ソードアート・オンライン episode of Ds 作:天界の片鱗
このペースとやる気ならバカテスの方にも力いれろよ!って話ですが……
ではスタートです
セーフティ解除!!
この瞬間を待っていたんだ
デュオとヨウムは、はじまりの街へと強制転移された。
二人の周りには数多のプレイヤーが一同に集結している。
「何が起こってるんでしょうか...?」
「さっき確認したバグについてじゃないか?」
隣でヨウムが不安げに呟いたので今起きている事の説明がこれから行われるのではないかと伝えたデュオ。
周りのプレイヤーたちも二人同様、最初の一瞬又は数秒程度は黙っていたがやがて少しずつざわざわと喋り出した。
「どうなってるの?」
「やっとログアウトされるのか?」
「無能GM乙」
あちらこちらで色々な声が聞こえてくる。
この事から俺たちだけに不具合が起きている訳ではないとデュオは独り納得する。
話からしてここにいる全員が全員、ログアウトが不可能なのだろう。
すると突然、上空に『warning』という文字が表示された。
それと同時に赤い液体のようなモノから顔の部分だけが黒く塗り潰されたローブを被った人の様な何かが現れた。
こんな事が出来るのは運営くらいなものだろう。
周りの皆も一人一人思ってる。
ログアウトボタンが無いことについてのお詫びだろうか?
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
突然独りでに語り出した赤いローブ
俺はこれからゲームのセレモニーでも強制的に始めるのではないかと内心思った。
だが、次の言葉が語られるまでは...
『私の名は茅場晶彦。今やこの世界をコントロール出来る唯一の人間である。』
「馬鹿な茅場晶彦だと!!?」
「え…茅場って、このゲームを創った!」
赤いローブの正体がSAOの製作者
"茅場晶彦"本人だと発せられると周りのプレイヤー達は発狂まではいかないものの皆同じように驚いていた。
勿論、俺も隣のヨウムも驚いてる。
『プレイヤーの諸君らは既にメインメニューからログアウトボタンが消滅している事に気づいてると思う。しかし、これはゲームの不具合ではない。繰り返す。不具合ではない、これは『ソードアート・オンライン』本来の仕様である。』
(アイツは何を言っているんだ。不具合じゃない?......本来の仕様...だと!?)
『諸君らは自発的にログアウトすることは出来ない。また、外部の人間の手によるナーヴギアの停止、または解除もあり得ない。もしそれが試みられた場合、ナーヴギアの信号素子が発する、高出力マイクロウェーブが、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。』
「嘘だろ!」
「ふざけんな。冗談じゃねえぞ!?」
周りで騒いでいる者達の発言はナーヴキアの構造を知らないから又はただただ信用して無い者の多数だろう。
だが、俺は今の話が事実であると直感した
「ナーヴキアにそんな事が出来るものなんですか?だって只のゲームをする機械じゃないですか?」
「いや、残念ながら可能だ。ナーヴキアの原理は例えるなら電子レンジと同じなんだ。リミッターさえ解除しちまえば、脳を焼き切るなんて簡単な事だ。」
ヨウムは今最もな疑問をぶつけてきたが、ナーヴキアの内部構造を理解してるデュオが左右に首を振り、分かりやすい様に否定した
「で、ですが!?停電など不慮の事故で電気の進行を妨げる事が起きたら、停止するのでは?」
『まだ可能性はある』と微かな希望を抱くヨウムだが、デュオは再び彼女の希望を打ち砕く
「それでも可能なんだよ。ナーヴキアの持つ全体の重さの3割程度はバッテリーセルって代物が内蔵されてやがるんだ。耳にした事はないか?」
「そんな・・・事って・・・」
ヨウムは今にも消えそうな言葉と共にその場に崩れ落ちる
その後も茅場から説明が続けられた。
第百層までクリアしなければログアウトの不可、自分たちのライフ・・・
この報道が信じられないと思い、叫んでいる者も少なからずいた。だが、茅場晶彦だと言う赤いローブがウィンドウを出した。
その瞬間、皆が皆この話が真実であると思い知らされた・・・・・・
『───。では最後に、諸君らに私からのプレゼントを用意した。アイテムストレージを確認してくれたまえ』
その言葉と共に俺達は一斉にメニューウィンドを開き、アイテムストレージを確認した。そこに表示されていたのは1つの《手鏡》だった。
訳もわからず取り出して覗きこむが、これに一体何が?
っと疑問に思った。
すると、手鏡が突然光り出した。
「何だ!?」
光りは瞬く間に俺の身体を包み込む。周りでも同じように光りに包み込れている事が少なからず確認できた。
少して光りは徐々に消えていく。
「どうなってんだ・・・一体??」
「デュオさん、だいじょう・・・ぶ・・・です・・・か?」
「あ、ああ。俺はなんともない。ってか・・・お前・・・ヨウムか?」
「そちらこそ・・・デュオさん・・・ですか!?」
俺に声を掛けてきた者の方を向くと、そこに居たのは黒いリボンを着けた銀髪の少女だった。
先程までとは若干違って髪の長さが異なるがヨウムだとわかると、すぐに手に持った手鏡にもう一度顔を向けてみた。
「俺がいる・・・」
するとそこに写っていたのは、茶髪で腰に届く?くらい長く伸ばし、髪を三つ編みに束ねた良く知る現実世界の自分だった。
別に意識的に千葉県を舞台にした人気のアニメ作品の名前をわざと口に出した訳ではないことをわかって欲しい・・・・・・
『それでは、チュートリアルを終了する。諸君らの健闘を祈る。』
その言葉を最後に茅場晶彦であろう者の姿は消え、直後に広場全体は混乱した。
家族、友人、恋人の名前を叫ぶ者、泣き崩れて悲鳴をあげている者、現実を受け入れられず固まっている者
っと様々なプレイヤーが辺りを占める。
俺だって内心騒ぎたい。
現実は一度切りのモノだ。だがゲームは…ゲームの世界だけは違うと小さい頃から今まで思っていた。
例え死んだとしても何度でも蘇る事が出来るモノ。それがゲームの鉄則なのに!
奴は、茅場晶彦はゲームを現実として置き換えた
死んだら終わりのVRMMORPG
「ふざけんなよ!ここから出せよ!!」
「誰か助けて!!」
「お前、男かよ」
「ウホッ いい男☆ ヤ・ラ・ナ・イ・カ?」
後半の方は聴こえなかった事にしよう・・・・・・
「ヨウム・・・悪い、ちょっと来てくれ」
「は、はい」
俺はヨウムを連れ街の離れに移動した。
「聞いてくれ。これからしばらくこの街は混乱が続く筈だ。俺は直ぐにこの街を出て、次の村へ向かう」
まだ知り合って間もないのに、これからについて懸命に語りだすデュオ。その醸し出す雰囲気に呑まれたヨウム。
「奴・・・茅場晶彦が語った事は、全て事実だ。なら俺たちがやる事は一つ、このクソったれなゲームのクリアだ。ゲーム初心者のヨウム・・・お前はわからねえと思うが、MMORPGに限らずこの手のゲームってのはプレイヤー間のリソースの奪い合いなんだ!」
「リソース・・・ですか」
「そうさ。システムが供給する限られた金とアイテム、経験値を多く獲得した奴が強くなれる仕様だ。」
「と、言う事は・・・もしかして・・・・・・!」
「ああ。βテスター達は真っ先に動く。このはじまりの街の周辺フィールドでは同じことを考える連中に仮尽くされて、直ぐに枯渇するだろう。モンスターのリポップをひたすら探し回るハメになる。今のうちに次の村を拠点にした方がいい。俺は道も危険なポイントも知ってる・・・だからレベルが低くても安全に辿り着ける筈だ」
「ッ!!・・・・・・同行したいですが・・・・・・友人と一緒にこのゲームを並んで買いましたから。その人もログインしてさっきの広場にいる筈なんです。だから・・・置いてなんて行けません・・・」
ヨウムはこの世界に現実での友達がいる筈との事で着いて行けないと誘いを断った。見た目通り、友達思いの優しい娘なんだと俺は思った。
「わかった・・・・・・・じゃあヨウム、俺は行くぜ。何かあったらインスタントメッセージ飛ばしてくれ」
「はい、分かりました。ではまた」
「ああ、またな」
俺は走って街をあとにしようとしたが
「───デュオさん!」
後ろから急に俺の名前を呼んだヨウム。何かと思い、彼女の方を振り向いた。
「私も直ぐに、デュオさんのあとを追い掛けますから!」
彼女の瞳は何かを強く決意した眼だった。広場の連中とは違う。彼女なら、絶対に大丈夫だろう
「おう!・・・・・・それと『デュオ』って呼び捨てでいいぜ。」
「わかりました・・・デュオ!」
俺はヨウムに別れを告げ、街をあとにした。───────────────────
1話1話短くてすいません
長く描けたらいいな~っと思うんですが難しいです。
本編でのキリトの台詞をちょっと弄りデュオの台詞として使いましたが、安心してください!
キリトも出ますよ!
今回は東方projectの魂魄妖夢を出してみました。
妖夢は幻想郷の方で刀を扱ってるので、場違いではないとは思ってます。(今の層では片手剣ですが、後々にでも)
あっちでは半人半霊ですが、こっちではちゃんとした人間です。
喋り方が違うこともこれからあると思いますが、出来る限りそれらしい様に頑張ってみます。
後は《みょん》って何処かしらで使ってみたいですね。
タグでは『デュオ×ユウキ』ですが、何かヨウムでもいい気がしてきたな(笑)
まぁそれは置いといて
現実で妖夢と一緒にゲームを買ったのは、一体誰なのか?
妖夢の傍にいる人?っと言えばあのニーt ゲフンゲフンですが!
そう事はうまくいきませんよ(笑)
では、また次回お会いいたしましょう
失礼します。