骸骨と共にぼっちが行く   作:チェリオ

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 前回を少し変更しました。
 よく見るとセバスとプレアデス、守護者は最初の辺りに書いていたのですがツアレを書いてなかった。
 自分で投稿しといてどこから出てきたしと思ったので変更して最初から居る事に。


第097話 「そうだ。皆で風呂に行こう 前編」

 本日ぼっちは守護者達と共に大浴場前に来ている。アインズが皆で湯に浸かろうと回覧板をまわして来たのだ。なぜ回覧板なのかは置いといて皆でお風呂など昔に読んだ漫画みたいだなと懐かしく思う。

 横には男性陣であるデミウルゴスにコキュートス、マーレが並んでまだ着ていない二人を待っていた。女性陣は女性陣で女性専用の浴場に入ったようだ。

 

 「皆、待ったか」

 「これはぼっち様。お久しぶりで御座います!!」

 「・・・ん」

 

 ゆっくり歩いてくるアインズの後ろにはドイツ軍服をモデルとした軍服を着たパンドラズ・アクターが付いている。

 踵を合わせて背筋を伸ばして敬礼しようとしたがアインズの視線を感じて声だけの挨拶を行なう。

 珍しい光景である。自ら生んだ若気の至り……黒歴史と共に歩いてくる者など居ないだろう。最近はドイツ語も敬礼も禁止令が出たと聞くが…

 

 「・・・黒歴史と歩くか・・・」

 「何か言いましたか?」 

 「・・・別に」 

 「???…では、行くか」

 

 男湯の暖簾を潜って脱衣所に入る。皆がそれぞれの所で衣類を脱いで行く。中でもアインズの着替えの速度は速かった。黒いローブのみなのだから。逆に一番時間がかかるのはぼっちだった。まず羽織っている赤いコートを籠に入れ、次に黒いスーツを脱ぐ。ベスト、カッターシャツと上だけで四着といろいろと着込んでいるせいで時間がかかるのだ。

 「先に行くぞ」と言って先に風呂場に向かったアインズの後をマーレが駆けて行く。風呂場のほうから「床が濡れているから走ったら危ないぞ」と声が聞こえる。

 微笑ましく思いコキュートス、デミウルゴス、アクターと共に歩いて行くのだがひとつ気になった。

 

 「どうなされましたかぼっち様」

 「・・・肌つるつるだな」

 「そうでしょう!これぞ我が創造主であるアインズ様が御創りになられた身体なのですから♪」

 

 視線の先に居たアクターの身体を見つめながら呟いた。まるで木で出来たマネキンのようだった。言われて身体を見て胸に手を当てて誇らしげに答える。

 ふむ…とひとつ頷いて歩き出し、声が届いていたであろうアインズが顎が外れそうなぐらい口を開けて頭を押さえていた。

 にしてもどうやって動いているんだろうか?骨と骨の隙間には空間しかないのだが…

 ゲーム時代に数度しか来た事なかったが浴場は広かった。冗談や誇張抜きで。漫画やアニメに描かれた銭湯の数十倍はある。数多の風呂が設置されててこれらすべてに浸かって行ったら確実に逆上せてそのままデッドになるだろう。…アンデットだけど。

 

 

 「コキュートスは変わらないのだな」

 「彼は普段から裸なので」

 「ソノ変態ミタイナ言イ方ハ止メテクレナイカ」

 「外皮鎧なのですから問題ないのでは?」

 「と、言うより仕方がないだろう。ねぇぼっち…さん?」

 

 振り返った時にはぼっちは皆の元を離れて一人身体を洗おうとしていた。確かに先に洗わないといけないなと呟き、アインズも身体を洗う為に歩いて行く。

 

 「ぼっち様ぁ。お背中お流しします」

 「ん・・・頼む」

 

 走らない程度に急いでぼっちに近付いたマーレがぼっちに提案した言葉を聞いたデミウルゴスとコキュートスがアインズへと振り返ると…

 

 「では、我が創造主であるアインズ様のお背中は私が!!」

 「う、うむ。頼んだぞ」

 

 先を越された二人は気分を変えてお互いの背中を流すことに。

 ぼっちの身体は前と同じく細身ではあるが筋肉質である。その大きな背を泡立てたスポンジで一生懸命に洗って行く。何か父親にでもなったような心境になったぼっちは左右で身体を洗っている皆を見る。

 親しみを持った笑みを浮かべてコキュートスの背を洗っているデミウルゴスは友人に接している感じで表情は分かり難いアクターがアインズ様の背中を洗っているのは子が親を…と思ったのだが骨であるアインズをブラシで洗っているところを見ると歯磨き、もしくはブラッシング?

 

 「ぼ、ぼっち様。洗い終わりました」

 「・・・ありがとう」

 「えへへ♪」

 

 散った泡を鼻上や肩などに付けたマーレを撫でてやると表情を蕩けさせた笑顔になる。いつもみたいに数分も撫でる事もなく立ち上がり、マーレの後ろへと周る。

 

 「次は・・・マーレの番」

 「洗ってくださるんですか!?」

 

 嬉しそうに聞いてくる。その期待に答えようと久しぶりに肉体を変化させて行く…

 

 

 

 ~女性陣側~

 

 「はぁー…良い湯だなぁ」 

 

 先に身体を洗いきったアウラは腕をうんと伸ばしながら大きすぎるお風呂を堪能する。

 女風呂にはアルベドにシャルティア。ぼっちがナザリックに帰った事で急いで後を追ってきたステラにモミが居た。

 

 「や~め~れ~」

 「静かにして下さい。姉さんがいつも洗っていれば問題ないんですから!!」

 

 ジトーとした視線で睨みながらモミの頭をわしゃわしゃと洗っていく。どうやらここ三週間は風呂に入っていなかったと言う。その発言を聞いた時の「同じレディとは思えないのだけど…」と言ったシャルティアの引き様と「そんな不潔な状態でアインズ様の側に寄ったの!?」と怒気を放ったアルベドは凄かった。

 嫌がっている様で気持ちよさそうなモミを見ているとどうしてもステラと比べてしまう。

 モミの体系は幼児体型と言えば良いのか凹凸が少ない。それに比べてステラは大きいと言うほどではないがそれでも立派に主張しており女らしい。腰や太ももも引き締まっており身体のラインにも目が行ってしまう。

 視線に気が付いたのか首を傾げたステラと目が合った。

 

 「どうかされましたかアウラ殿?」

 「いやぁ…大きいなぁと思ってさ」

 「大きい?」

 「あー…続けてぇ」

 

 アウラとの会話で疎かになった手を軽く引っ張ってモミが催促をする。ふふと笑い声を漏らしながら頭を洗いつつ会話を続ける。

 

 「胸、大きいなぁ~って」

 「胸ですか?…別に気にした事なかったのですが私よりもアルベド殿の方が大きいですよ。それに戦闘の邪魔じゃありませんか?」

 「そうなのかもしれないけど…ぼっち様は大きい方が好きなのかな…なんて」

 

 モミと変わらない自身の身体を見てしょんぼりする。

 

 「確かにそれは気になりますね」

 「アルベドは―って関係ないよね」

 「何がよ?」

 

 髪の毛ではなく頭より生えている角をブラシで洗っていたアルベドは不思議そうに呟く。

 胸もお尻も大きく、ステラほどではないとしても引っ込むところは引っ込んでいる。逆に柔らかそうな肉質が余計に女性らしさを引き立てている。

 

 「べっつにー。………あんたは何やってんのよ?」

 

 ふとシャルティアの奇行が視界の中に入った。

 胸の話と言う事でモミやアウラと変わりなく凹凸の少なく、これから成長する事もないシャルティアは視界から除外していたのだがこれは目に止まってしまう。左手は体に巻きつけたタオルを支えているが余った右手は壁に張り付け、そこに耳を押し付けて何かをしている。

 

 「静かにするでありんす!!」

 「『静かに』じゃなくてなにしてんのよ」

 「いいから!!」

 

 必死そうなシャルティアの表情に何か合ったのだと理解して湯船から上がって同じ体勢をとる。

 

 

 「…んぁ……そこは駄目れすぅ…ぼっち様ぁ……ふぁぁぁ」

 

 隣の男風呂から聞こえてきたマーレの熱の篭った喘ぎ声に驚き飛び退いてしまった。顔を真っ赤にしたアウラは目をぱちくりさせながらシャルティアと目を合わす。

 

 「なななななな、なんなの今の///」

 「分からないわよ!!まさかこの壁の向こう側では…」

 

 悲壮感漂う表情でシャルティアが崩れ去る。アウラも弟マーレを強く羨ましく思ってしまう。その二人の反応を見て理解してない三人も同じく聞き耳を立ててみる。

 

 

 

 ~男性陣側~

 

 マーレの身体を洗おうと石鹸を泡立てる。石鹸が無くなるまで泡立て続ける。

 いつまでも触れられない事に違和感を感じながら期待で笑顔になるマーレの隣に座っているアインズはあまりの出来事に引きまくり精神安定されていた。

 ぼっちの肩から、腕から、手首から、指先が、背中から、腹部からぬめぬめとしていて蛇のように動く触手何本も伸ばす。それらが手で泡立てられた泡を先端に付けながらゆっくりとマーレに近付いた。

 

 「ひゃああ!?え、え!?」

 

 いきなり無数の触手に絡まれたマーレは驚き声を上げた。アインズは唖然とした表情で見つめることしか出来なかった

 

 「ぼぼぼ、ぼっち様。これはいったい?」

 「身体・・・洗ってやる・・・」

 「そ、そうではなくこの触手は?」

 「隅々まで・・・洗える」

 

 泡を纏った触手がマーレの身体を這って行く。幼さに見合った小さな腕や足に絡みつき動けなくして、文字通り至る所を洗って行く。背中はもちろんのことながら首筋や脇の下から胸やお尻まで触手が優しく巻きついて行く。

 身体を洗おうと真剣にやっているのだろうが傍から見ればアウトだろう。

 

 「ひゃう!?そこに入れちゃ駄目ですぅ」

 「ぶっ!?ぼっちさん何を…」

 「?・・・おへそを・・・洗おうと」

 

 さすがに不味いと思ったアインズが振り返るとへそを肩より伸びた触手で洗っているだけであった。自分は何を考えていたのだろうと恥かしさで俯いてしまった。

 くすぐったいマーレは身を捩って耐えるが徐々に動かなくなり、最後にはされるがままに声を漏らしていた。

 

 「…んぁ……そこは駄目れすぅ…ぼっち様ぁ……ふぁぁぁ」

 「足の裏も・・・しっかりと・・・」

 

 隣の女風呂で在らぬ誤解が生じている事に気付いてないぼっちはそのまま洗い続ける。

 後半へ続く…




 一話で終わらす予定だったのだが長くなり二話になってしまった…
 触手だからと言ってエロではなぁい。身体を洗っているだけだから超健全ですよぉ。

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