「・・・誰もいないか。」
私はわざとらしく呟いた。
その様子に東横桃子は落胆しているようだ。
「結局私が意識していないと誰も見えないっすね。」
ギィ ギィ ギィ ポン
私は東横桃子の肩を掴んだ。
「こんにちはお嬢さん。」
「わわ!?・・・見えてたっすか!?」
「見えるも何も・・・そこに存在していれば見えるよ。幽霊だろうがなんだろうが。・・・まぁお嬢さんは影が薄いだけだけどね。」
「・・・で、何でこんなところに来たっすか?」
「数日後から保健室勤務と担任の補佐をすることになったからね。下見・・・かな?東横桃子さん。」
「何で名前を知ってるっすか!?」
「そりゃ・・・私が神だからだよ~。」
「・・・は?」
「えっと・・・あ、これこれ。」
私は羽入の写真を取り出した。
「この人に転生するときに会ったでしょ。」
「・・・!?そおっす!?」
写真を受け取りまじまじと見て桃子はそう言った。
「別の神様のクローンね私は。」
(とても信じれないっす。)
「とても信じれない・・・か。まぁいいや。なら私に協力してほしいんだよね。」
「協力っすか?」
「そそ、私はハッピーエンドを目指してるの。ただし、世界は少しの不幸を望んでるらしいからね。」
「なんすか?それ・・・何をしたら協力になるっすか?」
「簡単なこと。・・・その麻雀にしか役に立たなそうな能力を駆使して全力である人物を殺せる技量を身に付けること、それを持ってクラスメートを守ること。技量を身に付けることが目的だから殺さなくても良いよ。」
「あ、当たり前っす!!人殺しをさせたいんすか!?」
「いや・・・まぁすぐにわかるよ。・・・で協力してくれたら次の転生を約束しよう。」
「ほ、ほんとっすか!?」
「うん。ただし、桃子が言う先輩がいるかはわからないけどね。・・・もしいなくてその世界でも生き残れたら次の転生はその先輩に会わせてあげようかな。」
「やるっす!!何でもやるっすよ!!」
「なら私は桃子のことをモモと言うよ。そちらの方が良いでしょ。」
「ならヤマメ先生でいいっすかね?」
「うん。良いよ。」
『イレギュラー東横桃子・・・その役割は私の代わり・・・か。まぁ私の副神を作れってせかされた結果だね。本当は雨咲が良かったんだけど戦死は別なんだよね。戦神となってしまったから。』
(本体も苦労してるね。)
『それがなかったらこの世界にあなたを送ることはできなかったのだけどね。』
(・・・まぁやることをやるよ。)
『頼んだよ。』