魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~   作:天翼

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あれ、戦闘を書くつもりだったのに、おかしいな


第12話

 

 

 

 

 メディア

 

 

 

 最後に残されたジュエルシードもフェイトが封印して私達の手に入りました。これで残るは高町なのはが持つ残り三つだけです。

 

「本当に来るのかしら?」

「来るでしょう。彼女達にとってこれは大切な物のようですし、おそらく賭けにも乗ってくるでしょう。拒否した場合は力ずくで奪うだけです」

「まあ、戦力的に見て私達の方が圧倒的に有利ね」

「はい」

 

 私が海鳴市に来てから今まで何もしていなかったはずはなく、既に市の全域を私の支配下に置いています。いざとなればいろいろと仕掛けを発動すればいいだけです。それに戦力はプレシアを始め、フェイト、レヴィ、いづなが居ます。サポートにはアルフとリニスです。そして、万が一の時は朱里も控えています。

 

「フェイト、レヴィ、準備はいいかしら?」

「大丈夫だよ」

「平気平気、全部ボクに任せてよ! けちょんけちょんにしてやるんだから!」

「お母さん達から貰った新しいバルディッシュと」

「バルニフィカスもね!」

「気をつけなさいよ。システムで無理矢理制御している部分があるんだから」

「まだ未完成ですから気をつけてね」

 彼女達のデバイスには本物の宝具と、その宝具を朱里の力で模倣して構築した擬似宝具が取り込まれています。擬似宝具はエネルギーさえあれば使い方さえ知っていれば誰でも使えます。擬似宝具と本来の宝具をリンクさせる事で本来の持ち主である英霊達と同様に宝具を使えるようにしました。難点は本来の宝具よりも若干、威力が下がる事でしょう。

「あ、来たみたい」

「本当だ」

 

 旅館の方から高町なのはとそのペットに加えて二人の少年と少女がやって来ました。

 

「ぷ、プレシア・テスタロッサだと……」

「それにメディアまで……まさか」

「知り合いではないはずだけれど。まあ、いいわ」

「そうですね。どうでもいいです。高町なのは、私達は貴女に対してジュエルシードの即時引渡しを要求します」

「そ、それは出来ないの!」

「何故です?」

「だって、これはユーノ君が……」

 

 彼女の話ではユーノという子が発掘してこの世界に散撒いてしまったようです。

 

「わかりました。なら、損害賠償を請求させていただきましょう」

「え?」

「何を惚けているのですか。貴方がこの世界に齎した被害はどれほどのものだと思っているのですか? 間接的とは言え60億を超える人を滅ぼす原因を作ったのですよ」

「そ、それは!! 僕は頑張って……」

「回収ですか? 回収は既に私達がしています。そちらの三個を除いて全て回収できました」

「なら、それを渡してください! 僕の方で……」

「お断りします。信じられません」

「そうよね」

「「うんうん」」

「おい、待てよ。そいつらはジュエルシードを使ってとんでもない事を企んでいるんだぞ!」

 

 やはり、プレシアの目的を知っているようですね。ですが、何ら問題はありません。

 

「あら、それはなにかしら?」

「娘の蘇生だろ!」

「だよな?」

「う、うむ、そのはずだ」

 

 少年二人言葉に金髪の少女が答えます。

 

「あら、ジュエルシードを使って蘇らせる事は諦めたわ。彼女のお陰で娘と話せたし、アリシアの願いがこの子達と仲良く過ごしていく事だってわかったから」

 

 嘘は言っていません。ジュエルシードでは諦めましたね。

 

「えっへん」

「おい、まて」

「なんですか。降霊術を使って望みを叶えてあげただけですよ」

「あ、あの、じゃあ……なのはがジュエルシードを渡したら、それをどうするのですか?」

「こちらで管理します。この世界に災厄を撒き散らかした者達に管理を任せるはずありません。話し合いをしてもらっているだけでもありがたいと思ってください。本来なら問答無用で殺していますよ」

「っ!?」

「フェイト達も同じだろ! なんで扱いが……」

「彼女達は協力者です。それも愚か者の後始末をしてくれている方たちです

 」

「ねぇねぇ、戦わないの~?」

「レヴィ、まだだよ。あっちで大人しくしていようね」

「あ、いづなが何か食べてる!」

「やらねーぞ、です」

「えぇ~」

「いづな、お願い」

「仕方ねえ、です。ゲームで勝ったらくれてやる、です」

「やった」

 

 子供達は少し離れた場所でおやつタイムをしだしましたが、無視します。そそくさとプレシアがそちらに移動しましたが、ええ、無視しますとも。

 

「それで、どうしますか? 引き渡すなら……そうですね。高町なのはには彼女達と友達になるのもありです」

「本当!」

「ええ、既に神秘の力に目覚めたのですから今更元の生活には戻れないでしょう。下手をしたら色々と危険ですからね」

「ゆ、ユーノ君……」

「待てって。ジュエルシードは……」

「子供は黙っていなさい。これは関係者である二人とこの世界の管理者権限(大人)である私達がする事です。まだ数年しか生きていない子が入っていい話ではありません。それとも、貴女達はもしもそれが原因で地球が崩壊しても責任をもてますか?」

「「ぐっ」」

「無理だ」

「わかった。渡すよ。この世界の人達に迷惑をかけたのは本当だし」

「いいの、ユーノ君?」

「うん。それになのはにこれ以上迷惑をかけられないよ。まして、彼女は本当になのはを殺してしまいそうだし」

「ふぇ?!」

「この世界の魔術には非殺傷設定なんてものはありません。そんなぬるいものではなく、完全なる殺し合いの力ですよ」

「わ、わかったの……」

 

 なのはがレイジングハートからジュエルシードを呼び出し、こちらに渡そうと持ってきます。

 

「させるか!」

「きゃあぁっ!!」

「「「なっ!?」」」

 

 金髪の少女がなのはを突き飛ばし、ジュエルシードを確保してしまいました。

 

「どういうつもりだ!」

「そうですね」

「どうもこうもあるか! 俺は、我はこのジュエルシードで男に戻る!!」

「「ふざけんなっ!! 攻略対象が減る!!」」

 

 ジュエルシードを握り締め、悲痛な叫びをあげた金髪の少女。それに大して止めようとする少年達。

 

「さぁ、ジュエルシードよ、我が願いを聞き届けよ!! っ、どこを触っておる!! もう許さぬ! エアよ!!」

 

 暴れる少女の手に握り締められたジュエルシードは巻き散らかされる力に封印が解除されました。光の柱を作り出し、世界を振動させていきます。

 

「ストップだ! 僕は管理局の……」

 

 そんな彼等の間に黒髪の少年が現れたその瞬間……遠方から光が着弾しました。膨大な赤い光はジュエルシードの光を食らいつくしていきます。四人はなんとか逃れたようですが、爆心地には巨大なクレーターが出来ています。その中心部にはジュエルシードが三つあります。

 

「っ、ジュエルシード!」

「は、させねーぞ、です」

「がはっ!?」

 

 黒髪の少年がいち早くジュエルシードを回収しようとしますが、血壊となったいづなが殴り飛ばしてジュエルシードを回収しました。

 

「あ~ん」

「「「なっ!?」」」

「食べたっ!!」

 

 いづなが自ら食べてしまいました。

 

「おー美味しいの?」

「まじー、です」

「そうなんだ」

 

 吹き飛ばされて気絶した少年をフェイトとレヴィが引きずってやって来ました。相変わらず速いです。

 

「取り敢えず、三つは頂いたのでこれにて解散としましょう。このクレーターはこちらで直しておきますので」

「あの、その人はどうするんですか?」

「この人は他世界からの侵略者のようですから、色々として情報を吐いて頂きます」

「し、侵略者?」

「ええ、管理局なんて勝手に名乗って許可も納得もしていないのに私達の世界を支配しようとしているのですから侵略者でしょう」

「それ、ちが……」

「では、さようならです」

 

 直ぐにクレーターを修復して転送で帰ります。

 

「あ、なのはさんには後ほど連絡を入れますので」

「ばいばい~」

「またね」

 

 今回は戦闘にならずに済みましたね。少し消化不良ではありますが、よしとしましょう。無駄に被害を増やすのは宗一郎様の望むところではありませんし。

 

 

 

 

 


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