魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~   作:天翼

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復活までの番外編3

 

 

 桜さんを別客室に寝かせ、私達は居間で話会いを行っております。

 

「ですから、あのような辛い事を経験しているのですから、もうそこはぱっと、身体も心も綺麗にしましょうよ」

「でも、流石に記憶の消去に若返りはまずくない?」

「若返りは手術するのに便利ですからね。癒着がましになります。傷に関してもアムリタを点滴として使えば問題ありません」

「どちらにしろ、記憶は本人の意思ではないかね」

「それもそうよね」

「では、その方向で。若返りに関してはまあ慰謝料とでも思って頂きましょう」

 

 桜さんを魔改造もしたいのでちょうどいいですね。虚数ですよ、架空元素・虚数。これは素晴らしい能力です。桜の虚数と間桐の吸収を掛け合わせて、影を使役し、ありとあらゆる生物を溶解し、吸収する魔術は素晴らしいです。ぜひ、欲しいです。

 

「しかし、本当に大丈夫なの?」

「問題ありません。失敗したとしても、彼女の細胞からクローンを作成しておきますので」

「なんつー技術力よ」

「ふっふっふ、プロジェクトフェイトの力を見せてあげます」

 

 魂に関してはメディアさんに教えていただいていますしね。まあ、協力者として彼女にも要請をだしましょう。

 

「説明はお願いします。私は協力者を得てきますので」

「そっちは大丈夫なの?」

「問題ありません。いざとなれば切り札がありますから」

「私もついていこう。彼女だけでは危ないだろうしな」

「そうね、お願いするわ」

「では、行きましょうか」

「ああ」

 

 私は未来のお兄さんと一緒に冬木市最大の霊脈である柳洞寺へと向かいました。

 

 

 

 階段を登り、山門が見えてきます。何故か人は居らず、静かな、別世界のような感じになっています。

 

「居たぞ」

「居ましたね」

 

 山門の前には和服姿の男性が居りました。

 

「巡礼に参りました。通してください」

「サーヴァントが巡礼やこれいかに」

「まあ、キャスターさんに用があるのも事実です。もちろん、あなたにも」

「ほう、私にもか」

「ええ。秘剣・燕返し。ぜひとも受けてみたいのです。佐々木小次郎」

「おい、何を言っている。君なら瞬殺できるだろう。背後の山門ごと」

「ええ、できます。ですが……楽しまないと損ですから」

 

 私服姿からバリアジャケットを展開し、杖になったルシフェリオンを握ります。

 

「私が佐々木小次郎である事を知っているのか。しかし、拒否すればどうするのだね」

「こうします」

 

 地面を杖でつき、召喚魔法……宝具を発動させます。

 

「観測体(ゼーア)、解析体(プリューファ)、行ってください」

 身体中が機械で出来た人型の位階序列十位。機凱種(エクスマキナ)。これこそが私がサーヴァントとして持つ宝具の一つ。後は天翼種ぐらいです。種族が宝具となるのはこれいかに。あとはルシフェリオンも一応、宝具になるのでしょうか?

 

「機械の化け物か。面妖な」

 

 接敵しながら銃弾を放ちますが、全てを剣ではじきます。しかし、人類種(イマニティ)とは違う圧倒的な身体能力と防御能力で圧倒的していきます。

 

「人類種の英雄といえど、限界はあります。故に機凱種には叶わない。ましてや……」

 毒を排出するのです。戦闘が長引けば長引くほど、霊骸を体内に取り込んで死ぬこととなるでしょう。

「確かにこれは出さざる終え参って――秘剣『燕返し』!」

 並列世界から呼び込まれる3つの異なる剣筋がわずかな時間差もなく、完全に同一の時間に襲ってきます。

「解析……解析……」

 

 観測体(ゼーア)が斬り伏せられ、次々に倒されていきます。まるで、切ったという事象を引き寄せているかのように。

 

「あぁ、素晴らしい、素晴らしいです……多重次元屈折現象……いただきました」

 ルシフェリオンを刀へと変形させて私も我が家に伝わる神速で飛び込みます。

「むっ!?」

 

 天翼種と機凱種の身体能力を持つ私が、高町家の秘伝を使えば軽く音速は突破できます。

 

「――秘剣『燕返し』」

「なんとっ!?」

 

 神速からなる、音速を超えた斬撃を一度に放ちます。ですが、劣化しているので二発が限界でした。佐々木小次郎は私の剣戟を受けて同じく燕返しで迎撃してきます。2撃を当て、軌道を変え、残りの1撃は少し軌道をかえてなんとか回避しました。ですが、私は更に追撃で放ちます。当然、一度目よりも二度目が鋭くなります。しかし――

 

「そこまでよ」

 

 ――階段が爆発して吹き飛ばされてしまいました。私は空中に浮いて体勢を整えます。やってきた女性は目的の人物です。

 

「先生っ」

「え?」

 

 私はシフトで移動し、思いっきり抱き着きます。やはり、あちらでの知り合いに会うと嬉しくなりますからね。

 

「え? え?」

「何がどうなている?」

「キャスターよ、そこな面妖なサーヴァントと知り合いか?」

「そんな訳ないわよ! ちょっと、説明なさい!」

「もちろんです」

 

 私は抱き着いたまま色々と話していきます。

 

「信じられないわ」

 

 まあ、当然ですね。ですが、私には切り札があります。

 

「そうですか。では、切り札を出しましょう」

 

 王の財宝からとある紙を取り出して声たかだかに読んでいきます。

 

「私の趣味はお見合いから始まる恋愛で……今好きな人は……」

「やめなさいっ、やめなさいっ!」

 

 あわてて私から紙を取り上げます。そこに書かれているのは14歳のメディアさんの事や、先生との事がつらつらと書かれています。最初は近況報告だったり、実験などのレポートだったのですが、途中から先生とのラブラブな新婚生活ののろけ話とかになっていたりします。はやてから聞いた事も載せてあります。ちなみに大人になった場合は真っ赤になって回収しようとしてきますが、全文を覚えてしまっている私には意味がありません。記憶消去もききませんしね。

 

「あっ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 顔を両手で隠して蹲るメディアさん。そんなメディアさんの肩にそっと手をおきます。

 

「信じてくれますか? なんでしたら、もっと暴露してあげますよ」

「わかったわよ! 信じるからやめなさい!」

「信じてくれてよかったです」

「女は怖いな」

「うむ。誠にな」

 

 失礼ですね。私は元男で、怖くもなんともないですよ。ただの魔砲少女ですし。

 

「さて、メディアさんも宗一郎先生と幸せになりたくありませんか? あちらでも大変世話になっているので、お二人にはお幸せになって欲しいのですが……」

「よろしく! ぜひっ、ぜひっ、お願いよ!」

「任せてください。その代わり、少し協力してください」

「ええ、なんでも言ってちょうだい」

 

 そう言って、紙を燃やしながら立ち上がってくれました。

 

「では、行きましょう。ここの警備は佐々木小次郎さんと私のエクスマキナ達でできるでしょうし」

「アサシン、出かけてくるわ。留守はお願いね」

「心得た」

「お兄さんはどうします?」

「私も戻るよ」

「では、御手を拝借」

「ん?」

「ええ」

「シフト」

 

 一瞬で衛宮邸に移動した私達。直に桜の改造に取り掛かります。時間もないですしね。

 

「それで桜さん、記憶はどうしますか?」

「残してください。先輩と一緒に居たいですから。それと元に戻る薬は要りません。先輩がロリコンのようだったので」

「そうですか、わかりました。メディアさん、やりましょう」

「ええ、任せなさい」

 

 桜さんを眠らせてから、若返りの薬を飲んでもらって子供になって貰います。それからアムリタの点滴を流し込みながら、胸をルールブレイカーで開いて、虫を摘出して吸収の魔術をメディアさんに摘出していただきます。

 

 

 

 

 手術が終わり、凛さんと同じ髪色になりましたが、吸収を戻す事で紫になりました。解析も行って採取した物を取り込んだりもしたので、私も使えるようになっています。

 

「さて、起きてください」

「ここは……あっ、本当に小さくなってる」

「桜っ」

「姉さん……」

 

 凛さんが桜さんに抱き着いて泣いています。

 

「じゃあ、後は経過観察ですね。その間に後処理として間桐を滅ぼしてきますか」

「待ってください。それは私がやりたいです」

「いいでしょう」

「ちょっと、流石に無理でしょ!」

「いえ、アムリタを投与しているのでもう全回復しています。身体の大きさの変化に慣れたらいいだけですね」

「魔術の使い方は……そうね、こうしてあげるわ」

「っ!?」

 

 メディアさんが桜さんの頭を掴むと、桜さんが痛がります。

 

「ちょっとっ!?」

「魔術の知識を植え付けただけよ。問題ないわね?」

「はい、ありがとうございます。行ってきます、姉さん」

「ああ、もう……子供になったんだから……私が連れていくわ。アーチャーもきなさい!」

「心得た」

「……私、行く必要がないですね。パーティーの準備でもして待っていますか」

「どうしたの?」

「あっ、先輩」

「もしかして、桜か?」

「そうです。先輩の好みの身体になりましたよ」

 

 起き上がった桜さんが、凛さんを振りほどいてお兄さんに抱き着きました。

 

「私より幼いわね。いいこと、正妻は私だからね」

「ええ、問題ありません」

「衛宮君、ちょっと顔(つら)貸しなさい」

「いや、待てっ、遠坂!! 朱里、助けてくれ!」

「知りません。変態は虫風呂でも入ってきてください」

「なんでさっ!?」

 

 アニメで見た場所に面倒なので皆を強制転移します。シフトを攻撃につかったような感じで。

 

「さて、料理をしましょう。いえ、その前にやる事がありましたね」

 

 私も機凱種の皆を引き連れて、シフトで別の場所に出向き聖杯を桜から貰った影を使って手に入れます。中に居る人には高町式OHANASHIで快く出て行ってもらいました。

 後はかえってから急いで料理を作っていきます。どうせなら、チャレンジも兼ねて満漢全席とマーボウを作っておきました。もちろん、趣向の凝った盛り付けも行いました。もやしで鳳凰を作ったりとかです。後、ケーキも用意しました。

 皆が返ってくると、女神様が一人……三人ほど増えていました。仕方ないので彼女達をもてなしました。その後、聖杯の複製を行い竜脈からエネルギーを吸い上げるようにした物を綺麗にした泥と一緒にサーヴァント達に埋め込んで受肉して頂きました。ちゃんとプロジェクトFも作って子供が産めるようにもしておきました。あと、桜ちゃん達にも疑似聖杯を埋め込んでおきました。これがないと、魔力量の問題とかで影が上手い事いかないみたいです。私は問題ないのですが。

 メディアさんは大喜びしながら私のシフトを使うようにいって、帰りました。ついでなので佐々木小次郎さんの所に行って、彼も受肉してもらって自由になって貰いました。

 

「これでめでたし、めでたし、ですね」

 

 縁側に座りながらお茶を飲みつつそう言うと、襖が開いてお兄さんが飛び出してきました。その直ぐ後から凛さんが鬼の形相で出てきました。

 

「先輩……」

「シロウ……」

 

 襖の奥を見ると、もう一つ開け放たれた襖の先には裸で、眠たそうにしている桜とイリヤの姿が見えます。

 

「死ねっ、変態ロリコン野郎! よくも桜にまで手を出したわねっ!」

「違うっ、俺はやってないっ!」

「うっさいっ、死ねっ! アーチャー!」

「心得た。年貢の納め時だな。ブロークン・ファンタズ……」

「平和ですね~」

「今っ、俺は殺されかけているんだけど!」

「自分に殺されるとは、貴方に相応しい末路ですね」

「なんでさっ!」

 

 まあ、桜とイリヤが助けるでしょうが。ああ、アヴァロンはしっかりと回収しておきましょう。アレ、便利ですから。死亡率が上昇する? そんな事、私の知った事ではありません。ああ、お茶が美味しい。

 

 

 

 

 




FATE編、終わり!
ネタが思いつかないから、適当に居れただけの話ですしご勘弁を。

吸収サーヴァント
アルトリア
クー・フーリン
ギルガメッシュ
アンリマンユ

習得技術

桜の影魔術
疑似聖杯
燕返し(並行世界の操作)
吸収したサーヴァントの力

どう見てもチートやん!

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