やはり俺がデュエリストなのはまちがっている。   作:sewashi

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お久しぶりです。

今回はGXの後のネタを色々組み込んでみました。

でもデュエルはない………早くしないと………

あと、前にもアンケートで書きましたがこの校外学習編は【あの小学生登場】です。


58話

俺達全員をのせたワゴンバスは千葉村へ到着して、俺達は予定を一通り聞かされる。

 

そして午前中の予定が終了し、お昼の用意……カレー作りだった……のだが……

 

「つーか、なんでカレー作りあんのに樺山先生を呼ばねぇんだよ………」

 

「マジそれだわー! カレー作りやんなら樺山先生の存在は必須っしょー!」

 

うおっ!? 火をつけていた俺の隣にいた葉山の取り巻き三人組の1人……戸部だったか?が俺の独り言に反応した。

 

「マジで!! あの樺山先生のカレーはアカデミア1……いや、日本一だかんな~、イエローの生徒でも月に一回食えるかどうかだし~、あー! 思い出したら食いたくなったわぁ!?」

 

「ははは、戸部は樺山先生のカレー大好物だもんな」

 

「え? マジ? そんなに旨いの? そのカレー」

 

戸部の大声に葉山が反応して、遊城が聞く。俺も材木座にイエロー寮で掃除を手伝わされ呼ばれて一回食べたことがあるが、あれは旨かった。

 

「くぅ~、俺も食ってみてぇ!」

 

「デュエル・アカデミアにいる限りいつかは食えるだろうな……」

 

俺はそう答えて鍋の火加減を見る。

 

「よーし、ここは我々教師陣に任せて、君達は小、中学生達と交流をしてこい」

 

平塚先生をはじめとした教師陣+トメさんが残りをやってくれるそうだ………

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

「十代様~っ!!」

 

遊城の名前を呼び、走って遊城に飛び付く1人の小学生がいた。

 

「うおっ!? れ、レイ!?」

 

遊城に抱きついたのは、かつてデュエル・アカデミアに性別と年齢を偽って編入したカイザーのストー……追っかけの早乙女レイだったか? あの時俺は特に興味もなかったのでスルーしていたが………

 

「久しぶりだな、なんでここに?」

 

「このオリエンテーションでボランティアをするのがデュエル・アカデミアの生徒だって聞いてもしかしてと思って参加したらズバリでした」

 

「そ、そうか……まぁよろしく」

 

「はい!」

 

「む」

 

遊城が珍しく戸惑い、なぜかその光景をみた天上院が不機嫌な顔になる。

 

つーか、いつの間にカイザーから遊城に鞍替えしたのやら………

 

そんな後輩組のやり取りを見てると三浦や葉山達は他の小、中学生に囲まれていた。

 

そんな中で1人ポツーンとあぶれている少女が1人いた。

 

葉山達はそんな少女に声をかけて輪に入れようとするが逆効果で逃げられてしまった。

 

そしてこっちに来た。

 

しかし、葉山も追いかけて来たので俺にも声がかかる。

 

「ほら、君も一緒に遊ぼう! 比企谷も」

 

「あー、悪いが俺はパス……お前は?」

 

「わ、私も……いい……」

 

「だそうだぞ?」

 

「あ、ああ、わかった。一緒にやりたくなったら言ってくれ」

 

葉山は行く。そして少女はなにか安心したかのような表情になる。

 

「名前」

 

「あ?」

 

「名前聞いてるの、わかるでしょ?」

 

なんか生意気な少女だな……かばわなきゃよかったか?

 

そう思っていると雪ノ下がやって来て言う。

 

「人に名前を訪ねるときは自分から名乗るのがマナーよ」

 

少女は少し萎縮して名乗った。

 

「………鶴見……留美」

 

「俺は比企谷 八幡。んでそっちのが雪ノ下 雪乃、んで今、こっちに走って来てるお団子頭が由比ヶ浜結衣でセミロングが一色いろはだ」

 

「ふーん」

 

「なに話してるの?」

 

「そっちの娘は?」

 

雪ノ下が由比ヶ浜と一色にある程度状況を話して鶴見が………

 

「八幡はさっきの人と違って仲良くさせようとしないの?」

 

いきなり呼び捨てかよ……まぁいいが……

 

「別に群れたくないなら群れなくてもいいだろ。好きで1人でいるなら好きにしろと思ってる」

 

「そうね、別に1人でいたくているなら問題はないわ」

 

「いや、こういう所での交遊関係って今後に響くから重要だよ!?」

 

「そうですよ~、仲良くできないにしても上手くやらなきゃ~」

 

俺と雪ノ下、由比ヶ浜と一色で意見が割れた。

 

「やっぱりそうなんだ……進級やクラス替えの度にグループとかが作られてコロコロ変わって周りに合わせる。対して仲良くなりたくなくても上っ面だけでも合わせなきゃいけない……それってなんか惨めだよね……」

 

「だな……だがそんな他人の評価を全て気にしていたら何もできなくなる」

 

「うん、だから別にいい……でもお父さんお母さんは納得しない……」

 

なるほど、両親か………それはわかる……

 

「でもやっぱり惨めなのが一番嫌……」

 

俺達はなにも言えなくなった。

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

夕飯時、俺達は少し暗い空気だった。

 

別にカレーが不味いわけではない。

 

問題なのはやはり………

 

「なんだなんだ? 葬式か通夜か?」

 

「皆、どうしたんだい?」

 

平塚先生とトメさんが聞いてくる。ちなみにクロノス先生とナポレオン教頭、鮫島校長はテントで酒を飲んでる。

 

「実は……小、中学生の中に孤立しちゃってる娘がいまして……」

 

葉山が説明するがその説明は少し足りない。孤立する事そのものは悪いことじゃない。問題なのは………

 

「ちげーよ、葉山先輩。孤立させられてる娘が1人いるんだ」

 

遊城が言い直した……は? 遊城が?

 

「それって何が違うん?」

 

三浦が聞く。俺が言ったんじゃ聞く耳も持たないくせに……

 

「前に八幡先輩も言ってたけど孤立そのものは本人がしたいならいいんだよ。ちょっと寂しいかもだけど……でもあの娘は明らかに周りに孤立させられてる……」

 

ああ、しかも悪意によってな………しかし……

 

「十代……貴様がそんなこと言うなんて珍しいな? 孤立とか無縁そうな性格してるクセに……」

 

「んだよ、失礼だな……俺だって友達から孤立させられたことぐらいあるっての!」

 

「十代が?」

 

「信じられない……」

 

三沢と天上院が驚く。俺も驚くわ……コミュ力の塊のこいつが?

 

「本当だって、小学生の頃、両親が共働きで家に居ないことが多くてさ、友達とか近所の兄ちゃんとか皆をよく俺んちに呼んでデュエルやってたんだけど、ある日俺とデュエルしたやつがいきなり原因不明でぶっ倒れちまってさ、その一件からクラス中の皆に『遊城十代の呪いだ~』とか言われて一時期クラスから孤立させられたんだぜ……本当になんで倒れたのか未だにわかんねーけど……」

 

遊城は笑い話のように話すが結構重い話だぞ!?

 

「あ、あはは、で、でもわかるよ……そこまで大げさじゃなくてもそれだけでグループ追い出されたりハブられたりなんて良くあることだし……」

 

「ですね~、そんな偶然起きた事故や事件を大げさに言って1人を除け者にして哀れな姿を見て楽しみたいんでしょうね~」

 

一色が言うと三浦や葉山がばつが悪そうに話を戻す。

 

「話が脱線しそうだけど、戻して……それで……十代君はどうやってその孤立させられた状況を打破したんだい?」

 

「ん~? どうだったかな~? ………あ! そうだ、たしかそれから何日かたったあと皆から『羨ましい!』って思われる出来事が俺に起こってさ、それであとは自然に皆と仲直りできたんだ!」

 

「羨ましいって思われる出来事……?」

 

「……なんだったっけ~? 給食のおかずにあたりがでた?違うな~、レアカード手にいれた?ん~、もっとすごいことだったような~?」

 

遊城は思い出そうと頑張っているが由比ヶ浜並みの記憶力で思い出せるか微妙なので話し合いを続ける……

 

「でもやっぱりあの娘の状況はどうにかしてあげたいな……皆で仲良くできる方法があれば………」

 

この葉山の発言に対して雪ノ下が言う。

 

「そんな方法はないわ。一欠片も可能性がないわ」

 

バッサリ切り捨てる。同意見だな。しかしこの発言がトリガーになったのか三浦も言う。

 

「あのさぁ、雪ノ下。あんた、隼人が仲良くできる方法探そうって言ってんのに即座に否定って少しは考えたら?自分ができないからって誰にもできないみたいにさ、あーしはあんたのこと好きじゃないけど楽しいキャンプだからって我慢してんだからね? じゃなきゃこんな話し合いしないっての」

 

「あら、私は三浦さんのこと嫌いだけど?」

 

「アア!?」

 

「優美子も雪ノ下さんも落ち着いて……」

 

「そうですよ~、中等部時代みたいに下らない喧嘩してないで~」

 

そういえばこいつらは中等部エスカレーター組だったな……付き合いはそれなりに長いのか?

 

「中等部時代何があったのかな?」

 

「さぁ? 進学組にはわからんね」

 

由比ヶ浜、川崎と進学組は疑問を持つ。俺も疑問を持つが興味はないな……後輩組も万丈目、天上院は『懐かしいような………』『まったく……』と進学組2人が反応する。

 

「先輩方、中等部時代に何があったのかはわかりませんが我々が全員仲良くできないようでは皆仲良くは難しいと思いますよ?」

 

三沢が言うこともごもっともだな………

 

「そうだね。三沢君の言う通りだよ。かくいうあたしたち大人でも仲良くできない人なんているもんさ、でもねそんな人たちとも上手く付き合っていくのは大事なことなんだよ」

 

トメさんが言う通り、仲良くに拘らず鶴見を上手くまとめる方法があればいいわけだが………

 

「ん~、レイに気にかけてやってくれって頼むか?」

 

「あんまり効果ないと思うっす」

 

その通り、焼石に水だな。

 

「君達がどうしたいのか、この問題を同解決するのかは君たちに委ねる。放置するも行動するも君たち次第だが、問題は起こすなよ?」

 

平塚先生………それはただの丸投げでは?

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

「てかさ~、あの娘結構かわいいし、別にただあの娘から他の娘に話しかければ良くない? それで解決っしょ?」

 

「それができないからこうして話してるんだっての……」

 

三浦と川崎は言うがその通りだ。とりあえず上級生メンバーは相性の悪い組み合わせが多すぎる………

 

「趣味に生きればいいんだよ! 趣味さえあれば、どんなに周りから変に思われても救われるから!」

 

メガネの女子、海老名さん? が言う。あれ? 以外とまともな………

 

「私はBLで友達ができましたー! ホモが嫌いな女子はいな………げふぅっ!?」

 

そこまで発言すると三浦と川崎が海老名さんに左右から息のあったパンチ………あれ? 本当は仲いいの?

 

「擬態しろし!」

 

「後輩もいんだから場をわきまえな!」

 

仲いいの? 悪いの? どっちなの? まぁ、海老名さんの趣味はおいといて………

 

「なぁ、翔。BLってなんだ?」

 

「僕に聞かないでよ!?」

 

「じゃあ、万丈目~」

 

「知るか!?」

 

後輩組は丸藤、万丈目、三沢がドン引きしている………遊城。お前は知らずに清らかなままでいてくれ………

 

「まぁでも趣味に生きるのはいいかもね……かくいう僕も趣味に生きてるようなもんだし~」ポローン

 

天上院兄はどこから出したのかウクレレを弾いていた………

 

結局、俺達は答えがでないまま、その場はお開きになったのだった………




あの小学生登場!!

次回もデュエルはないかも………早くしないと………

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