モモンガ様迷惑を受ける   作:大きな像の金槌

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もっと上手く書けると思っていた最初の頃が懐かしい


17.1アインズVSグレン

 

 

王都上空を飛行する一団がいた。

 

飛行:フライの魔法を発動している魔法詠唱者が二人、その後ろを座ったまま引っ張られる者が一人。

 

引っ張られているのは先日、エ・ランテルにてアダマントタイト級に昇格したアインズこと、モモンだ。

 

エ・ランテルの時と同じく、漆黒のフルプレートを纏い、背中に2本の大剣を背負っている。

 

 

エ・ランテルにいるときに名指しの依頼が来たのだ。

 

タイミング悪く、ミスリル級の依頼を請け負ってしまっており、そちらの事件を解決するためにナーベを向かわせている。

 

 

 

依頼内容を簡潔に説明すれば、八本指と呼ばれる組織を壊滅させる作戦に参加して欲しいという依頼だ。

 

冒険者組合の規定で、受けることは出来ない依頼だが、表向きの理由を用意されているので引き受けることが出来た。

 

 

アインズからすれば、シャルティアの件を早く解決したい。

だが、スレイン法国へどのように侵攻するか手が思い浮かばないのだ。

 

無論、力ずくでどうにかしてもいいが・・・・

 

この世界にプレイヤーがいることは確実であり、どれほどの数がいるか分からない。

一人や二人なら問題ないが・・・・・多くのプレイヤーを敵に回す行為は控えたいからだ。

 

大義名分が欲しい。いっそのことスレイン法国が襲ってきてくれれば簡単なのだが・・・・・・・

 

 

 

 

シャルティアのことを考えていると、

目的地である王都で黒い炎が燃え上がり、強く白い一瞬の輝きが見える。

 

 

何かの異常事態だろうか?

 

 

「ここで構わん。あとは任せろ。」

 

《浮遊板》《フローティング・ボード》の魔法から飛び降り、飛行ネックレスを装備する。

 

その場所へ一直線へ飛んでいくが、その先に・・・・・・・・見たくない光景が目に入ってきた。

 

 

 

 

満身創痍となっているデミウルゴスだ・・・・・。

 

 

 

 

デミウルゴスと、その戦っている者達の間に落下するような勢いで着陸する。

 

 

「―――――――――――――これは一体どういうことだ」

 

 

とても暗く、重い声がでてしまった。

 

 

「・・・・様・・・・・」

 

 

デミウルゴスは酷く傷ついている。

 

デミウルゴスを背に、相対していた二人と1体に身体を向ける。

 

 

 

 

 

その行動にイビルアイはイラつき怒鳴ってしまった。

 

「アダマンタイト級冒険者かっ?戦闘中に化け物を背に向けるなんて何を考えているっ」

 

首からか下がっているプレートが冒険者としての階級を示している。

あれが、エ・ランテルから派遣される予定のモモンなのだろう。

だからこそ理解できない。私たちを援護するために呼ばれたはずなのに、邪魔な位置に立っているのだ。

 

「戦う気がないなら、下がっていろっ邪魔だっ」

 

目の前にいる冒険者ごと、攻撃魔法の範囲にいれる。

 

冒険者一人と、恐るべき力を持った存在。魔人ともいうべき存在だ。。

 

ごく最近昇格したという話だが、この際、巻き込んで殺してしまったとしても問題ないだろう。

 

少なくとも、死者復活:レイズデッドで生き返ってもらえばいい。

 

今最も優先すべきは、あの魔人を殺すことなのだから。

 

《クリスタルランス/水晶騎士槍》をモモンごと巻き込んでも構わないと、放とうとして。

 

 

 

 

 

 

 

その結果がどうなったか。イビルアイは死を感じることさえできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漆黒の鎧が消え、その下から豪奢なローブを纏い光る杖を手にした、スケルトンメイジ、いやエルダーリッチ?

 

 

 

 

 

《ブラックホール/暗黒孔》

 

 

 

 

その瞬間、一点から黒い穴が広がり、イビルアイと威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を飲み込み消滅する。

ユグドラシルプレイヤーが召喚した威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)でさえ、アインズの魔法の前には無意味だった。

 

 

 

 

 

 

 

グレンは鎧が消え、その姿を見たときに、あれ、なんでアインズさんがあんな恰好しているんだろう?ただそう思った瞬間、

 

久しぶりに見た存在が牙を向いたことに驚いた。後ろで魔神が去って行く姿が見えるが追うことが出来ない。

 

 

 

「アインズさん、久しぶりに会ったのにいきなり攻撃するなんて、どういうつもりだっ!?

ましてやイビルアイさんを殺すなんてっ」

 

 

「―――――――攻撃を仕掛けようとしてきたんだ・・・・・その報いは受けるべきだろ・・・・・・・」

 

 

 

 

アインズさんの様子がおかしい?

その声、雰囲気は自分の怒りを抑えきれないでいるように見える。

 

「シャルティアに続いて、デミウルゴスまで手にかけようとするとは。貴様はもはや許しておかんっ

その存在、死をもって罪を償えっ《グラスプ・ハート/心臓掌握》」

 

 

アインズが攻撃を掛けてきた。

 

いきなり攻撃を仕掛けてきたことでようやく、あの魔王に対して庇うように降り立った理由に思い至る。

 

 

 

 

あの魔人もアインズさんのNPCかよっ

それじゃ、殺してしまった虫使いのメイドもNPCか。

 

 

怒るのは分からないでもないが、即死魔法を使用するなんて。

 

気を強く持ち、即死には抵抗する。

だが、この魔法の2次効果で意識が朦朧とする。

 

その隙を逃さんとばかりに

 

「《サウザンドボーンランス/千本骨槍》」

 

無数の骨が襲ってきた。

 

 

 

HPが全快だったおかげで、幾千もの骨が襲い掛かる前に意識が戻った。

 

「《マジックディストラクション/魔法解体》」

 

襲ってくる骨を打消し、後方へ飛び下がる。

 

 

「ちょっとぉマジでストップっ確かに蟲型メイドも殺したけど、ちょっと待てってっ」

 

「この野郎っ、エントマまで手に掛けるなどっ死ねっ死ね。とにかく黙って貴様はここで大人しく死ねっ《コール・グレーター・サンダー/万雷の撃滅》」

 

 

しまった、油に火を注いでしまった。

 

まともに受けるが、もう躊躇っていられない。確実に殺す気で魔法を放ってきている。

 

回復してる場合じゃない。召喚モンスターをださなければならないが、そんなの使っている余裕が無い。

 

アイテムボックスから、ユグドラシル時代から持っている魔封じの水晶を取り出し即座に使用する。

ニグンのような建前口上などしている場合じゃない。

 

 

魔封じの水晶が砕け散り、熾天使が現れる。

三対六枚の翼を持ち、4枚の羽根で体を隠し、残り2つの翼ではばたく。

 

その瞬間、アインズが叫んだ。

 

 

”|あらゆる生あるものの目指すところは死である《The goal of all life is death》"

 

「|魔法効果範囲拡大・嘆きの妖精の絶叫《ワイデンマジック・クライ・オブ・ザ・バンシー》」

 

 

アインズの後ろに時計が現れ、針が進む。

 

 

あんなスキルは知らない。知らないことが恐ろしい。

 

ユグドラシルにも隠しスキル、特定の条件を満たさなければ取得できないクラスはたくさんある。

 

熾天使を召喚できるクラスもその一つだ。

 

だが熾天使を召喚できるクラスというのは有名で、知らない人はいなかった。当然だ。Wikiにすら知らされているほど

有名なクラスだからだ。

 

だが隠しクラスというのは、それだけに強力な力をもったものであり知られていないスキルほど警戒しなければならないものだ。

 

 

 

熾天使に全力攻撃の指示を出す。

何らかのスキルであれ、ダメージを一定量受ければ止まるはずだ。

 

そう思い、熾天使に武器を降らせ続ける。

 

この間、12秒、熾天使による10の攻撃が行われ、アインズはそのうち7回の攻撃を回避する。

 

 

信じられない芸当だ。魔法職であれば普段攻撃を回避するのではなく、盾役に攻撃を受けさせる。

避ける暇があるなら攻撃をしたほうが効率がいいのだ。

 

だが、アインズは違う。スキルを使用しながら回避行動をとる。攻撃の一つ一つを読み回避している。

 

 

12秒の時が過ぎたとき・・・・・・・・・・王国に絶対たる死が訪れる。

 

 

かなりの広範囲で、建物が、植物が、人が、家畜が、大地が、この場全てに死が訪れる。熾天使も例外ではない。

 

唯一生きているのはグレン。

 

指に嵌めてあるリングが崩れ落ちる瞬間に判断する。アイテムボックスからスクロールを取り出し瞬間移動する。

 

スクロールに込められた、上位瞬間移動が発動した。

 

転移した先で、さらにもう一枚、転移門:ゲートを開きスレイン法国へ逃げ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃げられたか・・・・・・・・・・・」

 

失敗だ。怒りにまかせて襲ってしまった。

本来であれば逃走を防止するため手を打ってから攻撃するはずだったのに。

 

ようやく沈静作用が追いつき冷静になる。

 

周囲に生命の気配は無い。

 

アインズは漆黒の鎧をまとった姿を取り、王城へと向かった。




土曜日に次話を上げて、日曜日には最終話を仕上げたいと思ってます。

読みづらい内容を書き直したいと思うのですが今の書き手の能力では無理。

最後まで書いたことだけでも褒めてくれると喜びます。

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