〔数日後〕
私は雨咲達と話し合った上でウォルターと雨咲を連れて地下鉄の上にある家を訪ねた。
(さて・・・吉とでるか凶とでるか。)
打ち合わせでは旅の途中で夜になってしまい、金を払うので泊めさせてくださいと言って、断られれば別のプランを、泊めさせてくれたら家の人物と仲良くなり、文通を定期的に送り合うことができればとも期待していた。
結果・・・予想以上に仲良くなっていた。
始めに私が家を訪ねると奥さんとフリードリッヒ・グデーリアンという主人が私達の話を聞いてもらった。
すると部屋を1室借りることができ、ここまではプラン通りだったが、手伝いで私達が料理を作ると主人の好みの味だったらしく、作れるだけ作ってくれと言われたので、作ると同時にその料理のレシピとその他のレパートリーを紙に書くと凄く喜んでもらえたので私はついグデーリアンという名前に軍人なのかと聞いたところ
「そうだ!!プロイセン王国時代から陸軍で働いている!!」
と言って普仏戦争時の体験談を語り出し、私と雨咲が質問すると秘伝のワインまで開けて夜まで語り合った。
〔翌朝〕
主人が私達に何で旅をしているのかを聞いてきたので、夜の内に雨咲とウォルターと話し合って地下鉄のことを主人と奥さんに話すことにした。
雨咲の能力の精度が上がった結果、その人物の性格もわかったからだ。
地下鉄のことを話すと
「ふむ・・・なら私達は誰にも話さない代わりに君らの故郷に連れてってくれないか?幸い私は長期休暇中だし、農場は安定期でなにもしなくてもいいからな。」
と言ってラーイグラードに行く代わりに地下鉄を秘密にすることを約束させることができたのだった。
【ラーイグラード】
主人と奥さんはすぐに旅の準備をすると家からすぐの林から地下鉄に続く階段が延びていたので、そこからラーイグラードに向かった。
主人と奥さんが始めに驚いたのが電車だったことだ。
この時代は汽車だったので、煙が出ないことと、小傘が造るからには美しくしたいと言ったために、私達でも近未来感を感じるデザインのため、夫婦はタイムスリップしてきた人物なのではと私達に聞いてきたのではぐらかしたが、夫婦の目には、敬服の二文字が書かれていた。
ラーイグラードについてからも効率的な農地を見たり、肥料を見て感動して
「ヤマメ閣下、私にも色々なことを教えてください!!」
と私に忠誠を誓うようになってしまった。
これを見たヤマメは
(これが神力か・・・オンとオフか出来ないからある意味大変かもしれないな。)
と思うようになった。
夫婦は2週間ほどラーイグラードに滞在して色々なことを学んで帰っていった。
ミレニアムの団員の1人が世界を見たいと言っていたので、夫婦の執事として派遣した。
グテーリアンの父親ですね。