【グレン島上空】
私はうなぎの背中に乗りながらスオウ島に向かうと、途中でハクリュウの群れと遭遇し、私にはかいこうせんを一斉発射してきたのだ。
「うなぎ!!はかいこうせんを上に撃って回避して!!」
私ははかいこうせんの威力でうなぎを急降下させることに成功し、紙一重で避けきった。
(・・・たぶん敵のポケモンだな。全て捕まえるか。)
私は片方の触手でモンスターボールを、もう片方にUZI(麻酔弾装填)を持ちハクリュウの群れを瞬時に捕獲した。
(触手の方が早いけど、威力不足だからな~。)
この空中戦で10匹のハクリュウを捕まえるヤマメだった。
【スオウ島】
私は島の中央に近づき、うなぎをボールにしまうと、約800メートルをパラシュート無しで急降下した。
地面が近づくと触手を網目状にし、そこに糸を通すことでパラシュートの代用をした。
着陸すると敵だと思う青年と麦わら帽子の子が私を見ていた。
「・・・ロケット団No.2のヤマメでいいかな?」
敵の青年が私に話しかけてくる。
「ロケット団員ではないな~。あくまで協力者だよ。そんな君は?」
「自己紹介がまだだったね。僕はワタル、ポケモンの楽園を創る者さ。」
「・・・頭大丈夫?」
「失礼だな!!僕ら人間は増えすぎた、だから僕がポケモン達の代わりに人間を減らしているんだ!!」
麦わら帽子の子もこの発言で狂気を感じたようで一歩後ろにさがる。
しかし、私は変わらずに話す
「自分の手で人を殺したこともないガキが理想を語るなんてな~。甘い!!」
「・・・なら君は殺したことがあるのかい?」
「私が生きてきたなかで5200人を殺したさ。」
「・・・嘘だね。そんなに殺していたら新聞や記事になる!!」
「・・・この世界以外にも世界は広がっている。」
馬鹿者と麦わら帽子の子は首を傾げる
「ポケモンが居ない世界から私は来た。科学が進んだ世界から来た。古代文字の英語が使われていた時代を見てきた。・・・理想を語る者は全て更なる理想を語る者に潰され、今を守ろうとする者に殺された。私は守ろうとする側であったからそういった理想家を殺したよ。この手でね!!」
私の視線で馬鹿者は震える。
しかし、麦わら帽子の子は
「じゃあなんで私達の町を壊すの!!ポケモンを虐めるの!!」
「町を壊したのは謝るが、ポケモンを虐めるのはさらに多くの犠牲を出さないためだ。」
麦わら帽子の子の後ろにいつのまにかサカキさんが立っていた。
麦わら帽子の子の質問に答えるとサカキさんは馬鹿者に近づき胸ぐらを掴んでこう言った
「経験がない力だけが取り柄の若者はこうなるか・・・。所詮世界を知らないガキか。」
そう言うとサカキさんの胸ポケットが光だし、ジムバッチが服の外に飛び出した。
「・・・僕の勝ちだ!!ジムバッチにはポケモンを制御する働きがある。8つ全てを集め、その力を増幅させれば伝説のポケモンを制御することも可能なのだ!!」
上空に大きなポケモンが飛んでいるのがわかる。
私はポケモン達を出そうとしたが、麦わら帽子の子が
「そんな力を使って人とポケモンの絆を破壊させない!!みんな力を貸して!!」
麦わら帽子の子がボールからポケモンを出すと進化前のポケモン5匹とピカチュウが出てきた。
馬鹿者は
「ハハハ、そんなポケモンで何ができる!!」
「・・・もう進化をキャンセルさせない。」
その時奇跡がおきた、進化前のポケモン達が一斉に進化したのだ。
「・・・イエロー、やるんだ!!ワタルを止めてくれ。」
ボロボロになって倒れていたカツラが麦わら帽子の子・・・イエローに声援を送り、さらに別のところから大きなエネルギーがピカチュウに送られているのがわかる。
(レッド君、グリーン君、ブルーちゃんがこのエネルギーを送っているのか・・・。)
私とサカキさんはこの場は大丈夫だと思い、この場から撤退に移った。
イエローが
「ピカ100万ボルト!!」
と強力なエネルギー波が伝説のポケモンに直撃すると伝説のポケモンはこの場から飛んでいき、エネルギー波の余波が周囲に飛び散った。
私はそのエネルギーを触るとなぜか成分が頭に浮かんだ
(荒れ地や砂漠を緑化し、核を無害化するか・・・再現には核爆弾並みのエネルギーが必要・・・。)