触手を移植してから3時間がたった。
体が痛むこともないため触手を動かしてみようと考え外に出た。
【裏の竹林】
首に別の感覚があり、その感覚を手のように上に上げてみた。うまく触手は動いてくれたためどれくらいの重さまで触手が持ち上げられるか実験してみることにした。
結果は片方で約25キロ相当の竹を持ち上げることが限界だった。
殺せんせーは片方で約75キロの参考書の山を持ち上げていたのでだいぶ劣化していることがわかった。
スピードも正確には測ることが出来なかったが、音速の3~5倍には速いこともわかった。
さらに、触手の感覚が馴染むにつれて自身の動体視力と反応速度をあげることもできた。
(デメリットは特になかったからよかったけど、劣化コピーしかできなかったな~ここぞという場面で殺せんせーの心理的動揺を誘うことが目的になるな~後は、荷物が取りやすくなったことと、不意討に使えるかな?)
いまいち有効な使い方が思いつかず、その日も残りの時間は糸と肉体強化の特訓とナイフの素振りをして家に帰るのだった。
〔次の日〕
新しく体育担当の先生となった烏間先生に私達は、ナイフの使い方を教えてもらっていた。
私は最近暗殺に積極的に参加しなかったためか、もともと影が薄いのか、殺せんせーが私にたいしての警戒度が以上に低いような気がして若干落ち込みながらナイフを振っていると、烏間先生に覇気がない。と注意されてしまった。
テンションが完全に下がったところ、校舎からグランドに来る男子を見つけた。
私は知らなかったのだが、他のクラスメイトの殆どが知っていたらしく、カルマ君と呼んでいた。
殺せんせーに挨拶にみせかけて暗殺に移動するスピードがとても早く、悪知恵がはたらく子というのが彼の第一印象だった。
〔6時間目〕
小テストだ。
私はいつも平均点を取るようにしていた。
授業内容はもう私は覚えたところで、家ではすでに大学並みの内容をしていたため簡単だった。
まだE組に来る前は3回に1回は期末や、中間のテストをサボって医学をしていたため、勉強が出来ず、やる気もない生徒となっているらしい。
今日の小テストも70点を取り、帰宅した。
〔翌日〕
カルマ君が殺せんせーにマークされた。
カルマ君も頑張っているが私からみても隙がない。
今日一日ギスギスした空気が教室内にただよっていた。
〔夕方〕
夕食と明日の買い出しに店に来ていたところ、カルマ君が歩いているのを見かけた。
その顔は、なんだか晴れ晴れとしていた。