翌日、あの6人には会えなかった。
聞きたいことがあったのに。彼らからなら、必要な情報は引き出せただろうにと思う。
当面はやることもないので、カイレの婆ちゃんの見舞いでも行くかと思い居場所を聞いた。
カイレ婆ちゃんは、この神殿内ではなく別宅に住んでいるそうだ。
チャイナドレスを着た婆ちゃん(徳の高いはずの人物)が住む場所って・・・・こんな場所でいいんだろうか?
高い階段を上った先に左右に狛犬を一匹ずつ目の前に、ちょっとボロい神社があった。
その横に母屋に繋がる通路と小さい家。
当然、さい銭箱があり、そのうえに、ガランガランって鳴らす、あの鈴もある。
あの鈴って、なんて名前なんだろう?
問題はそこじゃない。
神社ならチャイナドレスじゃなくって、巫女服だろうっ。もしくは神主の服装すべきだと思うのに。
正直に言えば、チャイナドレスは良いと思うが、巫女服はもっと良いと思う。メイド服もいいが、巫女服には敵うまい。
良さを語ってもいいが、趣旨が外れそうなので割合する。
その前に、
場所に服装の雰囲気に合っていないと違和感しか感じない。
この国にいたと思われるプレイヤーは、様式美には拘らないのだろうか?
いや、今更だが、お婆ちゃんが着る服じゃないよね・・・・・
「カイレ婆ちゃん。掃除なんかしてて大丈夫なのか?」
あのアイテムのせいで、倒れているって聞いたはずだけど普通に竹ぼうきで掃除している。
「おや、坊やかい。何しに来たんだね?」
「戻ってから、疲れて倒れているって聞いたから見舞いのつもりできたんだけど」
「はっはは。確かに、あの装備は信仰心を失うが一時的なものじゃ。今しばらくは使えんだろうが、時期に使えるようになるわい。」
「それじゃぁ、この前捕獲したヴァンパイアは暴れたりしないの?」
「今のところ完全な支配下にはあるが、命令を下すたびに信仰心を失いそうになるでの。地下で待機させておる限りは何もせんよ」
それを聞いて安心した。
となると、カイレ婆ちゃん以外はヴァンパイアに何もできないわけか。
カイレの婆ちゃん以外が近寄るなり、ちょっかいを出すと攻撃してくるんだと。
ちょっかいを掛けたら・・・・どうなるか想像できない。
「その服はしばらく使えないなら、当面の間、自宅で過ごすんだ?」
「そうじゃな。この装備を使えるようにならない限りは出番はないじゃろ。この装備を貸し与えられる者は常に一人と決まっておる。
死なない限りは、私しか着ることはあるまいて」
「婆ちゃん。そんなことを部外者に伝えてもいいのか?」
「ふぁっはは。このくらいのことを聞かれたとしても、おんしゃ何もせんよ。坊やは、力を持っているかもしれないが善人じゃ。
でなければ、あの時に私を助けたりはしないじゃろ?あの時、放っておけば私は致命傷を負っていたじゃろう。
その隙に、装備を奪い去り逃げることもできたんじゃないか?」
そりゃ、LV差はあるけど、装備差がきつい。いや、あの隊長クラスでもLV60台くらいじゃないだろうか?
奪って逃げるくらいは出来た・・・のかな?
「無理だよ。」
「そうかい?」
「ま、婆ちゃんが大丈夫なようだし安心したよ」
「ん?どこかに出かけようとでも思ってるのかい?てっきり法国のいずれかの部隊へ入ることを依頼するかと思っておったんじゃが」
何で知っているんだ?
いや、ここで聞きたいことを聞けたから、王国へ戻ろうかと思ってたけど。
「婆ちゃんがいた部隊を護衛するって依頼を終えたんだから、せめてもの義理は果たしたし、王国へ戻ろうと思うよ」
王国に置いてきた子もいるから」
「彼女かい?」
からかう様な言い方で、小指を立ててくる。本当に老人か?
「違うっ。ちょっと身請けしただけ」(身請けだよな?)
カイレ婆ちゃんがかっかっかって笑ってたけど、そんなつもりじゃない・・・・と思う。
「生きてたら、また会いに来るよ」
「達者でな。意気の良い若い者は、これからの時代に必要じゃて。子は残すようにするんじゃよ?」
特に力を持った者は子をなすべきじゃとか言ってる。
子供は作りたいけど、相手がいない・・・・・・ガガーラン相手に子供を作れれば、良い戦士に育てられそうだけど。
無理だろうなぁ・・・・・・向こうは有名な冒険者だ。能力では勝てると思うが何故か逆らえない。惚れたか?
「出来るだけがんばるよ」
そう言って、スレイン法国をあとにした。
スレイン法国の描写が原作で少ないので、
どうしようかと悩んでたら短文になってしまった。
とりあえずスレイン法国を無事にでれたけど、読み返してみても中身薄いなぁ