【おじいさんの家】
病院から歩いて15分のところにおじいさんの家はあった。
普通の一軒家より少し大きい家だが、一人で暮らしていたとなると少し広すぎる気もした。
後ろには竹林が縦100メートル横50メートルくらいの広さで広がっていた。
また、隣の家は350メートルほど離れていた。
中に入るとリビングがあり、その横の扉を開けると書斎だった。大きな本棚が5つと机が1つ有るだけの部屋だったが、色々常識が欠けている私にはここでまずは情報を集めていこうと心に誓い、次の部屋に入るのだった。
次の部屋は畳が敷かれたところに仏壇が1つ置いてあり、中には女性の写真が飾ってあった。
私はそこに座り小さな手を合わせ拝んだ。
いつもの私なら人を食べるとき以外にはしない行為だが、無意識のうちにしていた。
これも肉体に精神が引っ張られているな~となんとなく思いそこを後にした。
階段を登るとヤマメと書かれた札がさがった部屋に着いた。おじいさんが私が来る前に整理してくれたらしいその部屋にはベッドと机、真新しいランドセルと服が上下3セット、数冊の教材が入った本棚があった。
私はおじいさんの顔をみたあと「ありがとう」といい。おじいさんと食事のためにしたのリビングに行くのだった。
〔夜〕【家の裏の竹林にて】
おじいさんが寝たのを見計らい、外にでて能力をしっかり確認することにした。
まず、竹に糸を巻き付けて竹から竹に移動できるか試してみた。
結果は成功
また、糸の強度も小さくなる前よりは劣るもののピアノ線くらいには強化できることもわかり喜んだ。
次に病気を操る能力を竹の間に作った蜘蛛の巣にひっかかった虫で確認したところ、これは大幅に弱体化していることがわかったが、病気を操る時に病気を取り除くことは満足にできるという攻撃には使いづらい能力となってしまったことに少し落胆した。
最後に妖力については、弾幕を出すことは出来ず、少し身体能力の底上げができる程度にまで落ちてしまった。
これらからヤマメは全体的に能力の低下を認知し、どのように身を守るかを考えると同時にあることを思い出した。
「あれ?そういえば病院では死人が年に少なくとも数人は出るとおじいさんは言ってたけど、霊気の類は全く感じなかったな。」
ヤマメはこれは普通ありえないことであると考えていた。
どんなに存在感が薄くとも、死人は三途の川を渡りしかるべき裁きを受けなければならない。そのためには肉体を捨て精神体とならなければならないはずだと思っていたからだ。
その事に疑問に思いながらこれからのことを考え一回就寝しようとおじいさんの家に戻るのだった。