烏間先生とのナイフの訓練を終えて校庭に行くと見慣れない男性がいた。
その男は私を見るとこう言った
「おぉ、お前もこっちに来て食っていいぞ。今日から烏間の補佐をしてここで働く鷹岡って言うんだ。よろしくな!」
私は見逃さなかった。この男から狂気を感じたことを、妖怪の勘とでもいえばいいのか、みかけに騙されてはいけないと・・・
「先生お腹が痛いので少しトイレに行ってきます。」
そう言っていっかい鷹岡という男から距離をとり、直ぐに職員室にいる烏間先生の元に向かった。
職員室に着くと身を窓から乗り出して校庭を見ている烏間先生と驚いた顔をしたビッチ先生がいた。
(遅かったか。)
「先生外で何が!?」
見てしまった。神崎さんがビンタをされて吹っ飛ぶのを・・・
(逃げなければよかった。鷹岡貴様は許さない。今は無理でも食ってやる。いつか必ず私の手で。)
歯ぎしりをしていたが、今はそれどころではないと気持ちをきりかえた。
烏間先生が窓から外に飛び出したと同時に私も外に出て、神崎さんのところに走っていった。
「神崎さん!?大丈夫。」
「黒谷さん、私は大丈夫だよ。」
腫れたほうを隠しながら言ったその言葉で私は殺意が再び漏れ出してきた。
殺せんせーも止めに入ったが、鷹岡に論破されて渋々触手を鷹岡の肩から外した。
その後、私も鷹岡の授業に参加し、スクワットをしていた。
しかし、スクワットに慣れていなかった岡島君や、倉橋さんが苦しそうになり、倉橋さんが烏間先生と言い、それに反応した鷹岡が倉橋さんを殴りかかったそのとき、烏間先生が止めに入った。
鷹岡はそれがわかっていたようで、そこから授業の主導権を完全に握るためにナイフで自分に当てることができたらこの学校から出てってやると皆と約束した。
皆やる気を出したがすぐに動揺に変わった。
本物のナイフで刺せと言うのだ。
ハンデとして寸止めでも当たったことにしてやると言ったが、皆動揺していつもの調子がでないだろう。
ブチ
(・・・ふざけるなよ!!)
殺気が溢れでた。
皆はきづいていないが、ビッチ先生と殺せんせーは驚いたようで、私を凝視していた。
しかし、私が本物のナイフを持たせてもらうことはなかった。
烏間先生は渚君を選んだ。
私は絶望に近い何かをかんじたが、その判断が正しかったことがすぐにわかった。
渚君が鷹岡に勝ったのだ。
諦めの悪い鷹岡は渚君に殴りかかったが、それを烏間先生が防ぎ、皆に体育の教師は私1人で出来るように交渉すると約束してくれた。
そのタイミングを図ったかねように理事長がやって来て鷹岡に解雇通知を突きつけた。
これにより鷹岡は2度と椚ヶ岡中に現れることはなかった。そう、椚ヶ岡中には・・・