黒谷ヤマメの異世界旅行   作:ゆっくり霊沙

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2年生

〔2年生に進級して数日後〕

私は武術研究会の活動場所で気の変換効率を上げる訓練と一通りの武術の訓練をしていた。

 

(・・・はぁ、やっぱり新入部員は来ないか・・・。ちょっと古菲(クーフェイ)が羨ましいな。)

秋の武術大会(ウルティマホラ)にて優勝した古菲は中学2年生で中国武術研究会部長となっていた。

知名度も高く格闘部系の部員からは一目置かれる存在となっていた。

現にクーフェイファンクラブと古菲親衛隊ができるほどだ。

今年は中国武術研究会に約50名の新入部員が入ってきたことから人気もうかがえる。

対して私は1人数時間も黙って気の変換効率上げの訓練とシステマ、自衛隊格闘技等、一般人が知るはずもない武術を駆使しているのだ。

もちろん誰も入ろうとしない。

 

(・・・今年は我慢だ。来年の麻帆良祭、ウルティマホラには参加して優勝したいな~。)

と頑張るヤマメだった。

 

【図書館島】〔別の日〕

図書館探検部には大量に新入部員がやって来た。

私は教育係に任命されたが、なにか引っ掛かった。

 

(・・・ん?なんでだろう。先輩達から嫌われてる?)

実際嫌われてはいなかったが、使える後輩だと思われていたようで、雑用はヤマメに任せて他は探検に集中しようという風潮ができていたのだ。

この事を毎日図書館探検部に出席している魔理沙から教えてもらった私は手に持っていた予定表を無言で握りつぶした。

もちろん後輩達には早く部に馴染めるように教育し、慕われたが、私は魔理沙と後輩以外の図書館探検部員と話さなくなるのだった。

 

〔別の日〕

図書館探検部のこと以来私は機嫌が悪かった。

最初の自衛隊時代も、ドイツの軍人時代も似たようなことがあったのだが、それは私以外に適任がいなかったり、能力的に私と少数しかできなかったからであって、自分がサボりたい、自分の時間を増やしたいから私に任せる行為はとても良い気分にはなれないのに、それを影で結託していたのが一番イラついている原因だった。

私がイラついている理由が理解できていないパル、ゆえ、のどか、木乃香は私ではなく、魔理沙に理由を聞いたのだ。

私の機嫌はさらに悪化し、最近は口をきかなくなっていた。

このイラつきを私は光とホムラにぶつけた。

八つ当たりの矛先となった光とホムラは強制的に難関大学レベルの入試問題を毎日作るはめになり、私はそれを暇な時に解く作業を繰り返すのだった。

そんな嫌悪な雰囲気の中で、2年の2学期が終わるのだった。


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