〔翌年〕
車両不足が解消し、私は後々の足を完全に使いこなせるようになった。
現在の電車が2000両と客車(貨物車)50000となった。
第一次世界大戦までにはこの数を3倍以上にする計画がその後ミレニアム内で決められた。
(・・・今いる約1000人が今後ミレニアムの頭となって動くからな~。・・・戦争でどれくらいなくなってしまうのかな。)
少しだけ不安になるヤマメだった。
また、この前年にグレーナーから参謀本部に移され(ほとんど窓際の地形測量課)たと連絡がきたので現状はどうかと手紙を出すとこのように返ってきた
《・・・苦労の割りに給料が凄く少ない。だけと、仕事自体は楽しいから大丈夫。・・・あと今は移動があって鉄道課にいます。ヤマメが教えてくれた補給の大切さがよくわかったよ。戦時に民間人が飢えないようなダイヤルをつくってみせるよ!!》
とのことだった。
この当時鉄道は参謀本部が全てのダイヤルを作成し、ここも窓際の職業だった。
しかし、グレーナーが元気そうで私は安心するのだった。
〔次の年〕
私はある少年をミレニアムに入れるために動いた。
彼がいるのといないのではドイツが破滅するか復活するかがかかっていたので私はグレーナーからユダヤ人の友人を紹介してもらい、その情報網を使って調べてもらうとすぐに住んでいる場所がわかった。
(リンツ郊外のとある民家か・・・。)
私はそのまま訪ねてみることにした。
【リンツ郊外の少年の家】
私が行ってみると父親と喧嘩している少年がいた。
父親は鞭で少年を叩き、少年は叩かれながらも反論している感じだった。
そのあと父親は家に鍵をかけて少年を外に閉め出した。
そのタイミングで私は少年に声をかけてみた
「君・・・鞭で叩かれていたけど大丈夫?」
「ああん?痛いに決まってるだろ!!くそ親父め・・・覚えてろよ!!芸術家になって見返してやるからな!!」
「へ~。芸術家になりたいんだ。・・・君はどんな絵が描きたいの?」
「ん?不思議なお姉さんだな。建物だよ!!しっかりとした作りのなかにある独特な美しさがたまらない。」
「・・・なるほどね。ねぇ私と一緒に色々観ない?君が求めている建物があるかもしれないよ。」
「本当か!?行くよ!!」
普通ならここで初対面の私についていくことはないと思うけれど、彼は違った。
後に彼はその時のことをこう語っている
「彼女はなんだか私を導いてくれる気がした。それは今の生活の全てを放り出しても良いくらいだった。」
こうして少年・・・アドルフ・ヒトラーはミレニアムに加わった。
ラーイグラードの地下で建物ではないが、戦車や戦闘機、大型爆撃機、電車を見てすぐに虜になってしまった。