やはり俺がデュエリストなのはまちがっている。   作:sewashi

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進級試験編と校外学習編の閑話です。

デュエルはありません。


56話

嵐のようなセブンスターズとの激戦が本当に終わり、ある意味由比ヶ浜と遊城にとってはそれ以上の困難を極めた進級試験も終わりを告げた。

 

そして卒業生と在校生の代表による卒業デュエルはカイザー対遊城となり、ものすごい激戦の末に引き分けとなったのだ………

 

そして残すは本当に卒業式だけとなった。

 

そして今日は卒業式前日の夜。俺は港にカイザーから呼び出された。

 

「来たか」

 

「ども……」

 

さて、一体なんのようだろうか?

 

「正直、かなり迷ったよ。この学園での最後のデュエル………十代かお前か」

 

「……へ?」

 

迷った? 俺か遊城か?

 

「なぜ………?」

 

「俺とお前の行ったデュエルは去年の学園祭の1度のみ、正直言うと俺はあのデュエルの結果に不満がある」

 

圧勝して何を言うか……

 

「あのときのお前はどこか手を抜いている感じがした………俺はリスペクトデュエル……相手の真意を読むことに関しては自信があったがお前の真意はあのデュエルではまるでわからなかった。そして今年の雪ノ下や三浦、万丈目とともに闘ったタッグデュエル……タイタンや相模との一戦や十代とのタッグデュエルも全て……見たが、俺とのデュエルとはなにかが違う感じがした……」

 

あー、まぁあのときのデュエルでは学園祭のエキシビションという事もあっていかにカイザーをかっこよく見せるかとかいわゆる『接待デュエル』だったからな……客も俺が勝っても面白くはないだろうと思って………

 

「だがあのデュエルでは周りに気を使ってわざと自分が不利になるようにデュエルしていたように思えた。だから最後にお前と本気のデュエルがしてみたいと思った」

 

「……けど、遊城を選んだ」

 

「ああ、俺は最近あいつを見て考えるようになった。リスペクトデュエルの限界………パーフェクトという限界に……」

 

パーフェクトという限界か………たしかに完全とは聞こえはいいが言い換えれば打ち止め、停滞だ。

 

「プロの世界で俺はその壁にぶつかるのではないかと不安でな……だからこそ十代を相手に選んだ。結果、不安は吹っ切れた」

 

「まぁ、結果俺はカイザーとデュエルしなくてすみましたしね………」

 

「なに、人生はこれからも長い。お前もプロに来れば戦う機会もあるだろ?」

 

「俺はプロには行きませんよ………」

 

「どうかな? 残り1年で何があるかわからんからな」

 

何があるのかは否定はしないが………俺がプロ?ないだろ………

 

「いや、鮫島校長は来年度にはプロをこの島に何人も呼んでプロ対在校生のイベントを企画していると小耳に挟んだ。もしかしたらそのイベントで対することになるかもな……」

 

「うげ……」

 

マジか……鮫島校長……余計なイベント考えやがって………

 

「そうだ、話は変わるが翔に何かチャンスとなりそうな出来事があればアドバイスでもしてやってくれないか?」

 

あ? 翔? あ、丸藤か………あまり似ていないから忘れてたがカイザーと丸藤って兄弟だったな………

 

「あいつは間違いなく実力はあるが、調子に乗りやすい所と逆に落ち込みやすいところが玉に瑕だからな………」

 

あー、たしかに……

 

「もし翔がこの学園で十代と出会えなければ、俺はお前を翔に紹介して面倒を見てもらおうと思っていたからな」

 

え? そうなの? 確かにあのときのエキシビションデュエルのあと、弟を頼むとか言ってたけど………

 

「だが、十代と出会い、比企谷も多少面倒を見るようになり、思っていた以上の結果になった。このまま卒業するのが少し惜しいくらいにな」

 

いや、卒業はしてください。

 

「てか、カイザーってあんまり弟と仲良くないイメージだったんすけど?」

 

「……翔は俺を大きく見すぎててな……憧れと言えば聞こえはいいんだが、それが色々枷になってるみたいでな……だからといって俺がアドバイスすると逆効果になるから距離を置いていただけだ」

 

あー、なるほど、兄が優秀すぎるから弟は雑魚に見られるのが嫌なのか………いや、兄の顔に泥を塗りたくないんだな……

 

「俺の密かな夢はプロを勝ち上がり、いずれ翔と共に独立リーグを作ることだ。誰にも言うなよ?」

 

「へ? ど、独立リーグ」

 

それはまた、ドデカイ夢だな……丸藤が聞いたらプレッシャーでぶっ倒れそうだ………つーか……

 

「カイザーって、周りが思っている以上に弟大好きだったんすね………」

 

「下の兄弟を気にするのは兄の特権だ。それは妹でも弟でも同じだ」

 

あー、なるほど……今までカイザーとは距離があったがなんかこの会話で一気に距離が縮んだ気がするな……

 

「まぁ、話を戻すといつかお前と俺で本気のデュエルをしたいな……」

 

(そうですか……俺はごめんだな……)

 

しかし、このときの俺は知らなかった。まさか俺がカイザーとあんな形で戦うことになるとは思っても見なかった。

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

卒業式が終わり、デュエル・アカデミアには春休みがやって来た。

 

とはいっても自宅に帰るのはまだなので部屋で寝ていると1年組に港へ連れていかれた。

 

「八幡先輩! 早くいこうぜ!」

 

「いや、どこ行くんだよ……」

 

「クロノス先生や平塚先生が言ってたじゃん! 校外学習だよ!」

 

「校外学習~?」

 

また面倒ゴトが起こりそうな予感がする………




次回こそ校外学習編スタート

まさか材木座のデュエルみたい人がここまでいるとは………材木座って人気なの?
戸塚圧勝だと思っていたのに………

校外学習編にて材木座のデュエルって、みたい?

  • みたくない
  • 相手が八幡なら………
  • 戸塚のならみたい
  • そもそも材木座は校外学習にいかなくていい
  • みたい

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