【宇宙空間】
(残りは残党狩りか・・・。)
私は大型ガンダムを器用に回転させ、艦に戻ろうとした時、背中に何かが突き刺さった。
(え?)
ゆっくりと背後を見ると魚雷があった。
(無念・・・。)
魚雷が起爆し、ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉が誘爆し、私の意識はそこで途切れた。
【ディアモント共和国 政府】〔数日後〕
「・・・え?雨咲が戦死・・・?」
『・・・はい。敵の潜宙艦に殺られました。・・・誘爆で近くの味方も3機ほど殺られました。』
「スターシャ王女には国賓として扱ってくれ。・・・少し1人にさせてくれ。」
『はい。』
電話を切り、私は椅子に寄りかかった。
(・・・。)
他に人がいたのならばその姿は見たことがないだろう。
血管が浮き出て、唇を強く噛みすぎて血がにじみ・・・泣いているのだ。
指導者としては誰にも見せてはいけないその姿、私は呟く
「・・・なぜ親よりも先に旅だった。・・・雨咲。」
その涙には心の支えを失ったことと、陽菜乃に申し訳ない気持ち、辛いときも悲しいときも協力してきた仲間を失ったと現実を受け止めるための涙だった。
(・・・老いたね、私も。)
私はスターシャ王女に挨拶をして、雨咲の国葬を指揮した。
【国葬会場】〔数日後〕
演説をそこでおこなった
「今回の反撃で我々はガミラス帝国という脅威を取り除くことに成功した。・・・代償として数百名の命を取られたが、彼らのお陰で勝つことができた。・・・ありがとう!!」
私はあえて雨咲のことは言わなかった。
いや、言えなかった。
【ディアモント共和国 政府】〔数カ月後〕
私は性格が少しずつ変わり始めた。
頭痛が多くなったこと、前みたいに演説を各地でやる元気がでないこと、職務中に指が震えて支障がでること・・・。
いなくなってから実感した。
雨咲という存在がどれ程私を支えていてくれたのかを・・・。
(・・・引退かな。)
〔さらに数カ月後〕
ヤマメは身体的な異常を理由に引退を発表した。
最初はデマと市民は思ったらしいが私がテレビで正式に発表するとネットで議論をよんだり、私宛に手紙が大量に来た。
小傘や魔理沙、文が駆けつけて真偽を聞かれたが、精神的な支えを失ったことを伝えると黙ってうなずいてくれた。
〔数週間〕
大統領選挙がディアモント共和国で初めてのおこなわれ、私が後継者に指名していたトム・ハーランが二代目大統領となり、他国に劣らない戦力と経済のさらなる発展を約束した。
小傘、魔理沙、文が私に住もうと誘ってくれたので、私は隠居生活が始まるのだった。
文の夫は事故で死にました。