黒谷ヤマメの異世界旅行   作:ゆっくり霊沙

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まねごと

【椚ヶ丘中学校 理事長室】〔数日後〕

 

「今学期からよろしくお願いしますね。」

 

「えぇ、よろしく。」

私は浅野學峯理事長と対峙していた。

 

(相変わらずこの人は・・・対面した時から洗脳してくるな。)

 

『まぁクローン・・・あなたにも効かないでしょ。そんな殺気だけでは人は死なない。人が死ぬ時はそこに強い意志が存在するか恐怖でその人が壊れているときだけだからね。』

 

(しっかし理事長の学校運営方法は中学校だと機能不足だと思うけどな~。)

 

『学生だからじゃないの?軍人を育てている私達ならわかるでしょ。・・・若い人の方が効率が良いからね。』

 

(それもそっか。・・・で、本体はどんな教育方法をクローンの私に望んでいるの?)

 

『・・・情熱を持って1人1人に対応すること。・・・補佐をしっかりすること。・・・触手は殺せんせーに対しては使用しないこと。』

 

(了解!!)

 

「では給料は月給25万5000円、担当は3年E組の保健室勤務とE組担任の補佐でよろしいですね。」

 

「はい。」

 

「一応本校の教育採用試験をこの後別室で受けてもらいます。・・・それと、あなたは犯罪者ということなので用件が無いときに本校に入ることを禁じます。用件があれば事前に連絡をください。」

 

「わかりました。・・・すみません後で名簿をもらっても良いですか?」

 

「えぇ、どうぞ。こちらですよ。」

 

『私を抜いた初期メンバーかな?クローンどうなの?』

 

(え~と・・・ん?これは誰?)

 

『イレギュラーがいた?』

 

(うん。・・・東横桃子って書いてあるよ。)

 

『ちょっと待ってね・・・ふむふむ。・・・なるほど、成績不振がE組落ちの理由。それ以外には目立ったことなし。』

 

(・・・それ以外は?)

 

『とりあえず会えばわかると思うよ。・・・あと5時間40分と39秒後に会えるからね~。』

 

(試験終了後か~。わかった。)

 

「では試験をしますよ。こちらにどうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

すぐに試験を受けた。

 

 

〔5時間35分後〕

 

カチッカチッカチッ キーンコーンカーンコーン

 

「はい。お疲れ様でした。これにて試験は終了です。」

 

「お疲れ様でした。」

 

「これからどうしますか?」

 

「E組の校舎を見に行きます。・・・よろしいでしょうか?」

 

「ええ、どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

私は理事長に頭を下げるとすぐにE組がある隔離校舎に向かった。

 

【隔離校舎】

 

「懐かしい。」

私は本体のように体験した訳ではないが、私に植え付けられている記憶にはその校舎には思い出がたくさん詰まっていた。

 

【教室】

 

ガラガラガ

立て付けの悪いドアを開けると

 

「・・・誰っすか?」

昔の私のように影が薄い少女がいた。


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