モモンガ様迷惑を受ける   作:大きな像の金槌

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ここから先は、さらに捏造しないと話がつながらん。
捏造ダメな人ごめんなさい


9.魔術師ギルド

長い壁が続いているなぁ。と思ったら、この壁の内側が魔術師ギルドらしい。

門のところにたどり着くと、

 

5階建ての塔が3つあり、ガガーランから聞いた「5階建てくらいの高い塔が3つあるからすぐわかる」とのこと。

 

 

もうちょっと詳しく教えてくれてもいいと思ったが、この周辺にはこれほど高い建物がなかった。

それで多少遠目から大まかな位置は分かったのだが近づくと塀が邪魔で分かりにくかったんだ。

 

 

この門は勝手にくぐっていいのかな?顔を覗かせてみると、衛兵の詰所が左右にあった。

 

「すみませ~ん、魔法アイテムの鑑定をお願いしたいんですけど、どこにいけばいいですか?」

 

親切にも、詰所から衛兵が出てきてくれた。

と思ったら違うらしい。姿を見るなり、

 

「ここは魔術師ギルドなんだが、大抵のものなら適当な道具屋にいけば鑑定してくれるぞ?」

 

遠まわしに断られたようだ。

 

「結構珍しいものだと思うんだけど」

 

「見たところ旅の者のようだが?貴族や、冒険者なら分からないでもないが・・・もしかしてワーカーか?」

 

「?ワーカーって?」

 

「知らないのか・・・・まぁその判断は俺の仕事じゃないし構わないか。ここでの鑑定は結構高いから見合ったものでなければ損だぞ?」

 

「お金は多少あるから、大丈夫です。」

 

「じゃぁこっちだ。付いてきな」

 

案内してもらい、古そうな白い建物に行く。そこの受付に用件を言えばあとは教えてくれるはずだ。

 

結構親切な衛兵さんだと思い、受付に用件を伝える。

 

「こんちは~、鑑定をお願いしたいんですけど?」

 

「いらっしゃいませ。鑑定となりますと銀貨1枚となりますがよろしいですか?」

 

「銀貨1枚か・・・困ったな」

 

受付嬢は、やはりと思っていた。見るからに旅人の姿で、お金を持っているようには見えなかった。また、なんで鑑定にこれだけかかるかを

説明しなくてはいけないのかと、内心うんざりしていたら

 

「すみません、金貨しかないんですけど大丈夫ですか?」

 

結構な量が入っていそうな袋から金貨が覗いていた。

 

テーブルの上に1枚置かれた金貨を見て、若干慌てる。が受付嬢も教育は受けているので

 

「それでは、金貨1枚お預かりします。鑑定されるアイテムをお預かりしてもよろしいでしょうか?」

 

「これなんですけど」

と懐からニグンから頂戴した、魔封じの水晶をカウンターに置く。

 

見たことがないマジックアイテムだ。水晶の様だが、どういう物なんだろう?

 

ちょうど組合長の部屋が開き、エ・ランテル魔術師ギルド組合長ラケシルが出てきた。

 

こちらのギルド長との、会談が終わり帰るらしい。

 

「おや、珍しいことに鑑定かね?見たことが無いアイテムだが、いや・・・これはもしかすると」

 

 

 

どうやら、衛兵さんが言っていたように魔術師ギルドに鑑定品をもってくることは珍しいようだ。

 

 

 

「えっと、あなたは?」

 

「申し遅れた。エ・ランテルで魔術師ギルド組合長をしている、テオ・ラケシルだ。それでこちらのアイテムは?」

 

「魔封じの水晶です。すでに魔法が入ってしまっているのですが、その状態で値がつくか鑑定をお願いしに来たんですけど」

 

確かになんらかの魔法が込められているようだ。

 

「よければ、私が鑑定しても構わないかね?よければ魔法を掛けたいのだが」

 

エ・ランテルのお偉いさんなら別に問題ないだろう。

 

「鑑定に必要であればどうぞ」

 

道具鑑定(アプレイザル・マジックアイエム)付与魔法探知(ディテクト・エンチャント)

 

 

召喚魔法が込められているようだが、効力は不明だ。いや、第7位階・・・・・の召喚魔法だとっ

 

「すげぇっ。第7位階の魔法が込められているっ」

 

そこには先ほどまでの威厳がある組合長の顔ではなかった。見たことのない珍しいアイテムに興奮する少年のような姿だった。

 

「稀覯本で読んだことがあったが、法国には至宝というべきアイテムとして魔封じの水晶があると。これほどのアイテムをどこで

手に入れたんだっ?」

 

その大きい声に、王国の魔術師ギルド組合長もでてきた。

 

「どうした、ラケシル?そんな大声を上げて」

 

「これを見てくれ。第7位階の魔法が込められたマジックアイテムだぞっ」

 

「なにっ、見せてくれ」

 

 

そこには、少年の雰囲気をだす組合長たちがいた。

 

 

 

・・・・いつになったら鑑定終わるんだろう・・・・・・

 

 

いつの間にか、どっちの組合でこれに値を付けるかという話になっている。

 

「かなり長引きそうですね・・・・・」

 

受付嬢にちらっと声を掛けてみると、申し訳なさそうに頭を下げられる。

 

ここには初めて来たので見学させてくださいとお願いすると、受付嬢さんが自ら案内してくれるとのこと。

 

2人の組合長にそのことを伝えていたようだが、伝わっているのだろうか?

 

魔法詠唱者を教育する部屋や、図書館を見せてもらい、魔法を研究する部屋があった。何をしているのか分からなかったけど

次の部屋には興味を惹いた。

 

スクロール作成部屋。ここでスクロールを作っているらしい。

 

何人もの魔法詠唱者達が、スクロールに魔法を込めている。作り方はユグドラシルと同じで羊皮紙に魔法を込めるようだ。

その際に触媒が色々使われているようだ。ユグドラシルでは金貨だったが、こちらでは他にいろいろ利用できるらしい。

 

見ていると3位階以下(3位階を込める作業が見当たらないから、もしかして第2位階がほとんど?)

 

受付嬢に聞いてみると、第3位階を込めることはほとんど無いらしい。というのも使える人物がほとんどいないためだ。

 

「ふ~ん、俺も魔法は使えるんだけど、試しにやってみてもいいかな?」

 

 

先ほどのアイテムといい、この人はどの程度の魔法を使えるんだろ?

失敗しても羊皮紙が無くなるだけだし、1枚くらいなら使用しても構わないかなと思い許可してみた。

 

 

羊皮紙を1枚もらい、袋から金貨を1枚取り出す。

 

 

大治療(ヒール)

 

金貨が溶けて、羊皮紙に魔力が込められようとした瞬間・・・・燃えた。

 

 

「ありゃ、失敗か」

 

やっぱりスクロールを作成するスキル取ってないし、出来るわけないか。

 

「?それは第何位階の魔法でしょう?」(聞いたことが無い魔法だけど、回復魔法?」

 

「ん?第6位階の魔法だけど?」

 

何を平然とこの男は言っているんだと思う。周りのスクロールを作成していた人達も驚いていたけど、

この事は組合長に報告すべきだろうと思い、ロビーへ戻ってきた。

 

 

カウンターから見えるロビーラウンジでお茶を御馳走になっていると、組合長2人がこちらへやってきた。

 

鑑定が終わったのかな?

 

「よければ組合長室で話をしたいのだが、構わないかね?」

 

先ほどまで取り乱していた姿は無く、組合長としての気配を取り戻した二人に声を掛けられた。

 

「ええ、構いません。ところで査定はどうなりました?」

 

「それも合わせて話をさせてもらおう」

 

 

組合長室に案内されて、席に着く。

 

「果実水でいいかね?それとも酒でも出そうか?」

 

「いえ、渋いお茶があれば」

 

 

 

 

先ほどの受付嬢がお茶を持ってきてくれた。

 

 

 

「さて、まずは査定の件を聞きたいだろうから先に言わせてもらう。私たち2人で話し合ったんだが、このアイテムに金額を付けることは

出来ない。あまりにも珍しいアイテムだからだ。さらに、人類が到達したことが無いと言われている英雄譚にしか存在しないと思われていた

第7位階が込められている。とてもじゃないが値段をつけられないのだよ。無論、売っていただけるなら、いくらでも積みたいところだが?」

 

「そうですか、いくらするかを知りたかっただけなので」

 

第10位階の魔法を込められるアイテムに第7位階って、やっちゃった系アイテムだと思ってたけど、この世界では違うようだ。

 

机の上の魔封じの水晶を取ろうとしたところで

 

「それで相談なのだが、そのアイテムを預からせて貰えないだろうか?使用しないことを約束するし、借りている間は謝礼を支払おう」

 

確かに使う予定が無いし、というか使う必要が無い。預けておくだけで収入があるのなら、構わないかな?

 

「ええ、使うつもりはありませんから構いませんよ」

 

「おお、ありがとう。ラケシル、当面は王国側で預かるが構わないな?」

 

「仕方あるまい。先に王国側に持ち込まれたのだからな。そういえば、このアイテムはどこで手に入れたんだ?法国にあるとは聞いていたが」

 

「あ、それ元はスレイン法国の物ですよ。」

 

「何?どういうことだ?」

 

「実は・・・・」

 

カルネ村であった出来事を話す。

 

「そういう経緯か・・・しかしガゼフ戦士長がいたとはいえ、六色聖典に勝つとはな」

 

「これを持っていると、法国から何らかの通達があるんじゃないか?」

 

 

組合長二人は考えていた。確かに珍しいアイテムで手元に置いておきたいのだが、これを口実に王国に被害が出たのではたまらない。

だが欲しい・・・・・

 

 

「実は、戦闘中に魔法による探知があったんですよ。だからそれを俺が持っていることは知っていると思います。」

 

「魔法による探知に気づいたのか?」

 

見られていたとなれば確実に何らかの手段を打ってくるだろう。それほどのアイテムなのだから。

 

「そうなんですよ。見られていたと思うので、一度スレイン法国へ行こうと思っていたのですが。ちょっとした諸事情で滞在しています」

 

「危険ではないのかね?」

 

六色聖典を倒したのだ。そういった者が出向けば報復されるというのは想像できる。

 

「ま・・・それなりに俺も強いですから。最悪逃げれるかなと。それに先に手を出してきたのは向こうなんだから何か落としどころを見つけて

引き上げようと思います」

 

 

受付嬢から第6位階の魔法を使ったと聞いたのだから、実力はあるのだろう。

 

 

「第6位階の魔法を使えると聞いたが、本当かね?」

 

「ええ、使えますね。」

 

 

第6位階の魔法という伝説の魔法が使えるのだ。恐らく大丈夫じゃないかと思う。

それに・・・・彼がいなくなればなし崩し的に魔封じの水晶が手元に残る。

今は魔法による探知をされていないようだから、法国も気づくまい。この件に関しては緘口令を敷かなければ。

 

 

 

その後、一日いくらで預けるかということを約束し、証文をもらう。

 

 

文字も覚えたし、そろそろスレイン法国へ向かうとしよう。蒼の薔薇の面々や、ガゼフさん、クライム君に挨拶をして旅立つことにする。

ツアレは、外に出ることが怖いらしく連れていくわけにはいかなかった。

仕方ないのでガゼフさんにお願いしたところ、快く引き受けてくれた。

せめてものお礼にと金貨を渡そうとしたが、断られてしまった。

 

命のお礼に、せめてもの恩返しがしたいとのこと。

 

何かあれば、頼むよ(ガゼフさんくらいの力なら頼ることは無いだろうけど、そう声を掛けておく)

 

少なくとも、この世界では高い地位にいるんだから、情報って意味では何かの役には立つのではないかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シロモフを馬小屋から連れ出してもらい、スレイン法国へ向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 




――――――――――――――――――――――――――
どうやって、王国側の組合長の名前を出さずに話を進めようかとしたら、結構強引な会話になってしまった・・・・・

魔封じの水晶に封じ込められている位階が見つからなかったので適当に設定。

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