やはり俺がデュエリストなのはまちがっている。   作:sewashi

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 少し早めにアムナエル編投稿!

正直、八幡はデュエルしないからカミューラみたいにカットしようかと思ったけどやりました。

日常無理矢理、いつも通りです。

nice oneさんからこの作品のイラストが届きました!

めちゃくちゃ嬉しいです!


47話

遊城が相模を倒して俺達『奉仕部』が全ての記憶を取り戻して数日。

 

俺が負けてしまった事実は変わらず七星門の鍵は遊城と万丈目の二つだけとなりセブンスターズはあと一人……

 

そして相変わらず大徳寺先生は行方不明だ。

 

しかし、だからと言ってデュエル・アカデミアでの錬金術の授業が中止になるわけではなかった……

 

 

「えー、これは文献によると古代から伝わる? 錬金術の代表的な? アムナエル? とかなんとか言うマークらしい……って、あーもー! わからん!?」

 

 

大徳寺先生不在の錬金術の授業を平塚先生が代わりにやっているが平塚先生は錬金術はおろか科学も専門外なのでほぼ全くと言って良いほど授業にならない……

 

遊城達一年ではクロノス教諭が代わりに担当したらしいがこちらも専門外なので最終的にクロノス教諭が薬品で爆発を起こしてキレて終わったらしい……

 

そして現在、七星門の鍵の代表7人が校長室に集まった。

 

「大徳寺先生の行方がわからないって、本当に?」

 

マジで? 大山先輩みたいに島のどこかで行方不明になってるだけかと思ったが……捜査隊を出しても見つからなかったらしい……

 

「島を出た様子もないノーネ」

 

って事は残る可能性としては……

 

「海で溺れて帰らぬ人に……」

 

「先輩、冗談でもやめてください!」

 

天上院に睨まれた……すみません……いやだって大徳寺先生、カナヅチだし……

 

しかし、真面目に考えられる可能性としては……

 

「最後のセブンスターズに捕まって人質にでもされたか?」

 

「そうだ! きっとそうに違いない! 早く探さなきゃ!」

 

遊城はそう言い、校長室を出ていった……いや、探す宛あるの?

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

案の定、遊城はノープランだった……そしてそんなときに調子に乗るのがこの男……

 

「この名探偵万丈目サンダーが解決して見せる!」

 

__だった……

 

どうやら万丈目達は大徳寺先生の自室を調べるらしい。

 

一瞬、万丈目達についていこうかとも思ったが俺は奉仕部の部室へ向かう。

 

「……大徳寺先生、本当に何処へ行ったのかしらね?」

 

「……やっぱり最後のセブンスターズに捕まっちゃったんだよ……あたし達も十代君達に協力しよ!」

 

実際、遊城からの依頼もあるから捜索に協力しないわけにはいかないが………

 

「いや、俺はもっと非情な予想をたててる……」

 

「どういうこと?」

 

雪ノ下が聞いてくる。

 

「俺は大徳寺先生こそが最後のセブンスターズじゃないかと考えてる……」

 

「ええ!?」

 

「……理由を聞かせてもらえるかしら?」

 

「大徳寺先生は七星門の鍵を俺達が受けとるとき、自分がメンバーになるのを嫌がった。ただ単に本人が嫌だっただけの可能性もあるが……相模が消えるとき最後に言った言葉『アムナエル』これは錬金術の用語だよな?」

 

「そ、そういえば………平塚先生言ってた!?」

 

「そもそも大徳寺先生は錬金術の教師なのにこの学園で錬金術の授業は少ない。かなり時間に自由が利く、そしてお前らには言ってない事なんだが………」

 

俺は決定的な事を教えた。

 

「天上院吹雪先輩が自分を闇の世界に送ったのは大徳寺先生だと言っていたんだよ………」

 

「ええ!?」

 

「嘘………」

 

「天上院先輩の話だと他にも居たらしいが、それが相模だとすれば………もう決定的だ……」

 

「た、たしかに証拠としては……」

 

「だが、遊城の奴は大徳寺先生を信じてる……こんな相談はしたくない。だから……俺達は別行動を取ろうと思う」

 

「どうするの?」

 

「『大徳寺先生の行方の手掛かり』を探してる遊城達とは違って俺達は『大徳寺先生』そのものについて調べてみようと思う」

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

結論。なんの成果も得られませんでしたー!

 

いや、冗談抜きでガチで………

 

不自然過ぎるくらい何もわからなかったのだ………

 

当然教師なのだから何処かの大学を出た記録や大徳寺先生がいくつなのか等、鮫島校長や平塚先生に聞いたり調べてもらったりしたが何一つわからなかったのだ。

 

それこそ本人の簡単なプロフィールどころか誕生日等といった個人情報がまるで無いのだ。

 

さすがに手詰まりになり俺達も大徳寺先生の自室を調べることにしたがその自室では___

 

「日記があります!」

 

「詰まらん」

 

いや、詰まらなくないから……日記に書かれていることから今、どこにいるのかわかる可能性あるから!?

 

「アルバム見っけ!」

 

「面白くもない」

 

面白さは関係ないだろ!? てかアルバムの写真次第では大徳寺先生の秘密がわかるぞ!?

 

「手紙の束があるんだな……」

 

「プライバシーの侵害だろうが!」

 

部屋を捜索している時点でプライバシーもなにも無いだろうが!?

 

と、予想通りな展開になっていた。

 

他にも不自然に汚れた靴やらアマチュア無線機とか金属探知機とか見つけたが名探偵万丈目サンダー(笑)は見事にスルー………

 

すると前田と遊城が何か見つけた。

 

「大徳寺先生の字だ『トメさん モリ』? なんだこりゃ?」

 

あー、それはこないだ大徳寺先生が注文した盛りそばの事だな………

 

「そうか! 大徳寺先生はここの電話で呼び出された。その場所こそが『森』そして呼び出した犯人は『トメさん』! つまりトメさんは購買部の癒し系おばちゃんのふりをした最後のセブンスターズだったってわけだ!」

 

「そ、そんな………トメさんが………セブンスターズ………?」

 

いやいや、トメさんは本当にただの購買部のおばちゃんだから………てかトメさんは疑えるのに何で大徳寺先生は疑えないの?

 

万丈目は購買部に電話をかけた……そして真実を知った万丈目サンダー(笑)は………

 

「当たらからずとも遠からずといったところか?」

 

めちゃくちゃ遠いいわい………

 

その後も万丈目サンダー(笑)と3バカによる捜査は続き………

 

丸藤がこの島の地図を見つけた。その地図には『アムナエル』のマークが書かれている場所がある。

 

「そうか! これはここに大徳寺先生がいることを示しているんだ!」

 

さすがにそれは単純過ぎるだろう………

 

「でも手がかりはあるかも……よし! 行ってみよう!」

 

こうして名探偵万丈目サンダー(笑)と3バカは荷物をまとめて地図の場所へ向かった。

 

「よし、俺たちは万丈目が無視した物を調べるぞ」

 

「わかった!」

 

「ええ」

 

そして今度は俺達の捜査が始まる。

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

とりあえず、名探偵万丈目サンダー(笑)がスルーした手がかりで重要そうな『日記』『アルバム』『手紙』を俺達はそれぞれ調べる事にした。

 

雪ノ下が日記担当。

 

由比ヶ浜がアルバム担当。

 

俺が手紙担当だ。

 

とりあえず手紙の差出人が誰なのか調べないとな………ふむふむ、封筒にはなにも書いてないな………切手も張った後が無いと言うことは郵便局を通らず人伝に届いた手紙って事がわかる………ということはこの島の定期便の船に乗ってきた誰かから渡されたと言うことか………

 

当たり前だが封は空いているから大徳寺先生は読んだって事だな………

 

「雪ノ下。日記には何て?」

 

「なにも無いわ」

 

「それは『おかしな所が』なにも無いって意味か? それとも『何にも書かれていることが』ないって意味か?」

 

「………後者よ………」

 

新情報。大徳寺先生、三日坊主所か初日すら書かない………

 

「由比ヶ浜。アルバムは? 何か無いのか?」

 

「ん~、なんかモノクロの写真が多いよ? 今時珍しいね!」

 

は? モノクロ写真? 大徳寺先生って二十代か三十代だよな? それでモノクロ写真?

 

「それ、ちゃんと大徳寺先生写ってるのか? 大徳寺先生の親父さんとかじゃないのか?」

 

「え? 本人じゃない? ホラ」

 

由比ヶ浜が見せてきたアルバムの写真は確かにモノクロで写っているのは大徳寺先生と思われる人物となにやら長い黒髪にゴツい身体の男性だ。

 

確かに大徳寺先生に似ているな………

 

そして写真に写っている大徳寺先生(仮)は『アムナエル』のマークがついた手帳のような物を持っていた………

 

「というかヒッキーは? 何か無いの?」

 

そう聞かれて俺は封筒の中から手紙を出して見た………そこには………

 

『賢者の石を錬金術で作り出せ 影丸』

 

と書かれていた………賢者の石?

 

「辰砂の事かしら?」

 

「しんしゃ?」

 

「金メッキの材料な………だがそんなもんをなんで?」

 

すると………

 

バンッ!

 

勢いよく扉が開く………なんだ? 万丈目達が戻ってきたのか? 俺達は目を向けると………

 

灰色のローブをフードとマスクを着用し顔が見えない……ダークネスやウィジャトとも似たいかにも見るだけでわかる………

 

「七人目のセブンスターズか………?」

 

俺は思わずデュエル・ディスクを起動する。

 

「………七星門の鍵をもう持っていない君と闘う意味はない」

 

そいつは手に持っていた手帳を雪ノ下と由比ヶ浜に掲げると………

 

『『うわぁぁ!?』』

 

二人が消えた!? そして消えた場所に『アムナエル』のマークが………

 

「雪ノ下! 由比ヶ浜!? お前っ!」

 

「安心しろ。二人は無事だ」

 

「その声………やっぱりあんた、大徳寺先生か?」

 

「やはりバレていたか………」

 

そいつはマスクとフードを外して顔を見せたが………

 

「大徳寺……先生……?」

 

その顔は大徳寺先生の面影はあるものの、髪はすべて真っ白でシワが目立つ顔は俺らの知っている大徳寺先生よりも老けた感じだった……

 

それにいつものニャの口調もない。

 

「比企谷八幡。君には真実を打ち明けよう………私は元々、錬金術の研究のために世界中を旅して全ての物を金に変え、不老不死の秘薬すら作り出す賢者の石を探してもしくは作り出すために究極の精霊、三幻魔を支配するためにここにいた…………というのは建前で三幻魔復活を企むセブンスターズをこの島に送り込んだ黒幕の野望を阻止するために我が錬金術の後継者を育成するためにここにいた」

 

「なに?」

 

黒幕? セブンスターズの上にさらにまだいるのか?

 

「信じる信じないは君達の勝手だ。だが、これだけは信じてくれ育成は七星門の鍵が6つ開き、遊城十代が私を倒す事で達成させる」

 

なんだと? つまり万丈目は簡単に倒せる自信はあるのか?

 

「その錬金術の後継者ってのが遊城の事すか?」

 

「そうだ。そして君もその候補だった……遊城十代の『融合』そして比企谷八幡の『黒歴史ノート』どちらも錬金術に通じる物だ。しかし、君は相模南に負け、エメラルド・タブレットを託すことは叶わなくなった……」

 

仮に俺が最後に残り、大徳寺先生と最後に闘う事になったら俺が錬金術の後継者になっていたのか?

 

「三幻魔は今回の復活を逃れてもいつかは必ず復活する。その時に我が錬金術を用いれば、三幻魔を倒すことができるかも知れない。だから確実に遊城十代……デュエルモンスターズの精霊と心を通わせる者に我が錬金術を託す必要がある。そしてそれを行うには彼の潜在能力の限界を超えさせる必要がある」

 

精霊と心を通わせる者? 遊城が?

 

「もし、遊城が貴方を倒せずに七星門がすべて開き、三幻魔が復活したら………?」

 

「その時は三幻魔によって滅びるしかない………が、そうはならない彼には可能性がある。そして君にも」

 

俺にも?

 

「インダストリアルイリュージョン社会長より託させた《ロンリーヒール》シリーズ。それは悪役を名乗りながらも正義を守る。いわば『破滅の光』と闘う『正しき闇』の力を宿したカード………君ならば我が錬金術の力が無くとも三幻魔を支配することができるかもしれない。そして精霊と心を通わせる者と精霊の力を支配する者が手を組めば世界を破滅から救う事ができる。だから比企谷八幡。君は今回、手を出さないでくれ」

 

は? なんで?

 

「君は十代君と違い、この世の心理にも精通している。だから、君と十代君が共に闘う時まで十代君には純粋でいてほしい。かつての私は研究を共にした彼は純粋さをなくしてしまった。だから君にはここにいてほしい……」

 

納得はできない。だが、言いたい事は分かる気がした。

 

俺は頷き、そこで待つ。

 

そしてその日の夜。

 

七星門が6つ開き、光の柱が現れたが消え、雪ノ下と由比ヶ浜も戻ってきた。

 

しかし、大徳寺先生の言っていた黒幕とはいったい……………?




次回は八幡がデュエルします。

相手は…………天…………ジョーイン!

セブンスターズ編終わったら進級試験編か飛ばして春休み校外学習編かを迷っていますがどちらが見たいですか?

  • 進級試験編(結衣ちゃん大ピンチ)
  • 校外学習編(あの小学生登場)
  • どちらでもなく新学期(小町ちゃん現る)

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