〔転移まで残り140年〕
(思ったよりも戦域が拡大しているな。)
私は中華内戦と呼ばれている内戦を地図を見ながらそう思った。
約1年で北京周辺にも戦域が広がり、中国共産党は動員令を発動していた。
(今は中国共産党がやや有利だけど国民も今後の動きで武力勢力に同調する者も多くなるだろうな~。まぁいいや。それだけアジアに注目している間に枢軸は宇宙産業の活性化、ディアモント共和国は軍の整備ができるからね。)
そう考えるヤマメだった。
この頃になるとようやく小型スペースコロニーを枢軸の各国が打ち上げが開始され、アメリカと火星は合同企画として宇宙エレベーターの開発に取り組んでいるようだ。
私は各国の様子を見ながら着実に自国の国力を増加させるのであった。
〔転移まで残り139年〕
照をが日本の経済再建を実現し、独裁制を解除した。
照に媚びを売って儲けようと考えていた人物たちはこの動きにパニックをおこしたようだ。
照はその後ディアモント共和国に戻り(亡命)、私の秘書として働くが、金星の姫ポヨが告白してきたのだ。
(・・・めんどくさいことになった・・・だけど照のためだものね。頑張ろう。)
私は金星に行き魔王とどうするか話し合った結果、ザジとポヨさんの王位継承権の変動、ザジを外交から解任して金星に戻す、ポヨと照の婚約を認める代わりに結婚式は金星でおこなうということになった。
【金星】〔数ヵ月後〕
(・・・やっと終わった・・・。)
色々なところに根回しをおこなったのでヤマメの精神的疲労は限界を超えていた。
結婚式が終わると、技術者達に依頼して私専用のモビルスーツを作ってもらうことにもするのだった。
〔転移まで残り137年〕
中華内戦が終結、最終的に中国共産党が勝利したが国内は悲惨なことになっていた。
【月面軍用コロニー内】
数年の月日を費やして造られた機動艦隊が完成した。
小型艦艇30隻、(実験艦)巡洋艦ムラサメ級5隻、正規巡洋艦艦サラミス20隻、ドロス級宇宙空母15隻となっていた。
これにモビルスーツ部隊と大量の宇宙用戦闘機初期型コア・ブースターが配備された。
「ホフマン、誰がこの艦隊を指揮する予定だっけ?」
「今のところレーダー提督が司令官です。これとは別に潜宙艦55隻をデーニッツ提督が指揮します。」
「わかったよ。・・・もと陸軍出身者は大丈夫だった?」
「始めはトラブルが多々ありましたがモビルスーツを兵士とし、艦艇をトーチカや戦車に見立てた様です。」
「まぁ慣れてくれればいいんだけどね。・・・地球での活動は大丈夫?」
「はい。宇宙様の訓練と並行しておこなっています。」
「わかったよ。」
私は並んでいる宇宙空母を見つめるのだった。