黒谷ヤマメの異世界旅行   作:ゆっくり霊沙

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アメリカ 動き出す

〔4/21〕

アメリカがレンドリース法を発表した。

これはフランスが約2週間で降伏してしまい、焦ったイギリスとそのまま東に来ることを怖れた東ロシアがアメリカに催促したのだ。

だが、ヤマメ達大ドイツは次の目的地をイギリス領土のジブラルタルとエジプトに決定した。

ジブラルタルは地中海の入り口に存在する要塞で、ここを叩くと連合軍を地中海経由でエジプトに物資を輸送できなくなるからだ。

ヤマメはジブラルタル攻略作戦を6月におこなうことを決めた。

 

【東プロイセン軍港】〔5/17〕

ハイリヒ級空母がさらに4隻進水し、ドイツは6隻の正規空母を保有したこととなった。

 

(よし、これでイギリス本土の攻撃に選択肢が増えたな。)

ヤマメはそう考えるのだった。

 

【ドイツ政府首脳室】〔5/21〕

東ロシアの動きが活発化し、モンゴルを合併した。

背景には軍事力があるのは明白だったが、抗議文を出したところで何も変わらないと思い、黙認するのだった。

 

【国防省 空軍司令室】〔6/1〕

私はLとNからドイツの使用可能な航空機戦力と月間の製造数を確認した。

Nが資料を私に渡すと

 

「まず、現在ドイツ国防軍がの戦闘機はA00が5500機、A01が3900機、その他の実験機が200機です。戦術爆撃機がB00が2000機、B01が1700機戦略爆撃機のC00が600機ですね。あと、海軍用にメッサーシュミット Bf109のD00戦闘機が新に400機あります。製造数は戦闘機の3種は月に各350ほど、爆撃機は各200機、戦略爆撃機は60機となっています。」

私はNに

 

「ジブラルタル攻略に必要な機体はどれぐらい?」

と聞くと

 

「戦略爆撃機を全て出せばすぐに終わります。」

と自身の長い銀色の髪をいじりながら答えた。

 

「Lはどう思う?」

 

「海軍の協力が必要ですね。イタリア軍とトルコ軍はエジプトでイギリス軍の足止めをしている今のうちにジブラルタルを海軍と協力して攻め落とすことで、海軍の自信と空軍の精強さをアピールできるので。」

 

「・・・わかった。2人は空軍の戦略爆撃機の指揮をお願いね。海軍のレーダー提督に艦隊指揮を依頼してくるから待っててね。」

と言って私は海軍司令室に移動した。

ドアを開けるとレーダー提督はデーニッツ中将とペリエール中将の2人と何か話している最中だった。

私は

「レーダー今大丈夫?」

と聞くと

 

「大丈夫だ。彼らと意見交換をしていただけだ。」

 

「2人もちょうどいいから聞いていて。」

と私が言うとジブラルタル攻略作戦の内容が書かれた資料を机に広げた。

ペリエール中将は

 

「・・・我々の潜水艦は必要ですか?」

と聞いてきたので私が

 

「ジブラルタルの救援に艦隊がやって来ると思う。ペリエール中将とデーニッツ中将は潜水艦隊の指揮をお願いしたいんだ。場所は大西洋になるけど大丈夫?」

 

「いや、最近潜水艦の出番が少なくて・・・。」

 

「まぁ仕方ないね。レーダー提督、地中海に展開している正規空母1隻と新造した軽空母5隻をジブラルタル攻略に使用したいんだけどいいかな?空軍と協力してもらうけど。」

レーダー提督はすぐに

 

「ジブラルタル攻略に参加できるだけでも海軍の士気が向上します。我々は地味な海軍ですが、やれることをしっかりやっていきたいと思ってますので・・・。」

 

「決まりだね!!後で空軍と計画を煮詰めてね。私はこの後別件があるから出掛けるけど・・・海軍を頼んだよ!!」

 

「分かりました。期待に見合う働きはします。」

こうして空軍と海軍が協力しジブラルタル攻略作戦が正式に決定するのだった。

 


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