【家】〔1年後〕
私は悩んでいた。
(最初は契約してくれた人がいたのに・・・今は全くいない。売れる物は米だけでそれも研究がおこなわれているらしい。このままだと会社が潰れてしまう。理由を探さないと!!)
雨咲は1年前から何かを作るのに必死そうでなかなかポケモン達と訓練をおこなえないほど疲れていた。
小傘も米が会社を支えているため生産拡大と品種改良をおこなっていて、徹夜になりがちだ。
皆が必死に頑張っているのに私が動かないのは2人に失礼だし、自分の存在価値が低下することを嫌う妖怪の本能的部分も刺激されてとりあえずトキワシティまで行って原因を探ることにした。
【マサラタウン】〔昼〕
マサラタウンに到着した私はオーキド研究所に向かった。
(・・・周りからの不信感の目線が痛い。なんでだ?)
オーキド研究所に着いた私はオーキド博士に研究所に入れてもらいなぜマサラタウンの人の目線が変わったのかを聞くと一枚の新聞記事を私の前に置いた。
《リーグチャンピオン、ポケモントレーニングの実体
わが社の取材からポケモン達を使ったビジネスを始めたが、この写真からもわかるように軍隊を作っているとしか思えない。詳しくは8面へ・・・。》
「これは!!」
衝撃を受けた。
盗撮された写真をスクープとして記事に載せられてしまった。
「・・・ワシはヤマメ君がポケモンを大切にしているのは知っているが、知らない人間から見たらポケモンを虐待している人物にしか見えないのだよ。さらにこれを見てくれ。」
と別の新聞社の記事を見せられた。
そこには昔に、うなぎの強化服に文句をつけた老人が写っていた。
「前ポケモン協会会長だ。闘病のためクチバシティにいたところで君のポケモンの接し方を見て激怒したらしい。自分の手持ちのポケモンの虐待は重罪でポケモンを持つことを60年間持つことを禁止された上で30年間の獄中生活になる。ワシとサカキ君は冤罪と主張しているが・・・。」
「・・・。」
死んだ魚のような目をした私は研究所から無言で出ると、うなぎをボールから出してクチバシティに向かった。
【クチバシティ】〔夕方〕
私は手を打つのが遅かったのを実感した。
町では私を見た市民が私に聞こえるギリギリの声で悪口を言っていることがわかる。
ポケモン大好きクラブという団体が私をポケモンの敵と演説していた。
止めは警官から現行犯逮捕と言って追って来たことだった。
私は自身の出せる全力走り町を抜けた。
郊外に着くと私は木の影で泣いた。
結局は嫌われて地底に封じ込められた時を思い出すのには時間がかからなかった。
前までは前の世界の信仰力が強かったが、現在は不の感情が大きく、人間に裏切られたように感じた。
しかし、ヤマメ思う
(勘違いしていたな~。いや、約75年間人間と関わったことで感覚が麻痺していたのかな?)
人間と妖怪はわかり合うことはないと思ったその時
「あ、軍服をくれたお姉さんだ!!」
昔に軍服をあげた男の子がいた。
「お姉さんを悪く言うやつがいるけどオレは違うからな!!」
と私の心を読んだかのようにピンポイントで私の不の感情を抑えてくれた。
「・・・ありがとう。」
私は男の子の頭を撫でるとうなぎを再びボールから出して家に戻った。