骸骨と共にぼっちが行く   作:チェリオ

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やっとカルネ村近くまできたぞー。
長かった…

 そして今回初の戦闘シーン!・・・・・・モモンガさんのな!



第008話 「ぼっちは居残りたかったんです…」

 現在ぼっちは大広間にてぼっちになっていた。

 モモンガさんは扱い方がわからない遠隔視の鏡の前で何やら変なポーズを決めている最中で、セバスは怒られた件もあるし次は見逃さないとばかりの雰囲気を出している。

 ぼっちは平穏に休みたいのだけれども…

 

 「ふぅ…」

 

 ポーズに疲れたのかモモンガさんがため息をついて身を椅子に預けた。

 ちなみにぼっちは壁を背もたれにして立っている。

 

 「・・・モモンガさん・・・」

 

 この静けさの中で声をかければ小さな声でもよく聞こえることは知ってた。

 だから二人とも見つめないで…

 

 「どうしました、ぼっちさん?」

 

 ああ、この優しげな声でモモンガさんだって安心する。だけれど今の俺にはどんなことを言われても確かめなければならないことがあった。

 

 「・・・モモンガさんってショタコン?」

 「kfにおfさh!?」

 『ピン』

 

 モモンガさん驚きすぎだって。止めたばっかなのにまた変なポーズ取ってるし。しかも遠隔視の鏡が反応して機能し始めてるし。

 

 「おめでとう御座いますモモンガ様」

 

 え、ちょっと待ってセバス、それはどっちの意味。やっとのことで遠隔視の鏡を使えるようになったこと?それともモモンガさんがショタコンだったこと?

 

 「ありがとうセバス。…じゃなかったぼっちさんどういう意味ですか!?」

 「マーレが左薬指・・・・・・指輪してた・・・」

 

 何のことか理解したのだろう。慌ててたのが急に落ち着いた。ああ、これが精神の安定化か。

 

 「あれは褒美として渡したのであってそういう意味は含んでいない。それにあそこにはめたのはマーレの意思だ」

 「・・・・・・そうか」

 

 うん。知ってましたよモモンガさん。そんな骨じゃないって。ただ言ってみただけです。だからそんな怖いじゃなくて声を変えないでいつもの声のほうが好みなんですから……男の人にこんなこと思い出した俺はアウトなのだろうか…

 いじめっ子みたいなことしましたがこれでも俺はまだ優しいんですからね。

 俺は忘れないよ。

 あの守護者達が集まった闘技場にてアルベドがモモンガさんを指名して「愛している」と言ったのを。確かビッチ設定だったですよね?

 …まあ、今は触れないであげますよ…今はね…

 

 「さて、ん?なんだこれは、祭りか…」

 

 いやいやモモンガさん見ればわかるでしょう。何処の祭りで人を馬で追いかける祭りがあるんですか?いや、闘牛があるぐらいだからあってもおかしくないか…

 

 「いえ、これは違います」

 

 遠隔視の鏡に写る光景がズームされた。まるでスマホだなあって、今人が斬られてなかった!? ちょ、えー…なんで二人とも平然と見ていられるの? 俺なんて吐き気が……あれ普通に見れてる…………なんで? …

 疑問に気付き頭を働かせようとするがセバスの声で戻される。

 

 「いかがいたしますか?」

 

 それはもちで助けに

 

 「見捨てる。何の利益もないからな」

 

 なんですと!なんと言う鬼畜。利益でものを見る人でしたか貴方は。この人でなしってもう人じゃなかったですねえ。ハハハハハ…ハハ……ハ…。この光景を普通に見えてる俺も…

 

 「畏まりました…」

 

 すごく残念そうな顔をセバスがしているよ。そうだよね。君はタッチさんの子供なんだよね…

 

 「たっちさん……ふふ、『困っている人がいたら助けるのが当たり前』でしたよね」

 

 モモンガさんもセバスにタッチさんを見たんだろう。何かを決意して立ち上がった。

 ぼっちはわかってますよ。助けに行くんですねモモンガさん。さあ、ご指示をください!このぼっち、命に代えましても任務を全うしましょう。だからご命令を。残って指示を出してと!

 モモンガさんはセバスに指示を出している。ぼっちはお外に出たくないし初対面の人の対応法なんて知りません。

 意思が通じたのか力強い頷きをみた。

 

 「ぼっちさん、行きましょうか」

 

 ですよねえ……やってやんよ!どちくしょうめえええええええ!!

 意思とは反対に歩きながらモモンガさんが通ったゲートへと進んでいく

 

 

 

 

 

 なんですかあ?ってどこの先生だよ!

 ゲートを潜った先で最初に思ったのはこんなものだった。

 今まさに女の子達が騎士の剣の錆びにされる直前。ならばすぐに助けるのがいいはずなのだが…

 何この騎士達。鎧や剣はどう見ても安物だし、何の効果も持ってないし……ああ!分かりました。お友達と一緒に武器縛りプレイなんですね。もう、びっくりするじゃないですか。

 …なん……だと!お二人ともレベル10以下なんですね…俺はスキルまで使ってステータス見る必要あったんでしょうか…

 

 視界の片隅で兵士に向けて手を伸ばすモモンガさんが見えた。

 

 「グラスプ・ハート!」

 

 ほわあああああ!

 この人、じゃなかったこの骨なんてえげつないことを。平然と初心者のような彼に第九位階魔法使いよった……手のひらを見てなにしてるんだろう?ああ、気付いたんですね。こんな奴ら装備なしで殴れば勝てますよ。

 

 「女子供は追い回せても、毛色の変わった相手は無理か?」

 

 うーわー(棒)。モモンガさん、今こそ遠隔視の鏡で自分を見ましょうよ。その顔でその言葉は悪役ですよ…今度は第五位階魔法ドラゴン・ライトニング使っちゃったよ……瞬殺だよこれ…しかも焦げた匂いまでする。『ウルトラ上手に焼けました!』……エントマのお土産に持って帰ろうかなあ。

 

「ぼっちさん、村のほうをお願いしてもいいですか? 私は…」

 

 村の娘達を見つめてるってことは手当てでもするんだろうな。

 ……まあこのレベルなら前衛でデスナイトでも呼べば十分だろうしね。了解しましたよ。

 

 「・・・別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」

 

 つい口から出してしまった言葉に思考が止まった。少しの間が空きモモンガさんが口を開いた。

 

 「?別に構いませんが出来るなら2、3人ほど生かして貰えればいいので」

 「・・・了解・・・」

 

 お願いだからそんな反応止めて。ボケたんですよ今のは!そこは「それ死亡フラグだから」って突っ込みを入れるところでしょう。もういいや。さっさとこの場を離れようそうしよう。

 背後でゲートが開きアルベドの気配を感じながら村へと直行しよう。

 

 あ、一つ言うの忘れた。その顔だと娘さんたち怯えますよ。と……もう遅いか…




 ぼっちは観客…
 ぼっちの戦いは次で…まあ、本気は出ないが…

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