【ラーイグラート】〔10分後〕
雨咲にルキを図鑑の転送システムを使って転送してもらい、テレポートでラーイグラートにある自宅に移動した。
自宅に着くと雨咲、小傘、ウォルターをリビングに呼んでオーキド博士とナナミちゃんを連れてきた理由とロケット団が活動が活発化したことを告げた。
「お姉ちゃん、それだと私達も動くの?物資、移動速度、相手の情報の不足などで70%負けるよ。」
「・・・動く気はないよ。ただ、ロケット団の幹部救出は私単独でやらしてもらうけどいい?」
「反対はしないけど・・・ルキを一応連れていって。」
「ありがとう。・・・待たせて悪かったね、オーキドさん、ナナミちゃん。」
「・・・ヤマメ達はロケット団のことを知っていて協力していたのか?」
「・・・うん。生きるために必要な金銭を手に入れるためには信頼できる組織と取引しなければならなくてね。オーキドさんの代理取引の金を稼ぐのにも必要だったんだよ。」
「なら、人のポケモンを略奪し密売したり、実験に使っていたのも知っていたのか?」
「密売については知らないけど・・・実験は黙認してたね。」
「なぜ止めなかったんじゃ!!」
「・・・その実験によって多くのポケモンが助かってるからだよ。1を犠牲に10を助けたんだよ。」
「・・・全てを助けようとはしないのか?」
「・・・したけど、私もサカキさんもそんな余裕はないよ。サカキさんは息子を誘拐されて心身ともに疲弊しながらも目的のために頑張ったんだからね。」
「・・・ヤマメ達とロケット団の目的は一緒なのか?」
「そうだよ。」
「・・・ワシも似ているのかもしれないな。」
オーキド博士はコイキングを助け、ギャラドスに進化したときを思い出したようで、実験の過程で2匹のコイキングを助けることができないまま見殺しにしてしまったことを話してくれた。
「・・・ワシはロケット団の活動を批難できんな。ヤマメ達はそのような実験はおこなったのか?」
「同志を実験に使うほど私は冷酷な性格じゃないよ。」
「そうか・・・。」
どんよりとした空気がリビングの全員を包み込んだ。
この空気を変えたのは雨咲だった。
「・・・オーキド博士が秘密を教えてくれたし、今まで助けてもらってたから私達の真実も教えても良いよね。」
私はウォルターにお茶のおかわりを出すように指示し、小傘がうなずいたのを見た雨咲はゆっくりと話始めた
「私達3人は人間じゃないんだ・・・。」
オーキド博士とナナミちゃんは真剣に雨咲の話を聞いた。
雨咲は、私達が異世界の住民であること、ヤマメと小傘は数百年生きていること、妖怪のことを・・・。
話が終わったのは2時間後だった。
ウォルターにも話していない内容があったので私と小傘、話し手の雨咲以外は真剣に聞いていた。
その後は周辺の施設紹介とポケモン達の紹介をして1日は終わったのだった。