職員日記   作:りんご飴

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久しぶり過ぎて笑えない。
というわけで例に則り短い。それにどんな風に書いていたか忘れ気味です。



第12話

 

 

 

 

/月/日

天気:知るか、そんなもん

 

ギョウカイ墓場から帰ることが出来ずに彷徨い続けて幾星霜(嘘)。実は半日ほど。そろそろ身体が空腹を訴えるのもやめてきた頃だ。人間体重、40kg切らなければ生きてられるって先生が言ってた。今の体重が62kgなので22kgの猶予がある。

 

さて、まずは女神様達の誤解を解かねばならない。なんか理不尽な感じだったけどね。というか、周りの期待が重すぎて、それに応えようとして必死になるとさらにハードルが上がるという無理ゲー。そろそろハードルというより高跳びの領域ですよ?最後は棒高跳びくらいまで行っちゃうのかいな。

 

それにしても腹が減った。

つい先ほどもモンスター相手に戦闘をしたところだ。カロリーばかり消費されていく。ついでに銃の弾も。もう、弾倉が二個しかない。

 

 

 

 

 

……………モンスターって喰えるのだろうか?

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

ネズミ界のアイドルことワレチューは戦慄していた。

いつの日か工場の同僚として働いていたアレン・エドワードが鳥型のモンスターに噛み付いている現場に遭遇してしまったのだ。

 

「な、なにしてるっちゅか!?」

 

無理やり噛み千切ったのだろう。モンスターの一部が欠損していた。渋い顔で咀嚼していたアレンがこちらを向く。

 

「む、君はいつぞやのネズミ君じゃないか。こんにちは」

 

「いやいや、なに冷静に挨拶してるっちゅ!なにやってるっちゅ!?」

 

「なにって、見ての通り食事だ」

 

そう言って彼は手に持っていたモンスターを見せる。だが、それは砕けるように消えてしまった。HPが尽きたのだろう。

 

「あ、飯が……」

 

残念そうな呟き。

ぐぅ、とアレンの腹は空腹を訴え続けていた。俯いていたアレンが顔を上げ、自分と目が合う。

 

ゾッとした。

蛇に睨まれた蛙。獅子の目の前に放られたウサギ。猫に追い詰められた鼠。自分が被食者になる、そんな恐怖がワレチューを支配した。

 

「ぢゅーー!!オイラは食べても美味しくないっちゅよォ!!」

 

「いや、流石にネズミは汚い」

 

 

 

閑話休題。

 

 

「こんなところで何してるちゅっか?」

 

ワレチューの持ってきたレーションを頬張るアレンに問た。

 

「それがかくかくしかじかでな」

 

「なるほど、まるまるうまうまっちゅか」

 

「………………」

 

「………………真面目に話せっちゅ」

 

「はい」

 

そしてアレンは説明した。それはもうギョウカイ墓場に取り残される経緯どころか、そもそもどうしてギョウカイ墓場に来たのか、さらに自分がどれだけ苦労をして執政官をしていたのかまで。

己がどれだけの理不尽なほどの誤解と勘違い、そして期待に苛まれてきたのかをそれはもう、事細かに説明した。

 

聞くも涙、語るも涙。

実際、半泣きになりながらもアレンはワレチューにここ数年の己について語った。そしてそれを聞いたワレチューもまた、涙を流した。意外と彼は情に厚いのだ。

 

つまり、ここに漸くアレン・エドワードは己の理解者というものを手に入れた。自身の不遇を嘆くだけでなく、それを聞き、辛い想いだけでも分かち合うことの出来る友を得たのだった。

 

 

 





何も進んでいない。

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