いいキャラなんだけど、
どうやっても登場シーンができなかったので、せめてものとここに差し込みました。
予定外の書き足しだけど、足してみたかったんです。
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街中でかなりの騒動が起きていたのは感づいていた。
カジットに手を貸してもらい、
風化聖典から逃げる手を打つために叡者の額冠を使って、ひと騒ぎを起こすつもりだった。
「何よあれ。カジッちゃんがアンデットになった?」
死の宝珠を使いアンデットを作り出せることは知っていた。だが使用者がアンデットになるなんて。
「ん~さすがにまずいかな?ま、いっか~」
元々ここで騒ぎを起こして、追手への目くらましのつもりだったのだ。予定とは違うが十分な騒ぎは起きた。
あとは、逃げるだけだ。
「んじゃ、カジッちゃん?ばいば~い」
かつての姿形をしていない存在を見やり、ひっそりとエ・ランテルから離れていく。
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死の騎士:デスナイトを倒し、周囲からアンデットの存在が消えたことを感じる。
力任せに暴れたおかげか、何度も続いた沈静化によって完全な落ち着きを取り戻した。
あ~、しまった。思わず力任せに暴れてしまった。
街へ大した被害はでていないようだけど・・・大丈夫だろうか?
ナーベラルが近寄ってきて、さすが至高の御方。とかなんとか褒めてくる。
何度も対等の立場で接しろと言っているのにまったく聞く気配が無い。
「何、大したことは無い。それより至急、宿へ戻るとしよう」
「はっ」
そのまま、この前泊まった安宿屋へ向かう。
「モモンさん、すごかったな」
ペテルが呟いた。
「ああ、とんでもねぇや」
ルクルットが答える。
「あれが英雄と呼ばれる存在なのですね」
ニニャも答える。
「まったく、とんでもない御仁である」
ダインも答える。
漆黒の剣は、モモンの事を考える。
今回は、一緒に旅をさせて頂いたが、今後は話しかけることすら出来ないような英雄となるのだろうと思う。
「あ~君たちは、彼の事を知っているのかね?」
今のつぶやきが聞かれたのだろうか?
漆黒の剣は、声を掛けられたほうへ向きなおる。
プルトン・アインザック、エ・ランテルの冒険者ギルド責任者だ。
「これは組合長。ええ、ンフィーレアさんの依頼を一緒に受けさせてもらいました。」
「そうか。よければ、その話を聞かせてもらえるかね?」
組合長から、依頼内容を尋ねられて答えないわけにはいかないだろう。
旅の途中で、
オーガを一撃で両断したこと、
その際に、ナーベさんが第3位階の魔法を使ったこと。
森の賢王をねじ伏せて使役したこと。
ついでに、ニニャが少し怒らせてしまったことも伝えたが、モモンさんのほうから歩み寄るきっかけを作ったこと。
思いつく限りを話した。
ほう、自らの過去を貶めることを言われても、結局は許すか・・・・戦闘能力は、この一件で広められたとして、十分にアダマンタイト級の資格はありそうだ。
エ・ランテルにはミスリル級までの冒険者しかいない。
アインザックは、この都市にアダマンタイト級の冒険者がいないことを悩んでいた。
強い人物がいれば、人間種の安全性は遥かに増す。何より、英雄がいると格好良いではないか。
子供のころから英雄の冒険譚には憧れていた。物語の中にしかいない英雄にであってみたかったのだ。
だからこそ、だからこそ圧倒的強さを誇り、その振る舞いが出来る英雄の存在を待ち望んでいた。
彼らはどうだろう?
今回の恐るべき事件を解決したのだ。
ましてや、3つしかいないミスリル級のチームが1つ壊滅したほどの難易度に相当する事件だ。
依頼を受けずに、事件を対処したことを問題視する馬鹿な者がいるかもしれないが、これほどの事件だ。
そんなことを問題視する者がいるなら、逆手に取ることは容易だろう。
ミスリル級が殺される事件を解決したのだから、少なくともオリハルコン級を与えることを考えても・・・・それだけの能力は間違いなく・・・・ある。
いやあれだけ容易くクラルグラ。ミスリル級冒険者がやられてしまったアンデットを倒したのだ。
アダマンタイト級を与えることが可能では?
誰も見ていないところで恐ろしい事件を解決したと言っても、信じられる者はいないだろう。
だが、都市の人間ほぼ全てが目撃者だ。
最高位の冒険者の印を与えるには十分だろう・・・・・・・
その夜、エ・ランテル冒険者組合の主要なものの意見を集め、議論した結果・・・・・・
エ・ランテルに最高位冒険者であるアダマンタイト級冒険者が誕生したのであった。
ここで、アダマントタイトになってないと次の事件と予定に間に合いません。
ご了承ください。
出来るだけ簡単な描写を書き足してみたけど、いかがでしょうか?