魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~   作:天翼

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第17話

 

 

 

 

 

 

 ジェイル

 

 

 

 

 

 

 諸君、始めまして。ジェイル・スカリエッティ。管理局最高評議会によってアルハザード時代の技術を用いて生み出した人工的な生命体生だ。コードネームは無限の欲望(アンリミテッドデザイア)となっている。自分で言うのもなんだが、私は生命操作、生体改造、機械技術などの多くの分野で高い適正を持っている。研究に対する欲望や探究心も、植え付けられている。そう、私は管理局の都合で生み出され、首輪を付けたまま研究をさせられているただの人造科学者だ。現在は機械で出来た人型兵器、戦闘機人の開発を行っている。

 

「ドクター」

「ウーノか」

 

 紫のロングヘアーの女性であり、私の秘書をしてくれている娘、ウーノ。彼女は戦闘機人のタイプゼロから発展させた一号機となる。情報処理、開発補助、実務指揮の役割を与えている。

 

「どうしたのだね?」

「プレシア・テスタロッサから連絡を求められています」

「ほう、彼女からか」

「プロジェクト・フェイトの事と、話したい事があるそうです」

「繋いでくれ」

 

 手がけていた仕事の事故で愛娘のアリシアを失い、以後娘の復活のために全てをなげうってきた彼女だ。プロジェクト・フェイトは既に完成しているはずなのだが、何かあったのかね?

 

「どうぞ」

『久しぶりね、ジェイル』

「ああ、君も元気そうでなによりだ」

 

 通信画面に映ったのは前に見た病に犯され、焦っていた死人のような彼女では無い。生気に溢れ、非常に充実した日々を過ごしている様子が見てとれる。それに彼女の後ろに一人の女性が立っている。彼女はこちらをじっと見ている。

 

「それで、一体何の用かね?」

『貴方にお願いがあるの。今やっているプロジェクトに協力して欲しいの。拒否権は無いから』

「無いのかね?」

『無いわね。報酬は未知の技術と貴方が今やっている戦闘機人を遥かに超えた完成体の調査でどうかしら?』

「そんなものが実在しているのかね?」

『ええ、私の近くに居るわ。この子達の存在は管理局がひた隠しにするような存在よ』

「面白い。だが、報酬を追加して欲しいな」

『いい加減にしてくださいませ。下等生物には“はい”か“喜んで”しか選択できませんの』

「ほぅ」

『ちょっ、待ちなさい! まだ交渉の途中よ!』

『面倒ですから……それに、この方が早いのです」

「っ!?」

 

 いきなり背後に画面の向こうに居た女性が出現し、私の首を掴んだ。ウーノは慌てて彼女を排除しようとするが、片手を振るうだけで簡単に吹き飛ばされた。

 

「エクスマキナの劣化品如きがこの私の相手になると思われるのは不本意ですわね。消しますか」

「止めてくれたまえ。それよりもどうやってここに来たのかね?」

「それはもちろん、転移で」

「結界を張っていたはずだが……」

「この程度、障害にもなりませんし、私の転移は見た所や一度行った所ならどこへでもいけますの」

「チートおつ、だな」

「くすくす、さあ我等のマスター復活の為に協力していただきますわよ」

「これが選択肢無しの理由かね、プレシア女史」

『そうよ』

「協力はいいが、他にも報酬を用意してくれたまえ。娘の事もあるのでね」

『いいわよ。そうね、貴方でも父親なのよね?』

「そうだが?」

「お~では、こうしましょう。プレシアとジェイルが夫婦になればいいのです」

『「おい」』

「アリシアとフェイト、ジェイルの娘たちの為にも両親は健在の方がいいとマスターが言っていました。貴女達が協力し合うならいい関係になるのでは?」

「ふむ。確かに馬鹿な女は御免だが、プレシア女史ならば問題あるまい」

『私は……よく考えたらフェイトの父親でもあるのよね』

「プロジェクト・フェイトの根幹を設計したのは私だからね」

『いいわ。それでいきましょう。管理局とも事を構えそうだからさっさとこっちに移って貰うわ。その為にジブリールを寄越したのだから』

「よろしくお願いしますね」

「ああ」

 

 さて、向こうに持っていくものか。彼女の転移能力はすさまじいのだ。だったら、アレも持っていけるのだろうか?

 

「戦艦を一隻、持っていけるかね?」

「余裕ですが、何か?」

「研究所ごとは?」

「誰に物を言っていると思っているのですか、下等生物。天翼種たるこのわたくしに不可能はちょっとしかありません」

「ちょっとはあるのかね」

「不可能が無ければマスターは復活していますから」

「それもそうだ。詳しい事は後々聞こう。今は準備だ。ウーノ、大丈夫か?」

「はい、問題ありません」

「おやおや、欠片も力を込めてはいないとはいえ、ただの機械ならスクラップになるはずですが、以外と頑丈なのですね」

「研究に爆発はつきものだからな」

 

 ウーノの身体を調べて問題の箇所を修理してから準備を始める。必要なのは全て持って行かなくてはいけない。ああ、聖王のDNAが付着しているアレも持って行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 管理局最高評議会

 

 

 

 

 

 

 

 三つの脳髄がそれぞれの培養槽に入って浮かんでいる機械だらけの空間がある。彼らは旧暦の時代に次元世界を平定し、時空管理局設立後一線を退いた3人の人物が、その後も次元世界を見守るために作った組織が管理局最高評議会だ。前記の3人のみで構成され、それぞれ議長、書記、評議員の役職についている。管理局の最高意思決定機関となってはいるが、平時は運営方針に口出しすることはないという。しかし、ジェイルを作ったりと黒幕的な事をして世界を自らが望むように作り変えようとしている。

 

「アースラ通信主任兼執務官補佐、エイミィ・リミエッタからの報告で第97管理外世界に災厄指定のロストロギアが発見された」

「それも災厄指定のロストロギアが二体もか」

「アルハザードを滅ぼしたと伝えられる禁断の兵器か。フリューゲルにエクスマキナ。この二体が協力していたというのは本当か?」

「本当のようだ。それにエクスマキナはアルカンシェルの攻撃を受けてアルカンシェル自体を模倣している」

「歴史通りか。どちらにしろ、連中は世界を蝕み人類が住めない大地を作り出す」

「真に恐ろしき兵器よ」

「滅ぼさねばならぬ。ここは管理局の全戦力を集めて管理外世界もろとも消してしまおうではないか」

「待て。連中は宇宙空間でも生身で存在できる出鱈目な存在だぞ。まともに滅ぼす方法はない」

「次元震を起こし、虚数空間へと放り込む」

「どちらにしろ、先ずは封鎖して二体の情報を集めねばならぬな」

「うむ。詳しい事は無限書庫を調べねばならぬ」

「対策はジェイルにも取らせよう。いそがねば世界が滅びる」

「アースラの乗組員達はどうする?」

「殉職した扱いでよかろう」

「了解した」

 

 彼らはジェイル・スカリエッティに連絡を取ろうとするが、一切連絡はつかなかった。彼らは次元封鎖を行い、更には情報封鎖も行った。当然、部隊を動かして監視も行っている。

 

 

 

 

 

 




朱里「さて、ドクターがログインしました。いよいよ、ヴォルケンリッターが現れます。後、なのはのコピー体になるという面白い話をみつけました。更新が気になりますね」

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