骸骨と共にぼっちが行く   作:チェリオ

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 前書きですが感想にあったオリキャラ『マイン・チェルシー』の名前の話をさせて下さい。

前回『マイン・チェルシーってある漫画知ってる人から見たらすっごい不吉な名前だなww』と感想に最初分からなかったのですが多分これだと思うものがありましたので皆様に報告させていただきます。
 マイン・チェルシーではいなかったのですがアカメが斬る!という作品に『マイン』『チェルシー』と言う女の子のキャラクターが出てきます。アニメですが彼女達は…
 私、チェリオはアカメを斬る!を見ていません…ゆえに『マイン・チェルシー』はその両名の名を合わせたものではありません。『マイン=私のもの』と言う英語でチェルシーは思いつきの名前です。
 ですからこのオリキャラが彼女達と同じ末路を歩む事は今は考えておりませんのでご安心ください。

 さて長くなりましたが今回はまたぼっちは傍観者です!だって戦士長と子安…ゴホン、ニグンとの戦いに入ったら戦士長の影が消し飛んでしまいますからね。ではどうぞ!


第010話 「勇敢な戦士と強大な悪魔:前編」

 カルネ村での戦闘後、俺ら(モモンガさんが)は村長さん達とお話しして貴重な情報をゲット。村人達のお墓の前で手を合わせて帰り支度をしていた。と、言っても村を囲むように展開している連中にはとっくに気付いているんで先生にちくった……オホン…モモンガさんに報告済みなので何の問題もないだろう…

 それよりこの子供どうしよう……村長さんの家の時から見てくるしそろそろ精神が持ちそうに無い…声をかけるか…

 

 「・・・何か用か?」

 

 もうちょっとフレンドリーに声をかけられないのかよ! どう聞いても今の声色は怒りが混ざっちゃった。相手は子供なんだから穏便に……

 

 「あい、アルカード様。ボクを弟子にしてください!」

 

 出汁?いや今この子弟子っつたよね・・・ありえないでしょうにあんなに人を殺しまくった挙句にあんな台詞吐き続けていた人の弟子なんて。俺だったこんな殺人鬼、土下座しても拒否するよ。

 

 「・・・今は無理だ・・・」

 

 そうそう優しそうに言えば……駄目ですよね。分かってますともその残念な目を向けられるのは……だからと言ってお持ち帰りするわけにはいかないし。

 スキルを使っていちおうこの子のステータスを確認した。目が止まった。ステータスの数字はそこらの子供達より上だがほぼ大差が無かった。が、反応速度倍加と折れない闘志を持っていた。

 反応速度倍加はレベルアップした際に反応速度が2、3倍されるスキルで折れない闘志というのは発動すれば感情系バッドステータスを無効するものだ。ただし、確率で発動するのと自分と同格か格下でなければ効果が無いので誰も使おうとは思わない。

 こんな良い素材さっきの騎士の中には居なかったな……結構な掘り出し物なのでは、この男の子……女の子!この子って女子なの!?ちょっち待ってちょ!さっきこの子、最初にあの指揮官突き刺してなかったかなあ?おっかしいな。俺は女の子にあんなことさせてたのかよ。ごめんなさいモモンガさん。騎士を殺した際散々思ってた俺を罵倒してください。鬼畜は俺でしたああああ。

 持って帰りたくなってきたらなにやら戦士風の男達とモモンガさんが話していた。気付かなかった訳ではなくレベルはさっきの騎士達よりはまともだったがどちらにしろ殴れば殺せる程度だったから無視していた。モモンガさんがメッセージで呼びかけてきた。子供を連れて向かうことに…

 

 

 村長さんの家より外を覗いているとマジックキャスター(低装備&低レベル)がアークエンジェル・フレイムを召喚して待ち構えていた。なんだよ……そこの戦士長のガゼフ・ストロノーフさんが法国の特殊部隊が一つって言うから期待したのにがっかりだよ!低レベルしか居ないのかよ!

 

 「ゴウン殿。私に雇われないか?お望みの金額を用意することを約束するが…」

 「お断りさせていただきます」

 

 うん。俺でもそうするよ。面倒だもん。て言うかこの村って不憫すぎない?このガゼフさん一人を消すための罠で襲われるなんて。まあ他の壊滅した村よりはまだましかもしれないけど…

 

 「では、アルカード殿はどうかな?」

 「・・・」

 「そうか…」

 

 へ?何が「そうか…」なの。ごめんなさい、途中話聞いてなかったんですけど…弟子にしてあげるから教えてくれないか名も知らぬ子供よ…

 

 「…仕方ないな、ではゴウン殿、アルカード殿お元気で」

 

 さすがにガントレットのままは無礼にあたるんじゃあ……まあ、骨のみの手が出てきたらアウトだよなあ。

 

「この村を救ってくれたこと感謝する。そして我が侭を言うようだがもう一度この村を救ってくれないか。どうか…」

 「…村人は必ず守りましょう。このアインズ・ウール・ゴウンの名にかけて」

 

 ガゼフは頭を下げようとしてモモンガがとめた。その光景に心が惹かれた感じがした。

 なぜこの男は身元も知れぬ者にこうも簡単に頭が下げられるのか? 

 戦士長というのだからそれなりの地位なのだろう、ならば無理やりにもでも従わせようとしない?

 なぜ見も知らぬたかが村人のために命を捨てようとするのだ。分からない……

 

 「これで後顧の憂いも無い。私は前だけを見て進ませてもらおう」

 「これをお持ちください」

 

 モモンガさんが渡したアイテムには見覚えがあり、なにを考えているのかが分かった。

 

 「君からの品だ。ありがたく頂戴しよう」 

 

 何の疑いもなくガゼフは仕舞い、馬のほうに向かっていく。

 

 「・・・後顧の憂いも無い・・・か・・・」

 

 ぼそっと呟いた言葉にモモンガさんが反応したのが俯きながらでも分かった。

 

 「・・・離れて彼らを観察しても?」

 「ええ、かまいませんよ」

 「感謝・・・」

 

 一瞬で姿と気配を消すとガゼフの後方を付いていった……この胸を騒がす元凶のあとを…

 

 

 

 一言で言うとその戦いはつまらなかった…

 法国のほうがどう考えても有利だった。何とか武技とかいう技を使い打破しようとしているが、物量的にも負けているためそのまま追い込まれる。一方的な戦いである。

 だが、その戦いに心惹かれるものがあるのは分かった。

 

 たった一人の男の為に自分の命を賭ける戦士達。

 魔法に屈することなくたった一人でも諦めることなく敵に向かっていく勇姿。

 

 「素敵だ。やはり人間は素晴らしい」

 

 旦那の言葉を意識したわけではなく心から出た言葉だった。先ほどの騎士を見て俺は人間という生き物に絶望していた。だが彼らを見て考えが変わった。やはり人間はこうではなくては!

 何やらガゼフが叫んでいる。聞こうと思えば聞くことも出来るが聞く必要など無い。あれは彼の意地と魂から発せられたことは分かる。あの指揮官みたいに泣き叫ぶことは無いと思っていたがここまでとは!!

 そう思ったら拍手をしながら戦場へと向かっていた。

 陽光聖典の指揮官は突然出てきたぼっちに驚いていた。ガゼフは振り向くことなく姿が掻き消えモモンガとアルベドが現れていた。ぼっちはさも当然かのようにモモンガの横に並んだ。

 これから行われることは分かる。さっきとは格の違う一方的な戦い。

 

 「なんだ…お前達は?」

 「初めましてスレイン法国の皆さん。私の名前はアインズ・ウール・ゴウン。アインズと呼んでいただければ幸いです」

 

 不適な笑みをモモンガさんはしているのだろう…こいつらはどうなるのだろう?と、疑問が浮かんだがすぐに霧散した。解り切ったことだと……

 




 次の更新ですが明日です!25日には特別編を、26日には後編を更新しようと思います。三日連続投稿となります。お楽しみに

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