【校庭】
私達は今、体育の時間でナイフによる戦闘訓練を烏間先生としていた。
私も頑張ってはいたのだが、烏間先生にあまり重要視されていない気がする。
背後から一撃入れようにも、気づかれてすぐに避けられてしまうためナイフの成績は中の下となっていた。
ちなみに射的は元々苦手なのに中の中とナイフよりも成績がよくて、複雑な気持ちになっているのだが・・・
【昼休み】
「殺せんせー、私は何で認知されにくいのに烏間先生への攻撃が避けられるのでしょうか?」
「にゅにゃ、たぶん感ですね。元々軍人の彼は、身の危険に反応しやすくなってるんだと思いますよ。」
「本当は?」
「・・・貴女のタイミングが悪いんだと思いますよ。」
「・・・はい。」
「なんならば、ロヴロさんの携帯番号を教えますよ。」
「本当ですか!・・・?何で殺せんせーがロヴロ氏の携帯番号知ってるんですか?」
「ヌフフ、一応何かあったときに便利なので教えてもらいましたよ。」
「あれ?殺せんせー携帯持ってましたっけ?」
「・・・給料。」
「わかりました。」
大人の世界の闇に少し触れつつ、ロヴロ氏の携帯番号を殺せんせーから教えてもらい、代わりに弁当の1品を分けてあげるのだった。
そのあと私は烏間先生のところに行っていた。
烏間先生は、木陰で書類の確認をしているようだった。
「あの・・・烏間先生。」
「ん?なにかな。」
「少し稽古をつけてもらえないでしょうか。」
「体育でいつもやってるだろ。」
「いえ・・・あの、烏間先生は私のナイフを見てますか?」
「?」
「私影が薄いからしっかり見られてないと思ったので、他の人がいるとその人に意識がいってしまうので・・・」
「・・・わかった。かかってこい。」
「ありがとうございます。」
烏間視点
(何を言い出すのかと思えばナイフの戦闘訓練か。さっきしたばっかりだというのに・・・ん?何だこの動き、視界からたまに外れると思ったら別の角度からナイフが出てくる。ほー、なるほどな。まだ私は生徒をしっかり見ていなかったようだ。この子は相当練習している。中々見てもらえず悩んでいたんだな。)
そんなこと考えていると、右肩にナイフがあたった。
対先生ナイフのため怪我はないが、クラスの中で1番深いところに当てられた。
ヤマメ視点
(やった!当たった。しっかりやれば当たるんだ。でも何で皆とやると当たらないんだろう。普通集団でやった方が当たりやすいのにな。・・・は!?そうか、集団に頼ると個々の思考をおろそかにするって前に殺せんせーが言っていたのはこのことか。)
大切なのは皆に合わせて自分を無くすことではなく、意思のある行動だと認識したヤマメだった。
原作と少しだけ時間軸をずらしました。
ご理解をお願いします。