長は

 

((実際人間じゃないが・・・))

と同じことを思った。

 

「中学の頃は何をやっても影が薄かったのにね。まあ、そのおかげで触手を皆に見せたときもインパクトがあまりなかったのかもね。私もそれよりも死神の方と今後どうやってクラスに戻るかで頭がいっぱいになっちゃったしね。」

 

(だからか。私も思ったもの、何でこんなにすんなり触手を受け入れられるんだって・・・。たぶんビッチ先生に意識がいってたな~。・・・ハァー)

中学時の影の薄さに再び落ち込むのだった。

 

「そんなヤマメも今じゃ陸上自衛隊最強の戦士か・・・1等陸佐って結構もらってるの?」

 

「秘密にしてくださいよ。大体45万円に降下特別手当が1回の降下でそこそこもらえるので53万くらいでしょうかね。今回はさらに出張の手当もついたので月65万こえましたが・・・。」

 

「結構もらってるのね。私は椚ヶ丘が私立だから出来高制で月42万かしら。」

 

「金の話はやめないか。」

と烏間先生が言ったのでそこでその話はやめた。

しばらく世間話をしていると防衛省に到着した。

 

「ビッチ先生それでは。」

 

「ヤマメも頑張りなさいよ。」

と言って私を送り出した。

私は烏間先生いや、烏間局長に防衛省内の大会議室に連れてこられた。

そこには防衛省の幹部が勢揃いしていた。

 

「遠征ご苦労。早速どの様な訓練を各国がしていたか報告と自衛隊に取り入れるべき意見を発表してもらいたい。」

急に言われたので少し驚いたが空港に烏間局長がいたのである程度予想していたのですぐに返答をおこなった。

 

「は、全ての国で精鋭部隊の育成がおこなわれていました。我が国でも精鋭化はおこなわれていたため大丈夫です。しかし、どの国でも自国で生産できる戦車や戦闘機が部隊の大半でした。なので兵器の国産化が大切だと思われます。また、フルダイブ技術の軍事転用がロシアでは完成しています。アメリカではもう少し時間がかかるでしょうが必ず完成させると思われます。イタリアではEU加盟国内で解析中です。オーストラリアはアメリカからの輸入待ちのようでした。早期に日本でも活用できれば訓練に使う弾薬消費量を抑えながらも精鋭を揃えることができるでしょう。また、自衛隊の一般からの入隊テストに入れるのも手だと思われます。」

 

「なるほど・・・わかった。重大案件として当たらせてもらう。最近中国がうるさいため予算は降りるだろう。ヤマメ君下がっていいよ。」

 

「は、失礼しました。」

無事報告を終えるヤマメだった。


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