【家】
家に着くと雨咲が律と勉強していたが私と背負っている少女を見ると驚いて
「お姉ちゃん!?どうしたのこの子は!ボロボロじゃない。」
「・・・弱っているけどたぶん私の出身と同じところから来たと思う。」
「となると幻想郷ってとこ?・・・それよりその子を治療するのが先じゃない!!」
「雨咲、ちょっと手伝ってくれる?」
「もちろん。律と電子殺せんせーもいいよね。」
「「もちろん(です)。」」
それから私が寝ているベットに少女を寝かせ、栄養剤を注射で体内に入れて私と雨咲の妖力を混ぜた点滴を腕にさして様子を見ることにした。
律いわく心拍数は安定しているので私達は少女を電子殺せんせーに任せて肺炎の薬を雨咲に作り方を教えながら作るのだった。
〔2時間後〕
少女はゆっくりと目を覚ました。
私は少女に肺炎の薬を飲ませると普通にしゃべれるようになった。
「楽になりました、ありがとうございます。私は小傘といいます。」
そのまま私は小傘に質問した。
「小傘は妖怪だよね。たぶん大切に持っていた傘の妖怪かな?」
「はい。あの~私の本体はどこですか?」
「あそこだよ。」
私はテーブルに新品のように綺麗になった傘を指差した。
傘の顔も笑顔のようにみえる。
「私だけでなく本体も綺麗にしてもらいありがとうございます。あの~あなたたちも妖怪ですか?今妖力に気がついて・・・。」
「そうだよ。私はヤマメっていうの。こっちが娘の雨咲で、あっちでアームを動かしているのが律と電子殺せんせーだよ。」
「本当にありがとうございます。まさかこの世界で妖怪に出会うことができるとは・・・。」
泣き出した小傘は自分の経緯を話し始めた
「私は幻想郷の妙蓮寺という寺の墓に住んでいました。住職とも仲が良かったのでその寺にもよくお世話になっていました。今回も私が住職の説法を聞きに行った時に、昨日までなかった青く光る穴を見つけたのがことの始まりです。私は近くにあった石に足をぶつけて転んでしまい、そのまま穴の中に入ってしまいました。本体を咄嗟に開いたのでゆっくりと穴を落ちましたがすごく長かったことを覚えています。15分くらいでしょうか、周りが明るくなると同時に私は意識を失ったのは・・・大きな建物の間・・・路地裏と言えばいいのかな?そこで目を覚ますと大きな道に人がいっぱいいたので興奮してしまい、驚かして糧を集めようとしたのですが・・・。」
「無視されたの?」
「はい。さらに邪魔といわれたので他の人には後ろから声をかけるようにしたのですが驚いてもらえず、3年がたった頃から存在自体が薄くなり、声が出なくなったのは・・・糧を上手く集めることができなくなった私はそのまま倒れてしまい、そこでヤマメさんに助けてもらいました。」
(この子は驚かすことが食料にもなるのか・・・。3年もよく生き延びれたな。)
「大変だったね。これからはどうするの?」
「恩返しをしたいのですが無一文で・・・。」
「家で働いてみない?」
「お姉ちゃん!?どうしたの。」
「いいんですか?」
「ちょうど家政婦が欲しかったからいいよ。3食寝る場所付きでどう?」
「だからお姉ちゃんどうしたの?」
「雨咲もそろそろ高校で大変になると思うのね。その時に家を守ってもらえる人がいたほうが都合がよくてね。あぁ律と電子殺せんせーは落ち込まないで、2人には小傘の教育をしてもらいたいのね。いい?」
「「はい。」」
「で小傘はどうかな?」
「ありがとうございます。助けていただいてばかりで・・・頑張ります。」
「ところで小傘は特技とかあるの?」
「ええっと鍛冶を少々。」
「どれぐらい?」
「日常品から神社の鈴や刀も作れます。」
「へ~。こんどなにか頼もうかな。じゃあがんばって勉強すればもっと色々作れそうだね。」
「はい。がんばって恩返しします。いや、主と呼ばせてください。」
「ヤマメでいいのに・・・。」
新しい家族に小傘が加わるのだった。
雨咲も電子殺せんせーと呼んでます。