やはり俺がデュエリストなのはまちがっている。   作:sewashi

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すんごいお久しぶりです。

八幡対相模

ついに決着!!

読者の期待を裏切りたくなくて……アンチとかにしたくなくて……仕事が忙しくて……

全然投稿できませんでしたが投稿します。

色々考えた結果、最初の予定の展開にしました。

納得できなければ申し訳ありません。


42話

俺の意識がとばされたのは一年前。

デュエル・アカデミア高等部実技試験当日だった。

 

「ラッキーカードだ。こいつが君のもとへ行きたがってる」

 

「へ? あ、ど、どうも……って、やべ、急がねーと……」タッタッタッ

 

 

 

 

(これは………《クリボッチ》をもらったとき……たしかこのあと……)

 

 

 

 

俺は視線を少し先へ向ける。そこには事故った原因の犬が見えた。

 

「も~、試験の日にサブレの散歩させるなんて~……まあ、いい気分転換に……(ワンワン)うわぁっ!? あっ!? サブレー!?」

 

 

 

「げっ、あの犬……」

 

 

 

 

(あれは……由比ヶ浜!? 由比ヶ浜があのときの犬の飼い主……?)

 

 

 

 

俺は次に事故ったときの車が来た方を見る。

 

「雪乃お嬢様、もうすぐ試験会場に到着します」

 

「ええ、わかったわ(まったく、中等部生徒が試験の見学なんて必要あるのかしら……)」

 

 

 

 

(あれは……雪ノ下?)

 

 

 

 

「!? お嬢様、急に犬と少年が!?」キキキー

 

「え?」

 

 

 

「間に合え!?」

 

 

 

 

キキキーッ、ドンガラガッシャァァァッン!!?

 

 

「痛っ…………(なんだ? あれ……)」ボッチィ

 

(そうだ。んでこのときから《クリボッチ》の精霊が……いや、それよりも……雪ノ下があのときの車に乗っていたのか?)

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

「は!?」

 

俺の意識がこの場に戻った。

 

「……ひ……ヒッキー……」

 

「ひ、比企……谷……君……」

 

由比ヶ浜が青い顔して俺に声駆けてくる。

 

「……由比ヶ浜。お前が、あの犬の飼い主だったのか……?」

 

「……っ!?」

 

「雪ノ下……お前もあのときの車に……?」

 

「……っ!?」

 

二人はうつむいてしまった。

 

この反応は本当の事なんだろう……

 

相模の狙いは負けそうになったらこの事を俺に見せて動揺させて俺にミスでもさせるつもりだったんだろうがそうはいかない。俺は予定通りにやらせてもらう。

 

「俺は《ロンリーヒール-チェイサー》で……」

 

すると相模は言い出す。

 

「あーあ、やっぱりあんたはそうやって二人を突き放すのね~」

 

なんだと……

 

「もしあんたがこのままデュエルに勝ったらあんたはそのあとどうせ二人には同情も情けもいらないとか言って二人と縁を切ろうとする。二人ともそんなこと望まないはずなのにね~」

 

だからどうした。それが最善手なんだから仕方ないだろ……

 

「でもね、あんたが負ければ二人からはあんたの記憶は消える。あの事故も、学園祭も、なかったことになる。二人はあんたのことで辛い思いも悲しい思いもしないですむ。そしてあんたはあんたで二人の記憶が消えて誰にも邪魔されない平穏な日常を手に入れ、あんたの望む『誰も傷付かない世界』になるのよ、いいの?」

 

「なに……?」

 

相模はペラペラと語り出す。

 

「うちにはもうこのデュエルで勝つ手段はない。でもあんたは《ロンリーヒール-チェイサー》の効果を使わずに攻撃すれば……」

 

「そのときは《ロンリーヒール-チェイサー》の1ターンに1度、相手のカード効果を受けない効果でお前の《ウィジャクティム・ネクロム》の破壊する効果を無効にして攻撃が続行される。そいつを破壊することはできないが俺のモンスターも破壊されない。どっちにしろ俺の勝ちだ」

 

「いいや、そのときはうちの罠カード《ドレインシールド》であんたの攻撃を無効にする効果をあんたに無効にさせて《ロンリーヒール-チェイサー》の効果を無効にする効果を使わせてから《ウィジャクティム・ネクロム》の効果で破壊する。そしてうちの場に最後の《ウィジャクティムトークン》が現れてうちの勝ちになる。そしてあんたは二人から忘れられて本当の『誰も傷付かない世界』になる……どーお? あんたにとっても悪くない話でしょう?」

 

誰も傷付かない世界になる……か、確かに魅力的な話だな……

 

すると外野から……

 

「先輩はそんな人じゃない!」

 

遊城が言い出した。

 

「確かに八幡先輩はいつも一人だし、話しかけても無反応で物静かな所はあるけど、俺達は知ってる! 八幡先輩がいつも皆嫌がるような寮の掃除とかゴミだしとか他の人が当番サボった時も嫌な顔ひとつせずにやってくれてるし、飯のおかずとかくれるし、レッド寮じゃ大徳寺先生より頼りになる人だ!」

 

いや、嫌な顔はしていますが?

 

「そうだ! 八幡さんは面倒見が良くて、俺が何度洗濯機の使い方を忘れても文句一つ言わずにいつも丁寧に教えてくれる! そんな好い人だと!」

 

いや、万丈目。文句はけっこう言ってるぞ? あと、いい加減に洗濯機の使い方を本当に覚えなさい。

 

「相模! お前はただ、そんな八幡先輩に嫉妬して逆恨みしただけで記憶を消す闇のアイテムに頼っただけの弱い奴だ!」

 

遊城が言い出す。

 

「ふん、随分と後輩に好かれてるじゃないの……どんなに記憶を消してもあんたの理解者はどこかに現れるってわけね……」

 

相模は何やらぶつぶつ言っている。

 

「そんなお前の言葉なんかに八幡先輩は惑わされたりはしない!」

 

「ふん! どうかしらね? さ、あんたはどっちを選ぶのかしら?」

 

どっちを選ぶ? 決まってんだろ……

 

「俺は《ロンリーヒール-チェイサー》の効果を使用する。そもそも、この戦いには七星門がかかってる世界の命運がかかってるってのにそんな私情で負けられるかよ」

 

「先輩……」

 

「八幡さん……」

 

「……べつに遊城や万丈目の台詞が嬉しかったわけじゃあねえよ?」

 

すると丸藤が……

 

「先輩がデレた」

 

うるせぇ! とにかくだ。

 

「悪いな雪ノ下、由比ヶ浜………俺は《ロンリーヒール-チェイサー》の効果を発動! 召喚に使用した四つのヒール罠が全て除外されているとき、1ターンに1度、相手モンスター1体を破壊し相手にそのモンスターの攻撃力か守備力どちらか高い方の数値分のダメージを与える。俺は《ヴィジャクティム・ネクロム》を破壊する!」

 

これで俺の勝c………………

 

「ふっふっふっ! あーっはっはっは!! リバースカード、オープン! 《ヴィジャクティム・ミラージュ》!」

 

……………!? 《ドレインシールド》じゃねぇ!?

 

《ヴィジャクティム・ミラージュ》

カウンター罠

“自分フィールド上に《ヴィジャクティム・ネクロム》が存在し、相手の魔法、罠、効果モンスターの効果カードの効果によって自分フィールド上のモンスターがフィールドを離れるとき、発動することができる。

このカードを発動したターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上のモンスターは全てフィールドを離れるかわりに自分フィールド上のモンスター1体を相手フィールド上にコントロールを移す(この効果によって『フィールドを離れたとき』に発生するカード効果は発生しないものとする)。”

 

「《ロンリーヒール-チェイサー》がぼっちでフィールドにいる限り俺のカードはお前のカード効果を受けない」

 

「あんたにはね。この罠カードは自分に効果をかける罠カード」

 

!? そうか……それなら無効にできねぇ……

 

「この罠カードの効果は自分フィールド上に《ヴィジャクティム・ネクロム》がいるとき、カード効果でフィールド上からモンスターが消えるとき、かわりに自分のモンスター1体を相手フィールドに移す!」

 

「なんだと!?」

 

俺のフィールド上に《ヴィジャクティムトークン》のコントロールが移る……

 

「そしてうちの手札から《ヴィジャクティム・ホール》を捨てて効果を発動! 相手モンスター1体に強制攻撃させる!」

 

《ヴィジャクティム・ホール》

通常魔法

“自分フィールド上に《ヴィジャクティム・ネクロム》が存在し、このカードが手札に存在するとき、このカードを捨てて発動する。

相手モンスター1体を選択する。選択したモンスターは自分の《ヴィジャクティム・ネクロム》に攻撃可能かならば攻撃しなければならない。”

 

「あんたの《ロンリーヒール-チェイサー》の効果はあんたのフィールド上に《ヴィジャクティムトークン》が現れたことで無効になる! さぁ、来なさい」

 

「くそっ!?」

 

俺の《ロンリーヒール-チェイサー》が勝手に相模の《ヴィジャクティム・ネクロム》に攻撃を仕掛ける。

 

「《ヴィジャクティム・ネクロム》の効果で《ロンリーヒール-チェイサー》は破壊! そしてうちのフィールド上に《ヴィジャクティムトークン》が現れる。そしてエンドフェイズに《ヴィジャクティム・ミラージュ》の効果であんたのフィールドに移ったトークンのコントロールが戻る。そして《ヴィジャクティム・ネクロム》のモンスター効果! 自分フィールドが《ヴィジャクティム・ネクロム》および《ヴィジャクティムトークン》で全て埋まったときゲームに勝利する!」

 

くそ……俺にはもう、何も手がねぇ……

 

「ヒッキー!?」

 

「比企谷君!?」

 

「八幡さん!?」

 

「八幡先輩!?」

 

由比ヶ浜、雪ノ下、万丈目、遊城……すまねぇ……

 

 

比企谷八幡 LP3000→LOSE

 

 

「あーっはっはっは!! うちの勝ちよ! さぁ、あんたらの記憶を消させて貰うわ!」

 

俺の七星門の鍵が消え、相模は俺に右腕を向ける。そして__

 

 

パチィィィッン!!

 

 

指を鳴らすと俺と雪ノ下と由比ヶ浜の周りに光の渦が現れ俺等を包む……

 

「あんたらから『奉仕部』と『事故』の記憶を無くしてあげる。良かったわねぇ~、これであんたは元のぼっちに逆戻り~……今度はあのときみたいに失敗はしないわ……」

 

『あのとき』? あのときっていつだ!? すると一瞬だけ俺の脳内に記憶が……

 

それは学園祭が終わったばかりの頃……

 

『本当に今まで言えずにごめんなさい!』

 

『すぐに謝れなくてごめんなさい……ようやく言うことが出来たわ……』

 

なんだ!? 今の記憶は……

 

そしてもうひとつ……

 

それはタイタンと闘った特待生寮の地下……

 

『あんたが……あんたがうちを見つけなければ! あんたはぼっちのまんまだったのに! だから消すの! 学園祭から今までを全部ね!』

 

『やめろー!!』

 

 

__なんだ? 今の記憶……_今までのと全然違っ__あ、ダメだ。

 

何となくだがわかる。俺の中で《奉仕部》と《事故》の記憶が消えていくのがわかる……

 

だが相模。俺は最後に抵抗させてもらう……

 

「遊城、万丈目……あとは頼む……」

 

俺は、そう言って、二人に自分のデッキから二枚のカードを出して投げつけた。

 

「八幡先輩!?」

 

「八幡さん!?」

 

二人の声が重なり俺の目の前は真っ白になった………………

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「八幡さん!?」

 

「八幡先輩!?」

 

「ふっふっふっ、エースを召喚して油断したわね……明日もここで……どちらが相手をするか考えておきなさい……あーっはっはっは!!」

 

相模は笑いながら闇に消えていった……

 

そして翌日……デュエル・アカデミアから『奉仕部』が消えた……




次回……

八幡の敵を後輩が打つ!

気長にお待ちください……

セブンスターズ編終わったら進級試験編か飛ばして春休み校外学習編かを迷っていますがどちらが見たいですか?

  • 進級試験編(結衣ちゃん大ピンチ)
  • 校外学習編(あの小学生登場)
  • どちらでもなく新学期(小町ちゃん現る)

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