【守矢神社】
「・・・チィ・・・使えないか。」
緑色の髪の巫女が水晶越しにヤマメの行動を見ていた。
「・・・力の半分を使ってワープさせたのに・・・ダメか。」
奇跡を起こす程度を使ったワープ・・・地霊殿にいた偉人にぶつけたがダメだった。
「ルーズベルトとウィルソン、ハルとオッペンハイマーの4人をぶつけたが軍人じゃないとダメね。」
水晶から手を退けると、私はある場所に向かって歩きだした。
【お札が大量に貼ってある部屋】
サー バン
「元気かな?神様達?」
「・・・早苗を返せ。外道。」
「・・・縄をほどけ。」
「怖いね・・・怖いわ・・・。」
私は捕まえた神様達を見てなぜ私を救ってくれなかったと心の中で思う。
私は元々人間ではなかった。
2024年警視庁ネット管理科のイメージキャラクターに選ばれてから全ては狂った。
ネットを管理するにあたり、今まではグレーゾーンだった著作権が法律の改定できつくなり、私が取り締まるのも増えた。
それにより私は自身の手でここまでの知名度になるきっかけを与えてくれたサイトを封鎖することになった。
恨みはイメージキャラクターの私にも来る。
約2年間の取り締まりで私を支えてくれたオタク文化は完全に下火となった。
しかし、まだ救いがあった。
VRMMOにて規制されたキャラクター達を取り扱ったコミュニケーションゲーム・・・生き残ったオタク達はそこを新たなニコ○コにするために動いたが・・・私はその場に行けなかった。
いや、行かせてもらえなかった。
オタク達にしたら私は刑を執行した代理人。
・・・オタク達から見捨てられたのだ。
そんな時、最後の希望の光が見えた。
自衛隊にて国防キャンペーンキャラクターに初音ミクをと声が上がったのだ。
しかし、これは黒谷ヤマメ1等陸佐の手で消えることになった。
理由は初音ミクというキャラクターのイメージが悪化していることから弱音ハクに変更された。
悔しかった。
その思いは私を機械から人間に変えた・・・。
あのフランスに生まれ変わった私は第一次世界大戦で活躍した黒谷ヤマメがあの世界のヤマメだとわかり・・・怒りをぶつけるため約20年かけて準備し、戦争に移った。
・・・結果は惨敗。
戦犯として裁判にかけられ・・・処刑された。
「・・・これは私が彼女の邪魔をしろということだよね。」
私は三度目の正直・・・必ず黒谷ヤマメに勝つために動くのだった。
「・・・これで負けたら諦める。死ぬな。消耗して私の所に来い!!」
私は神様達の前で叫ぶのだった。