骸骨と共にぼっちが行く   作:チェリオ

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皆さんお掃除がんばってますか?チェリオです。
最近私の机の上が汚くなり母に「のだめ」って言われました…大掃除大変だぁ…
ナザリックのメイドさんが欲しい…


第014話 「ナザリックの労働条件」

 俺がアウラの血を吸った事件から数日が経った。

 あれからモモンガさんは広間にて宣言をし、自らを『モモンガ』ではなく『アインズ・ウール・ゴウン』と名乗る事を宣言した。…俺はモモンガさんと呼ぶけど。

 ついでに俺は血を吸ったことを何か言われると思っていたのだが逆に『どんな時でも自分を制御しきる精神力』&『夜を徹して看病してくださる心優しき御方』という話が広まっていた。

 止めて…だれか止めて。今更一緒に寝てましたなんて言えない…

 

 「おはよう御座いますぼっち様」

 「・・・・・・うむ・・・おはよう」

 

 ナザリックで働く一般メイドとすれ違い様に挨拶をする。何時見ても見飽きないほど綺麗なんだよな。さすが皆が創造したNPCだよなあ。なんかデジャブが起こっている。確か昨日もここであったような……少し確認してみるか……

 ぼっちは気配と姿を消し目的地へ急ぐ。途中途中出会ったメイドに気付かれることもなく。

 

 「確か・・・ここだよな?」

 

 目的地まではあまり距離がなかった為にすぐに到着した。早速戸を開けようと手がドアノブにかかる前に手が止まる。

 ここはセバスの部屋である。勝手に行動することから度々説教を受けるためなかなか近づきけないのだ。

 この前、「どうか近衛をお連れくださいませ」と言われたので「・・・私についてこられる者が居るならば良いのだが・・・」そう言ったら諦めたのか、それからは言われることはなかった。

 どうしようか悩んでいたらドアが開かれた。ちょうどセバスも出るところだったのだろう。その表情は驚きで溢れていた。レアな物が見えた。

 

 「これはぼっち様。いかがなされましたか?」

 「うむ・・・少しメイド達の勤務の事を聞きたくてな・・・」

 「メイド達のことでございますか?了解いたしました。どうぞこちらへ」

 

 セバスに勧められるまま中に入った。綺麗に整理整頓され、とても清潔感ある部屋で予想通りというかちょっと期待したんだけど……

 

 「では、お茶の用意を致します」

 「いや、話だけで良い」

 「はっ。では、聞きたい話とは何で御座いましょうか?まさか何か問題でも」

 「いや、そう言う訳ではない。ただ勤務の話を聞きたいだけなんだ・・・」

 

 ほっと胸を撫で下ろすセバス。そんなに気にするはないと思うんだけど……というか、俺の方がいろいろしてしまっている気がする。

 

 「一般メイドの勤務時間はどうなっている?」

 「それでしたら…」

 

 

 ― 話聞き取り中 ―

 

 

 コン、コンとドアをノックする音が聞こえる。アインズは顔を上げて辺りを確認する。現在、この執務室には御付としてエントマがついている。アルベドは別の仕事をしている為に席を外している。

 

 「アインズ様。ぼっち様が来られました」

 (ん?ぼっちさんが?確か今日は何もなかったはずなんだけど…。厄介ごとではないと思うんだけど、この前みたいなことがあるからな。覚悟しといた方が良いか)

 

 書類から目を離し「どうぞ」と相手を招き入れる。エントマが礼儀正しくドアを開け、一礼する。ぼっちさんはそんなエントマをひと撫でして近寄ってくる。

 

 (なんか怒ってないか?)

 

 白い面で顔を隠している為に表情は読めないが、なんとなく雰囲気的にそんな感じがする。何かあったのだろう。と思っていると近くで足を止めて目の前にびっしりと書き留められた紙を突きつけられた。

 訳がわからないまま紙を受け取るとぼっちさんは腕を組んだ途端に姿を消した。 

 

 (本当にすごいスキルだよな…と、そうじゃなかった。ええと…なんだこれは?ナザリック一般メイドの勤務表?………)

 「な、なんだこれは!?」

 「!?」

 

 さっきまで撫でられた事を喜んでいたエントマが突然上げられた声で現実に戻され困惑していた。

 

 「エントマよ。ガルガンチュア及びビクティムを除く階層守護者達を集めよ。もちろん先ほど消えたぼっちさんとセバスもだ」

 「はい。畏まりました」

 

 一礼して部屋を出て行き、部屋に残ったアインズは頭を軽く押さえていた。

 

 「これは…何とかせねばな…」

 

 

 あのナザリック一般メイド一週間7日出勤24時間勤務表を見せられたモモンガさんは階層守護者達を集めて話をした。さすがにブラック企業すぎて休みを与えようという話になったのだ。

 笑いがとまらねえ……一日休みにするだけで強烈な反応。「24時間。1440分も仕えられないということですか!?」とはすごいなあ。何かアメ的なものがあればいいんだけれど……

 俺がセバスのところでメイドの話をしたせいで廊下に気になっているメイド達が集まっている。

 モモンガさんも困っているし助け舟を出しますか……泥舟の……

 

 「メイドたちは41日ごとに休みを取り、も・・・アインズさんの御付になる・・・」

 

 その言葉を聞いて嬉しがるメイド達。悔しがる階層守護者達。下顎が取れそうなくらい驚くモモンガさん。いやぁ、何かこう楽しいな。俺ってSっ気あったんだな。ハハハハハハ

 

 「ぼっち様!?お待ちください。ぜひ!その役目(アインズ様の)はこのアルベドに」

 「ちょ、何言ってんのアルベド!?」

 「そうでありんす!ずるいでありんすよ」

 「御方ノ前デ騒ギスギダ」

 「そもそも私達は至高なる御方々に仕えることこそが最高の褒美。ならば二重で対価を受けるのは…」

 「ぼ、僕もデミウルゴスさんの言ってる通りだと、お、思います…」

 「だけどマーレ…」

 「ムゥ…モシアルナラバ手合ワセナドシテイタダケルノナラバ…」

 

 うわおう……凄すぎる反応の嵐……デミウルゴスはさすがに冷静だけれども仕えるだけってどんだけ社畜属性持ってんだよ。そしてマーレよ。もう少しわがまま言っても良いんだぞ。……コキュートスとはそのうち行うか……どのみち第五階層には行かねばならないし……

 それぞれの思いが飛び交う中、何かを思いついたのかアインズが口を開いた。

 

 「ならば守護者やプレアデス達はぼっちさんの御付でよろしいんですね?」

 

 ぐほう!この策士やってくれたな。やべぇ皆の目が変わった……セバスなんか目が光ってるような気がする……

 その時アルベドを見た。何やら困ったような顔をしていた。さすがはというべきか視線を感じた瞬間、いつも通りの笑顔に変わったが……

 

 「・・・では守護者とプレアデスは休みの次の日は仕事後一時間だけだが私かアインズ様と一緒に業務以外で何かをすると言う事で・・・」

 

 ブーイングが飛んで来そうな雰囲気になったがこれには考えがある。

 

 「メイド達に比べたら不平等な気もするが通常の役目が大きいためあまり離れさせるわけにもいかぬのだ。分かってくれるな」

 

 ちゃんと理解してくれたのかしっかりとした返事が返ってきた。

 まあ、これで何とかなっただろう。

 アルベドもモモンガさんへ仕えられると聞いて喜んでいる。はあああああ……疲れた……意外に喋れるものだな…

 

 「ボッチサマ…」

 「・・・どうしたコキュートス・・・」

 

 何か質問があったのだろう。手を上げてコキュートスが声をかけてきた。

 

 「一緒ニ鍛錬トイウノハ良イノデショウカ?」

 「?・・・良いのではないか・・・・・・」

 

 その言葉に皆が獲物を狙う肉食獣の目つきになった……やべえ、選択ミスった!?

 

 「で、では一緒に散歩など、い、い、いかがでしょう?」

 「ちょ、ちょっとマーレ。さきにあたしでしょ!」

 「添い寝はありでありんすか?」

 「「!?」」

 

 ちょ、待っ!この話の流れはヤバイ……助けてデミエモーン!

 

 「いや…ならばあの件のほうが…」

 

 駄目だ。デミウルゴスもあてにならん。ならばナザリックの頭脳に…

 

 「よ、よろしいんで御座いますねアインズ様。で、でしたら二人っきりで寝室で…いえ、今ここでも!」

 「お、お、お、落ち着けアルベド。落ち着くのだ!」

 

 おう、こっちもか。駄目だこりゃ……って言うかモモンガさんやばくないか?すでに馬乗りされて…

 

 「・・・アルベドを止めたほうが良くないか?」

 

 その一言に守護者を含め、その場に居たすべての者がアルベドを見た。モモンガさんに馬乗りするアルベド。もちろんモモンガさんは抵抗し続けていた…

 

 「アルベド!?何をしてるでありんすか!」

 「サスガニ不敬ダゾ!」

 「まったく何をしているんですか貴方は!?」

 「ちょっと離れなさいよ!マーレ!マーレも手伝いなさいよ」

 「わ、分かったよ」

 「失礼致しますアルベド様!」

 

 

 守護者一丸で行った救出劇にてモモンガさんは無事救助できた。加害者のアルベドは謹慎をくらっていた。もう二度と考えなしにものを言わないことを決意したのであーる。

 

 結論

 ナザリックの労働条件はアインズ・ウール・ゴウン加入メンバーを崇拝し、至高なる存在の近くで仕えることを至上の喜びすること……

 ブラック鎮守……じゃなくて、なんというブラック会社…




私はこんな現場で働いたら速攻で吐血しそう…
明日の投稿は特別編となります!お楽しみに

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