黒い液体が消えたのを確認した私はシンデレラと呼ばれた悪魔に質問した。
「・・・童話のシンデレラなの?」
「・・・たぶんそうですね。私も1回読んだのですが最初以外違うのでほとんど空想ですよ。・・・あ、シンデレラという名前は捨てているのでコアと読んでください。」
「じゃあコアさん。この館にまだ狂っている人はいますか?」
「地下にいる妹様です。」
「案内してもらってもいい?」
「はい。」
チャイナドレスを着た女性は倒れた3人の介抱するようで、3人を担いでどこかに行ってしまった。
「・・・こちらです。」
【地下】
「ここです。」
コアが案内した場所の前には魔法のかかった扉があった。
「中に入ると誰かが外から開けない限り開きません。私はここで待ちます。」
「ありがとね~。」
私はドアノブを回し、室内に入った。
【妹様の部屋】
「・・・さて、どういうことかな?」
部屋の中は・・・西部戦線の末期の様子だった。
見渡すと扉以外はなにもない、砲撃によるクレーターと破壊された大砲、ばらまかれた肉片だけがそこにあった。
少しすると遠くから声が聞こえてくる。
「フランス万歳!!」
「ドイツ万歳!!」
ドイツ軍とフランス軍が私に突っ込んでくる。
よく見るとその兵士達は顔の半分がなかったり、内臓が飛び出したりしていた。
「・・・ふふ。」
私はこの光景を見て笑ってしまった。
「誰だ・・・この光景を創れるのはあの人だけだな~。・・・狂人はまだ権力の呪縛から逃れられてないか。」
私は歩き出した。
銃剣を私に刺そうとする兵士の死体を触手で真っ二つにし、発砲した兵士の死体を弾幕で蜂の巣にする。
「・・・よき来世を。」
私は無意識にそう呟いていた。
〔数時間後〕
私はこの現象を創り出している人物を見つけた。
背中から宝石の様な羽をはやした少女だった。
「まだか・・・まだ・・・勝てないのか!!」
そう叫んでいる。
(・・・最後に会った選挙の時も感情の制御ができてなかったな~。・・・彼が昔に老兵を老害と言ったけど・・・今は彼が老害だね。)
彼の顔が見える位置になると私は立ち止まり
「久しぶりだねルーデンドルフ!!こんな死体だらけの場所で何をしているのかな?」
「ヤマメ貴様!!」
私は彼を煽った。
最初に私を裏切ったのは彼からだ。
その鬱憤をぶつけるために・・・。
「貴様!!貴様のせいで!!栄光あるドイツが社会主義なんかに!!」
「ん?いや、それならきっかけをつくったのはあなただね。ルーデンドルフ!!封印列車を忘れたとは言わせないよ!!」
「うるさい!!キュッとして・・・!!」
彼は少女の小さな手を前に突きだし、手を握ろうとする。
「・・・ドカン!!」
私はとっさに横に体2個分ズレるとなにもおこらなかった。
「人の能力を手に入れても慣れてなければ怖くないよ。・・・能力はこう使うの!!」
私は彼の右手首に糸を巻き付けると神力を思いっきり流し込んだ。