私が後ろを向くと9尾の女・・・いや藍が立っていた。
「妖怪としての格は落ちたようだが戦闘力は上がっているようだな。異変ぶりだなヤマメ。しかし驚いた、人間の死を悲しむとはね。昔の貴女なら絶対になかったでしょうに。」
「くだらない会話はいい・・・用件を言え。」
「まぁ焦るな・・・幻想郷の1部が崩壊した。」
「なに!?キスメ達は無事か。」
「幸いにも被害は君だけだ。その崩壊の直接的なね。」
「と言うと別に何かあったんだな。」
「あぁ、覚妖怪の妹が君を別次元に落とした罪悪感からか引きこもってしまったのだよ。それによって友達の紅魔館の妹の精神状態が悪化してね。犠牲者が出たんだよ。」
「そうか・・・まさかそれを伝えに来ただけか?」
「いや、可能なら貴女を連れて帰るつもりだったが色々と無理なことがわかった。」
「どういうことだ?」
「貴女が信仰されてるからだよ。妖怪は人に認知されないと消えてしまうだろ。妖怪は恐怖で存在感を増やし、神は信仰で存在感を増やす。存在感が大きくなるとそれぞれの格が上がることで身体も強化されていくのだが・・・貴女が次元を越えたことで身体に何らかの変化がおきたと思われる。妖怪は体を鍛えても経験は積むが筋力が増えることはない。見ただけだがすでに全力を出せば鬼並みの力が出せるだろ。普通はそうはならない。現人神ならぬ現妖神になっていると思うぞ、妖怪がほとんど恐怖されていないこの世界で貴女が消滅していないのだから。」
(・・・思い当たる節があるな~。主に東方オタと軍オタ、多々の事件の解決でそれの感謝が信仰に変化しているのならありえるか。なるほど影が薄かった理由が恐怖以前におじいさんしか関わりがなかったからどんどん存在感が減っていたのか。おじいさんには妖怪と教えたからどこか警戒していたのが私の存在を安定していたのか・・・学校はいじめられる側だから恐怖なんてあるわけないしね。影が濃くなりだしたのが殺せんせーと烏間先生に話してからだからな。・・・なら藍はなぜここに存在している?いや、存在していないのか。)
「なるほど・・・ならなぜ藍は目の前にいるのか?」
「私の妖力を媒介に詰め込んで紫様が強引に開けた境界に投げ込んだのだよ。あと1分後には消えるがな。」
「そうか・・・一応聞いておく。幻想郷に私は帰れるか?」
「はっきり言う、無理だ。」
と言って藍は消えた。
(メッセージがあっただけ良しとするか、もう帰れないのは知っていたしな。)
そう思いヤマメは家に帰るのだった。
\幻想郷帰還不可能/