モモンガ様迷惑を受ける   作:大きな像の金槌

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出来るだけ頂いたアドバイスを取り入れてみたつもり。
分かりやすくしたつもりだけど、短文の3話構成になりました。

分かりにくかったら、再度アドバイスお願いします。


11.エ・ランテル

真祖(トゥルーヴァンパイア)を捕獲した後、

当初の目的は果たせなかったが、一つの危険を排除したので無罪放免だろ?

と、言い別行動を取ることにした。

 

もちろん、真祖(トゥルーヴァンパイア)どうなるか知りたかったので、エ・ランテルで人と会ったら合流するとは伝えたが。

 

 

 

 

 

 

カルネ村から王国へ向かう途中、通り過ぎただけだったエ・ランテルへ到着した。

向かう先は魔術師ギルド。そこのギルド長、テオ・ラケシルに聞きたいことがあったんだ。

 

知りたかったことはスレイン法国に関する、もっと詳しい情報だ。

 

なにせ同行中に何を話しかけても何も答えない。

 

せめて何でもいいから言ってくれれば、想定できる最悪の戦力くらいは把握できるそうだけど・・・・

あそこで出会った少女くらいしか情報源が無いのだから。

 

 

そんなわけで、エ・ランテルに到着した。

 

 

 

 

 

 

エ・ランテルがどういう場所か、

 

三重の城壁に守られた城塞都市だとのこと。

リ・エスティーゼ王国の国王直轄地であり、

毎年恒例となっているカッツェ平野でのバハルス帝国との戦争では軍事拠点として利用されているそうだ。

そのためか、戦死者の死体が運ばれてくる関係上、墓地の広大さは近隣諸国と比べても比類なきものらしい。

 

 

という情報を、魔術師ギルド長であるテオ・ラケシルから教わった。今は正直必要ない情報だ。

 

 

 

 

 

 

「で、ただの観光ではないのだろう?」

 

エ・ランテル魔術師ギルド長のテオ・ラケシルだ。

 

「実は、先日スレイン法国に行ってきたのですが」

 

「おや、ずいぶん早く往復したのだな」

 

本来であれば、早馬で急いでも2週間はかかる。

それを10日程で往復するとは。

 

「それは、シロモフの足のおかげですよ。まぁ・・・法国に到着するなり、その日の内に出発する羽目になりましたが」

 

「例の魔封じの水晶を回収するようにとでも言われたのか?」

 

「え、それは使ってなくなりましたと伝えてあります。別件で、護衛を命じられたんですよ。護衛任務をこなせば

魔封じの水晶の件は無ということに」

 

 

実際には、陽光聖典を対してしまった件をチャラにしてもらう。という話のはずだ。

 

 

「そうか、で?聞きたいことというのは?」

 

 

先日の魔封じの水晶のおかげで、異様に親密度が上がっているらしく聞いたことには簡単に教えてくれる。

もしかすると一般的な事だけなのかもしれないが。

 

 

で、肝心のスレイン法国に関しては大したことは教えてもらえなかった。知らないだけじゃ・・・・・・・?

現地に行ったけど、ろくに相手にしてもらえないんだもん。他の人も同じなのかも?

 

ただ、ズーラーノーンという組織が存在していることを教えてもらった。

詳しいことは分かってないが死を振りまく組織らしく、もしかしたら法国の特殊部隊の一つだったりしてなって笑っていた。

 

冗談のつもりで言ったのかもしれないが、一つの手がかりになるかも?

少なくとも裏の世界で生きている組織なら、何かしらの情報くらいはもっているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、法国の情報はほとんど手に入らなかった。

いっそのこと、観光でも楽しもうと思い、エ・ランテルの都市地図を見せてもらって、墓地でも見に行こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

「シロモフ?でっかい墓地があるらしいから、ちょっと見物しに行こうか」

 

墓地というのも元の世界では貴重なものだった。

なぜかって?

そりゃ地球環境が酷くなっているのに墓場に場所をとる余裕さえ無くなっていたんだ。

人口はどんどん増えていったし、居住スペースを確保するために特殊な墓場の形態を取ることになった。

 

 

 

 

見たことが無かったから見てみたいだけなんだけどさ。観光気分だし。

 

 

 

 

時間的には夕暮れ時だ。結構長く話していたんだなぁ。

 

 

 

墓地の周辺が大きい壁で囲まれている。飛び越えてもいいんだけど正門から入りたい。

そりゃ死者が祭られている場所だ。出来るだけ正式な手順を踏みたいじゃない?

 

あれが正門かな?

おや、こんなところにも衛兵さん?いや門番さんか?

 

 

「こんばんは、中に入りたいんだけど?」

 

「こんな時間にか?夜になればアンデットが徘徊するかもしれないから危険なんだが・・・」

 

 

街中でもアンデットって湧くのか?ユグドラシルでは街中は、特定条件を満たさない限りはMobのポップは無かった。

宿屋とか、安全地帯でもなければPKはできるんだけどさ。

 

適当に言い訳を考えて

「戦争で亡くなった人がここにいないかと思って、少しでいいから見てみたいんだけど」

 

 

 

嘘は言っていない。知り合いがとか、友達、家族とは言っていないんだから。

 

 

 

「仕方ないが、早めに戻れよ?その魔獣に乗っているなら平気だろうけどさ」

 

 

門を開けてもらえた。

 

「ありがとう、なるべく早く戻るよ。いざとなったら壁を飛び越えるから大丈夫」

 

「その魔獣ならできそうだな」と衛兵さんも笑っていた。

 

 

 

ん~、墓地って雰囲気だねぇ。アンデットがちょこちょこと湧くのかと思っていたけど本当に普通の墓地だ。教科書で見た通りの墓地だ。

 

 

 

「ご主人さまぁ?何か話声がするッす」

 

何も聞こえないけど、この子なら聞こえることもあるだろう。

 

あの建物から?

 

結構進んだ先に神殿があった。霊廟っていうのかな?

 

 

ちょうど誰かが出てきた。

 

きったない変な石を握ったローブ姿の顔色が悪い老人?と顔を隠した4人の姿が見える。

 

 

「こんちわ~、ここって霊廟でいいんですか?」

 

とりあえず話しかけてみた。

 

 

「貴様は何者だ?」

 

ここが何か尋ねたのに、いきなり、なにもの扱い?せめて、

 

 

ここは霊廟ですよ。で、そちらは?

 

 

くらいは言って欲しいものだ。せめて質問に答えてから、質問してほしいものだが・・・

 

 

「せめて質問に答えてから質問してほしいんだけど。ただ単にここを見学しに来ただけだよ?」

 

「ふん、ならすぐに立ち去るがいい」

 

だから、ここが何か言えって言うのっ

 

「そう言われると余計に気になるので、ちょっとお邪魔します」

 

 

 

 

そう言って建物の中に入って行こうとしたら・・・・何もされなかった。

 

 

 

 

 

 

ただの建物か。教科書でも言葉くらいしか載ってなかったし何も意味はないんだろうなぁ。

あ、魔法がある世界なんだから、元の世界に比べて信仰心は高いのかも?坊主頭だったから、この人はお坊さん?

坊さんが必ず頭を剃っているわけじゃないけど・・・・

 

 

「見学させてもらいましたが、何もありませんね」

 

「分かればさっさと立ち去れ」

 

 

この世界の坊さんは(もう坊さんで確定でいいや)人を上から見るような雰囲気をするものなんだろうか?

 

「それでは失礼」

 

雰囲気が怪しいので、遠くからこっそり見張ろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見えなくなってから、不可視化の魔法を使う。

 

 

 

 

そっと近づいてみると、???あの汚い石に力を込めている?

何の意味があるんだ?

 

さらに近づいてみた。ばれる気配は無い。

 

ならばと、この石に触れてみる。

 

頭の中に、死を振りまくような理解できないが理解できる言葉が頭の中に響いてくる。

 

 

思わず掴んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるっせぇぇっぇぇぇぇっぇぇぇっぇっぇっぇぇっぇぇ」

 

思わず投げ飛ばした。その途端、不可視化の魔法が解けてしまった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、貴様何を、いやお前はさっきの、いや、そんなことはどうでもいい」

 

 

さっきの爺さんは飛行(フライ)の魔法を使い、投げた方へ飛んでいった。

 

 

ああ・・・いくらなんでも投げ飛ばしたのはまずかった・・・・かも?さすがに非常識だったか。

 

 

 

あの爺さんの取り巻きは、おろおろとしている。何やらどうしようと迷っているようだ。

 

 

 

 

どうしようかなぁと思っていると、霊廟の奥からアンデットが次から次へと湧き出してきた。

 

 

 

 

 

「スケルトンなら、まだ我慢できるけど、ゾンビ系はやめてくれっ。気持ち悪いわぁぁあぁ」

 

 

 

あまりの気持ち悪さに逃げ出してしまった。

 

 

 




カジットさんの心理描写を省いて、描写を増やしたつもりだけど・・・
どうでしょう?

だけど、リアルでみたら絶対にゾンビは怖いと思う。
バイオハザートを初めて
プレイしてコントローラーを投げそうになった時を思い出します。

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