やはり俺がデュエリストなのはまちがっている。   作:sewashi

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かーなーり遅くなりました。

ようやく決着回です。

遅くなって申し訳ありません。

どういう展開か忘れてしまった人は44話から読み直してください………


46話

7ターン目(十代のターン途中)

遊城 十代 LP4000 手札3(うち2枚はE・HERO スパークマンと融合)

フィールド

 E・HERO ワイルド・ドライブマン

相模 南  LP2500 手札3

フィールド

 リバースカード1枚

 

 

「な!? い、今の記憶は!?」

 

「俺達にもみえたぞ!」

 

「どういうことなの? 亮!」

 

「いや、今の記憶は俺も知らない……だがよく考えたらデュエル・アカデミアに奉仕部が認知されたのは学園祭が終わったあとだった……」

 

「じゃあ……全て相模が……」

 

俺たちでさえ、ここまで困惑しているんだ。つまり同じ記憶を見た八幡先輩達は……

 

「なに……? なんなの……? 今の記憶……!?」

 

「どういうこと? あたし……あんなこと言った覚えないよ……? どういうこと!?」

 

「なんなんだ? あれはいったい……!?」

 

予想通り、俺達以上に困惑していた……

 

「相模! テメェ!? まだ八幡先輩達の記憶をいじってた事があったのか!?」

 

「ふふふ……記憶が漏れ出しちゃったか……そうよ! まぁでも、あのときうちは失敗した。学園祭の記憶を消すつもりだったのにうち自身の記憶まで消えちゃったんだもの……」

 

相模はたんたんと言い出す。

 

「そして残りの記憶消そうと森に入った比企谷にデュエルを挑んだけど闇のアイテムのコントロールがうまくいかずさらに失敗……そして先日ようやく成功したわけ……ふふふ、あとはあんたともう一人から七星門を奪って幻魔を解放してこの腐った世界を消滅させてうちに都合の良い世界をつくり直すのよ! 」

 

相模はそう言ってリバースカードを発動する。

 

「うちは《ウィジャクティム・ネクロム》が破壊されたことで永続罠《ネクロム・コンティニュー》を発動する!」

 

 

《ネクロム・コンティニュー》

通常罠

“自分フィールド上の《ウィジャクティム・ネクロム》がフィールドを離れる時、代わりに自分の《ウィジャクティムトークン》1体を生け贄に捧げてもよい。そうした場合、《ウィジャクティム・ネクロム》はフィールドにとどまる。”

 

 

「この効果でうちは《ウィジャクティムトークン》を身代わりに《ウィジャクティム・ネクロム》の破壊は無効! 何度倒されても何度も復活させてうちは勝つ!」

 

「そうはいかないぜ! お前は俺が倒す! 俺は……カードを1枚セットしてターンエンドだ!」

 

 

8ターン目

遊城 十代 LP4000 手札2(E・HERO スパークマンと融合)

フィールド

 E・HERO ワイルド・ドライブマン

 リバースカード1枚

相模 南  LP2500 手札3

フィールド

 ウィジャクティム・ネクロム

 ウィジャクティムトークン2体

 

 

「うちのターン、ドロー! 」

 

(俺のフィールドには魔法も罠もモンスター効果も受けない《E・HERO ワイルド・ドライブマン》がいる…どうくる?)

 

「うちは魔法カード《罪の擦り合い》を発動!」

 

 

《罪の擦り合い》

速攻魔法

“自分の手札またはフィールド上の魔法カードを1枚、相手フィールド上に発動する。そのあと、相手は自身の手札またはフィールド上の魔法カードを1枚、自分フィールド上に発動してもよい。発動条件があわないものだった場合、発動することはできない。”

 

 

「この効果でお互いのプレイヤーは相手フィールドに自分の魔法、罠カードを発動する。うちは魔法カード《口止め》を発動!」

 

 

《口止め》

通常魔法

“このカードを発動したターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上のモンスター全ての効果を無効にする。”

 

 

「あんたのモンスターは相手のカード効果を受けないけどあんた自身のカード効果は受ける!」

 

十代のフィールドに発動した《口止め》の効果で《E・HERO ワイルド・ドライブマン》の効果は無効にされた。

 

「俺は《罪の擦り合い》の効果は使わない……」

 

「うちは《ウィジャクティム・ネクロム》で効果が無効になった《E・HERO ワイルド・ドライブマン》を攻撃!」

 

相模のモンスター効果によって効果を無効にされた十代のモンスターが破壊された。そして再び3体目の《ウィジャクティムトークン》が現れる。

 

「うちは、永続魔法《押し付けた罪》を発動!」

 

 

《押し付けた罪》

永続魔法

 

 

 

「このカードの効果はわかってるわね? モンスターを出さなければ強制的に復活させるカード……うちはカードを1枚セットしてターン終了」

 

 

9ターン目

遊城 十代 LP4000 手札2(融合とE・HERO スパークマン)

フィールド

 リバースカード1枚

相模 南  LP2500 手札1

フィールド

 ウィジャクティム・ネクロム

 ウィジャクティムトークン3体

 罪の擦り合い

 リバースカード1枚

 

 

「へへへ……なるほど………」

 

「? なに? 勝てなくておかしくなったの?」

 

「いんや、あんた。八幡先輩を否定してたわりに八幡先輩と似たようなコンボ使うんだな?」

 

「な!?」

 

「《罪の擦り合い》は相手のフィールドにカードを発動できるひねくれたカードだけど使いこなせばさっきみたいな上手いコンボができる。八幡先輩もそのカード使ってたぜ? あんたも八幡先輩も実は似た者なんじゃねーの?」

 

「なっ!? あんた、ふざけてるの!?」

 

「とと、確かに八幡先輩に失礼だな。八幡先輩は周りからの悪意に耐え抜いたけど、あんたは耐えきれずに闇に落ちたんだもんな……だからあんたと八幡先輩は違う……だから八幡先輩はあんたのブラフカードにも気がつかなかった……」

 

「……ふん」

 

「俺のターン、ドロー! (元々効果で戦闘での破壊が難しいモンスター……ん? こ、このカードは……)俺はリバースカード、オープン《捻くれ者の英雄単》」

 

 

《捻くれ者の英雄》

通常罠

“自分のデッキからカードを1枚ドローする。ドローしたカードがモンスターカードだった場合、墓地へ送る。そのあと、墓地へ送ったモンスターと同じレベルのモンスターを自分のデッキから手札に加える。”

 

 

「いくぜ、ドロー! ……クリクリ~……俺が引いたのは《ハネクリボー》……墓地へ送り、同じレベルのモンスター……ボッチィィ……《クリボッチ》をデッキから手札に加える。そして俺は魔法カード《融合》を発動! 俺は手札の《E・HERO スパークマン》と……」

 

俺は手札の八幡先輩から託された1枚目のカードを見せた。

 

「……《ロンリーヒールーチェイサー》を融合!」

 

「なに!?」

 

「ヒーローとヒール! 正義と悪の力よ! 今こそ1つになり、闇の力を討ち滅ぼせ! 現れろ! 《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》!」

 

 

《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》

level 10

ATK 3500 DEF 3000

融合効果モンスター

“「ロンリーヒールーチェイサー」+戦士族モンスター1体

このカードは上記のモンスターでの融合召喚のみで特殊召喚することができる。

*このカード以外のモンスターが自分のフィールド上に召喚、特殊召喚、反転召喚、セットされたとき、そのカードを破壊する。

このカードは自分の墓地からカードを1枚ゲームから除外しなければ攻撃することはできない。

自分のモンスターカードがゲームから除外されたとき、自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、そのターン、このモンスターは除外されたモンスターの効果を1つその場で発動する。”

 

 

「な、なによ……そのモンスター……なんであんたがあいつのモンスターを……それにその融合モンスター……」

 

「八幡先輩がお前に負けた時、記憶が消える寸前に託してくれたんだ!」

 

そう、このモンスターは八幡先輩が託してくれたあいつのモンスターを倒すモンスター……

 

「《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》は墓地からカードを除外しなければ攻撃できない。そして除外したのがモンスターカードならそのモンスターの効果を得てその場で使用することができる! 俺は《E・HERO サンダー・ジャイアント》を除外して効果を得る! これで《ウィジャクティム・ネクロム》」

 

「くぅっ!? これが……アムナエルの言っていた錬金術の力だって言うの……?」

 

「《E・HERO サンダー・ジャイアント》の効果を得た《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》の効果発動! 手札1枚をコストに自身より元々の攻撃力が低い相手モンスターを破壊する! 俺は《クリボッチ》をコストに《ウィジャクティム・ネクロム》を破壊する! 頼むぜ、八幡さんの相棒!」

 

『ボッチィィィ!!』

 

《クリボッチ》は十代のモンスターの効果のために声をあらげて相手モンスターへ飛んでいく……

 

「この効果で《ウィジャクティム・ネクロム》が破壊されれば攻撃中の《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》のダイレクトアタックで俺の勝ちだ!」

 

……しかし……

 

「ふふふ……リバースカードオープン《死霊の逆恨み》!」

 

 

《死霊の逆恨み》

通常罠

“相手の墓地に存在するモンスターを全てゲームから除外する。

この効果で6体以上のモンスターをゲームから除外した場合、このターン自分のモンスターは全て破壊されない。”

 

 

「これでうちの《ウィジャクティム・ネクロム》は破壊を免れる。もう攻撃もできないから次のターンにそいつを倒してまた同じ事よ!」

 

十代にはもう手札もリバースカードも無い……これまでかと思ったとき………

 

「へへへ、モンスターを除外してくれてありがとな♪」

 

「はぁ?」

 

《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》の背後に除外されたモンスターが半透明で現れる。

 

「な、なによこれ……?」

 

「《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》は自ら孤独を名乗りつつも影から沢山の仲間に守られ戦い続けた戦士。こいつのモンスターを得られる効果は攻撃のタイミングだけじゃない! モンスターが除外されれば、いつだって効果を発動することができるんだ!」

 

「なにぃぃぃ!?」

 

「つまり、今、お前が除外してくれた《E・HERO ワイルド・ドライブマン》の効果も今の《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》は持ってるんだよな~」

 

「う、嘘よ……そんな……嘘……」

 

「トドメだ相模! 《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》!」

 

《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》は《ウィジャクティム・ネクロム》を倒した。

 

 

相模 南 LP 2500→0

 

 

デュエルは十代の勝利。すると相模の腕輪が光だす。

 

「ひ、ひぃぃ!?」

 

「な、なんだぁ!?」

 

そのあと、かつてタイタンを飲み込んだ闇に似た何かに相模は包まれる……

 

「………ふふふ、うちはここまでね………だけどこれが終わりじゃない。ふふふ、全てを思い出してあいつらは今後どうなるのかしらね? さぁ! あとは任せたわよ! アムナ……エ……ル………」

 

相模はそう言い残してその場から消えた。

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

八幡side

 

 

翌日。

 

「「「………………」」」

 

奉仕部の部室前で俺と雪ノ下と由比ヶ浜は無言で立ち止まっていた。

 

俺達は遊城のおかげですべての記憶を取り戻し、学園の記憶を失っていた人達も皆元に戻ったらしい………

 

(……なんだ、この気まずさ………)

 

あの俺と相模のデュエルで思い出した事故の事……

この2人が俺に相模と戦って欲しくなかった理由だったわけだが……

だが遊城と相模のデュエルでそのことはとっくに謝罪してもらって解消されていた事も思い出した。

だから俺達の関係に変化はない。そのはずだが……

 

すると……

 

「あーもー! 先輩達! なにギクシャクしてんだよ! ホラホラ、部室に入った入った!」

 

「ハイハイ。入った入った」

 

「なんだな」

 

「え? あっ! ちょ!?」

 

「ま、ゆ、遊城君!?」

 

「お、おい、こら」

 

俺等は突然にやって来た遊城達の3人組に部室に押し込まれてしまった。

 

「はい。八幡先輩から預かった2枚のカード……」

 

「ん? お、おう……」

 

俺は遊城から《ロンリーヒールーチェイサー》と《クリボッチ》のカードを受け取った。

 

「ホラホラ、八幡先輩は雪ノ下先輩と結衣先輩に返すものがあるだろ?」

 

「あ? そんなもの__」

 

__あるわけが……いや、あった!?

 

「ほらよ」

 

俺は相模戦の前に2人の捜索で見つけてそのまま持っていた《ブリザード・キャット》と《デス・ダックスフント》のカードを2人に返した。

 

「あ、そういえば……」

 

「たしかに1枚足りなくなってたわね……」

 

そして遊城は言い出す。

 

「んで、先輩達は今回の事で全部思い出したんだよな?」

 

「あ、ああ」

 

「ええ」

 

「う、うん」

 

「でも忘れてたときの記憶もまざってどういう態度をとっていいのかわからなくなってんだろ? 謝ってた時のことだけ忘れてたときは謝りたくても謝れなくて……本当はとっくに謝ってたのに……」

 

なんか痛いところを遊城に言われたな。たしかにそうだ。

 

「……うん、ずっとヒッキーには謝りたかった。だけど本当は謝れてたんだね……」

 

「ええ、今、思えば謝りもせずに色々言ってしまってどうしようと思っていたけれど………そうだわ、謝ることができたことがきっかけにこの部を作ったのよ……」

 

雪ノ下は語りだす。

 

「私はいつだったか……この部を作った目的や理由を思い出せなくなった……でもこの部にいなくてはと思い続けた……記憶失っても貴方達が再び入部してきたのは偶然だったけれど……」

 

「あっ! あたしも思った! なんか運命的!」

 

たしかに俺と由比ヶ浜は奉仕部を作った記憶も失っていたのにまた所属することになるのは偶然だったが驚きだ。

 

「だから、私はもう一度……全てを最初からこの部を再建したいわ」

 

「どういうこと?」

 

「相模さんに記憶を消される前、入学式の事故が原因で出会った私達が作った初代奉仕部でもなく、相模さんに記憶を失わされて比企谷君と由比ヶ浜さんが再び入部した2代目奉仕部でもなく、初代と2代目の両方を覚えている3代目奉仕部としてまた奉仕部をやり直したいの……新しい……関係で」

 

雪ノ下の提案は複雑に見えてシンプルな提案だった。

 

「あたしはいいよ。奉仕部を続けたい……」

 

由比ヶ浜は問題ないようだ。

 

俺はどうする?

 

仮に2人が事故の事を謝っていなかったとしても……いや仮に事故がなかったとしても、俺と『あの人』との関係が誰かに知られた時点で俺の学園での立場は同じ用になっただろうと考えてるから事故の事があろうとなかろうと関係はない。

 

「俺は………」

 

奉仕部に残る? それとも辞める? いや………

 

「俺もこの部を続けるべきかもな……」

 

俺がこの発言をすると………

 

「よっしゃぁぁ!! これで先輩達は元通りだ!」

 

遊城が騒ぎだした。そういや居たね……

 

「なら、俺達からこの改められた奉仕部に最初の依頼だ!」

 

は? 依頼? 何を?

 

遊城は言い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大徳寺先生の捜索」




今回の最強カードは《孤独英雄王 トゥルーチェイサー》!

十代と八幡のモンスターを融合させた最強モンスター。除外された仲間の力を自分の力に変えるモンスターだ!


次回はアムナエル……

セブンスターズ編終わったら進級試験編か飛ばして春休み校外学習編かを迷っていますがどちらが見たいですか?

  • 進級試験編(結衣ちゃん大ピンチ)
  • 校外学習編(あの小学生登場)
  • どちらでもなく新学期(小町ちゃん現る)

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