【特殊牢獄】〔戦闘後〕
(・・・ここか。)
私は前回の前回艦艇を奪った時に降伏した捕虜と特殊ガラス越しに対話していた。
不思議なことに日本語での会話が成立した。
「士官殿こんにちは。ディアモント共和国大統領のヤマメ・・・大統領がわからないならそちらの国の総統かな?」
「・・・士官でも最下級の私に指導者が自らですと・・・。」
彼はすでにやけっぱちとなっていたので知っていることを私が来る前に話したようだ。
《・肌の色は青
・放射能がないと生きられないようで捕虜の数名が死亡
・日本語で対話可能
・母星は大マゼラン星雲内のサンザー太陽系の第8番惑星
・国はガミラス帝国
・母星の寿命がそろそろなので新たなる星を目指して侵略を開始、太陽系に目をつけたしだい
・政治体制は帝国主義国家であり、かつ君主制国家
・元首の身分は総統で現在はデスラーという人物
・技術力はワープ装置関連は上、それ以外は下》
(解析途中だからなんとも言えないけどね。・・・さて、ちょっといじりますか。)
私はこのまま牢獄の中だと聞きづらいと思い、ある薬品を放射能でも普通に動ける触手を使って投与した。
「君に放射能がなくても活動できる薬品を投与した。DNAを一部書き換えたから大丈夫。」
「え?」
「君の名前は?」
「・・・キーア・トリスです。」
「キーア君が話してくれたことにより情報を得られたのだか・・・君は祖国を裏切ったことになるのだが・・・いいのか?」
「デスラー総統に母を理不尽な理由で殺されました。弟と私は左遷され、弟は最前線で死亡・・・デスラーがいる祖国なら私は帝国を祖国と思わない。」
(・・・なるほど完全に私怨だけどこちらには都合がいいな。)
私はその後執務室に戻るのだった。
〔数日後〕
鹵獲した戦艦と巡洋艦の解析が完了し、巡洋艦は高速巡洋型クルーザー2隻、メルトリア級航宙巡洋戦艦とキーア君の協力もあり判明した。
私達はこの3隻から陽電子カノンという技術と長距離ワープ技術、宇宙空間用魚雷の技術を獲得した。
さらに火星付近をパトロール中の第3機動艦隊が所属不明の小型艦を捕縛した。
中には女性が1人いたもよう。
これらの動きに火星と地球連邦に旧型の宇宙艦の技術を輸出した。
万が一地球に何かあったら同盟国の枢軸にも打撃があるからだ。
【ディアモント共和国 政府】〔さらに数日後〕
数日前に火星付近で捕縛された女性が私に会談を求めたため、私が許可した。
「お初にお目にかかります。ヤマメ閣下。」
「部下から内容は聞いてますサーシャ様。」
「地球にこれほどの技術があるとは驚きです。」
「人類が頑張った成果ですよ。」
「1つ、ヤマメ閣下に質問があります。あなたは強力な兵器があったらどうしますか?」
「祖国の防衛のために使います。その技術を解析し、経済的な利用をします。」
「・・・ならこれを渡します。」
「・・・これは?」
「波動エンジンの設計図です。内容はこちらに詳しく・・・。」
「ありがとうございます。サーシャ様はどうしますか?」
「姉が本国のイスカンダル星にいるのですが、イスカンダル星人の血を残すように言われたのでここに残りたいのですが・・・。」
「わかりました。アームストロング将軍に貴女を預かるように言います。」
「感謝します。」
正解は宇宙戦艦ヤマトの世界です。