ガンダムビルドファイターズ Evolution 作:さざなみイルカ
この大会の歴史を語る上で、次の3つのポイントは欠かせない。始まりである第1回大会、アリスタ事件と共に記憶される第7回大会、そして、この大会の大きな節目となった第20回大会。
“ラグナロク”という別称を持つ第20回大会は、様々な“終わり”を含んでいた。
まずは開催地。
毎年静岡県静岡市で開催されていた本大会だが、近年アジア圏における愛好家人口が日本国内を大きく上回っている事実を受け、第21回以降は東亜民主共和国で開催されることが決まっていたのだ。
次に、大会のルール。
第20回大会開催に先立つ同年の1月、ヤジマ商事は同系列のグループ企業をまとめる持株管理会社“ヤジマ・ホールディングス”を立ち上げた。その際、ガンプラバトル関連の部所を傘下企業として独立。GーNEXT社が誕生したのである。
GーNEXT社設立の記者会見時、代表取締役に選ばれた時雨津波氏は、今後の会社方針を述べるより先に新商品を発表し、マスコミ陣を驚かせた。携帯ガンプラバトルシステム、コマンドデバイザーである。
翌年に発売されるその機器が、第21回大会以降ガンプラバトルの公式システムになることも、その時発表された。そのため第20回大会は、それまで公式システムとしてガンプラバトルを支えてきたヘクス卓上型システムで行われる、最後のガンプラバトル選手権世界大会でもあった。
また、この大会の開催前後の国内ガンプラブームの勢いの変化も、“ラグナロク”と呼ばれる理由のひとつでもある。
この大会以降、日本におけるガンプラの売上実績は下がる一方だった。最大の原因は、ヤジマ商事が保有していたプラフスキー粒子の特許が2年前に切れたことにあった。
プラフスキー粒子の原理が市場に解き放たれたことにより、それ以降、“粒子対戦玩具”と呼ばれる新手のボビーシリーズが市場を大きく席巻し始めていた。特に、『モンスターブリード』『聖剣大戦記デーゼグレイル』『コミッククロス』の3つは、新しい世代のシェアを獲得し、市場におけるガンプラバトルの驚異となっていた。
「特許解放後のガンプラバトルの未来が明るくないことを見越したヤジマ商事が、リスクヘッジのためにGーNEXT社を立ち上げたのではないか」。ある識者はそんなことをテレビで語っていたりもした。
若者の“ガンプラ離れ”現象が世間に広く認知され始めたのは、この第20回大会の後だった。そのためこの大会を、第2次ガンプラブームの終わりと位置付ける人も多い。
開催地、バトルシステム、ブーム。様々な“終わり”を含むこの大会を、全てのファンに“ラグナロク”として印象付けさせたのは、その大会の優勝者だった。
低い身長に、高い声。フードにキャップで顔を半分以上隠した少年。ダッチボーイ。
粒子バリアやアブソーブシステムなど、粒子変容を応用した武装が主流となっているその大会にあって、誰にとっても未知の技術を駆使し、大戦相手を圧倒していくその腕は、初出場にも関わらず優勝候補として目されていた。
誰も彼の使うガンダムシュピーゲル・ゲシュペンストの機能を攻略できず、無念の涙を飲んだ。決勝戦を戦った者でさえ、歯が立たなかったのだ。
その戦い方は鮮やかだが詭謀的で、対戦相手をまるでからかうような立ち回りだった。しかし、その底知れない実力と、誰もの想像を上回る粒子変容技術とが、そこに備わっていたので、ただの愉快犯ではなかった。
例えば、予選第1ピリオドの勝ち抜き戦。
宇宙空間。タイタニア、アルヴァトーレ、ヤクト・ドーガの3機と対峙したゲシュペンストは、開始早々集中攻撃を受けた。
まず2種類のファンネルが襲いかかり、閃光の嵐を抜けて来たところを巨大粒子ビーム砲がそのシュピーゲルを飲み込んだ。
あわや即死かと思われていたが、特殊シールドで身を守っていたため無傷だった。
そこまでは予想されていた展開だが、次の瞬間誰もが目を疑った。
ゲシュペンストの身を粒子が包み、みるみるその姿形を変化させた。出来上がったその姿は黒いアルヴァトーレだったのだ。
「私の機体だと!?」
アルヴァトーレを使っていたドイツ代表の選手が言った。その次の瞬間、瓜2つの敵機の奇襲に、大打撃を受ける。
シュピーゲルとは、彼の母国語で「鏡」を意味する。アルヴァトーレに化けたゲシュペンストは、正に鏡だった。
「私とお前、どっちがこの機体を上手く扱えるかな」
ダッチボーイはそう呟いた。挑発なのかもしれない
アルヴァロンに分離したドイツ代表は、すぐに反撃を開始する。しかし、GNファングと巨大アームの猛攻で両腕を奪われ、最後は自爆特攻攻撃であえなく撃墜された。
「バカな」
「一体どうやって、機体を変身させたの……?」
爆炎の中を脱出してきた黒いアルヴァロンを凝視して、残りの二人は唖然としていた。
「どうした、終わりか?」
「くっ……!この、モノマネ野郎がぁぁぁぁ!」
ビームサーベルを構えたタイタニアが、黒いアルヴァロンに立ち向かう。ダッチボーイも、同じサーベル系武器で迎えうつ。
2つの光刃が、交じりあった。その時、ゲシュペンストの姿は再び変化する。今度は漆黒のタイタニアだ。
「俺の機体まで!?」
力の限り色の異なる敵機を押し退けた、タイタニアの操縦者。無重力空間を滑る鏡の幽霊を、持てる武装の全てで砲撃する。
彼の表情から滲みでる絶望は、自機に対する自信の裏返しであった。もしも性能までコピーされているとしたら、その機動力には彼の技術の粋が詰まっているはずだ。
そうじゃない。そんなはずがない。そう自分を盲信させるように彼は閃光を放ち続ける。
しかし刹那、一筋の光軸が白いタイタニアの急所を撃ち抜く。漆黒の愛機を目の当たりにしながら、彼は敗北を飲み込んだ。
「さて」
漆黒のタイタニアは振り向く。目線の先には、赤と銀のヤクト・ドーガ。
「あとはお前だけだな」
「ひっ……!」
ヤクト・ドーガを操る女性ファイターは動揺せずにはいられなかった。ダッチボーイの機体は、恐ろしい以上に不気味だったのだ。
今度はヤクト・ドーガに化けて自分に襲いかかることだろう。
「どうした?向かってこないのか」
挑発には乗らない。というより、どう攻めればいいのか見えてこない。
迷った末、彼女は後退した。
先の二人は自分から仕掛けて潰された。迂闊なことはできない。ここは、逃げ回り敵の出方を伺いつつ、あの変身能力の仕組みを洞察するのが、一番懸命だ。彼女はそう判断した。
それに、彼女のヤクト・ドーガのシールドには、ある仕掛けがあった。
時間が経過する毎に、空気中のプラフスキー粒子を取り込み、シールド内に温存できるのだ。温存した粒子には、二種類の使い方がある。一発のメガ粒子砲の威力を高めるか、バリアを形成して一定時間あらゆる攻撃を弾くか。
後者を使った時、攻撃を受けたバリアは外側に電撃を放出する。すると、至近距離にいる敵の行動を数秒停止させることができる。もし電撃に敵を引っかけることができれば、彼女にも勝機はあった。
女性は、敵が接近攻撃してくるのを望んだ。
「逃げてくれるのか。面白いな」
ゲシュペンストは変身を解き、元のガンダムの姿に戻った。
「だがベタだ。もう少し捻りが欲しい」
背負っていた長柄の武器を取り出す。先端に大きな刃のある大刀だ。
女性はその姿に希望を見いだす。接近攻撃を仕掛けてこれば、勝負の流れを掴める。
ゲシュペンストは飛ぶ。速い。
ヤクト・ドーガはシールドを構えた。そしてタイミングを見計らい、秘策を発動させる。間もなく、展開された球状のバリアがヤクト・ドーガを包み込む。
大刀を薙ぐゲシュペンスト。バリアと刃が、接触した。
「よし!もらっ……」
歓喜の声を上げようとしたのも束の間。
バリアは薄い硝子のように砕け、シールドと腕、そして胴体までも大刀に切り裂かれた。
「え?」
何が起きたのかわからなかった。
真っ二つになったヤクト・ドーガは一瞬、空間を漂い、そして四散した。
その爆風に背を向けゲシュペンストは、大刀を肩に掛ける。1分と経たず試合は終了した。
「つまらない戦いだったな。誰も、私の計算を越えてくれない……」
ダッチボーイはそう言い残して、バトルフィールドを後にした。
彼こそ、後に第24回大会まで5連続優勝を果たし、七代目メイジン・カワグチの名を継承するガンプラファイターなのである。
彼のガンプラはどこか虚ろで、それでいて絶対的だった。そんなゲシュペンストがひと傷も負わず連勝していく様は、実態無き夢魔がプラフスキーの世界を食い潰していくようにも見える。
そのインスピレーションこそ、第20回大会をラグナロクにまで仕立て上げたのだ。
ラグナロクを境に、ガンプラバトルは変わった。次の章では、そこから現在にいたるガンプラバトルの変遷について述べていこう。
~ガンプラライター松葉昭典著『ガンプラバトルの30年』より~
《⑤》
ゴールデンウィーク3日目。ほのかはGーMAXを訪れた。
暇だったのだ。
ミコトは今日は何か予定があるらしく遊べないし、両親は何処かに出掛けていて家にいない。昨日財布の中身を殆ど使い果たしてしまったので、小遣いもない。あるものと言えば、家と高校の最寄り駅を繋ぐ定期券くらいである。
「あ、まどか」
「なんだ、お前か」
振り返ったまどかは、持っていたペットボトルの先端を口につけて、コーラを流し込む。
「何してるの?」
「決まっているだろう。バイトだ。バイト」
レジカウンターの卓上でポーズを構える、1体のガンダム。V型の頭部に、折り畳まれた赤い翼。漆黒の塗装が施されたその滑らかな機体表面からは、見事な光沢が放たれている。
「さすがは、まどかさん。相変わらず素晴らしい出来です」
ガンプラバトルを辞めたまどかだが、時々この店の2階にある製作室を借りて、ガンプラを作る。店長を介して依頼された品を組み立てて、小遣いを稼いでいるのだ。
元メイジンとだけあって、彼女の製作したガンプラは評判がとても良い。大抵は他店の展示用に使われるが、販売用で依頼を受ける場合もある。ただし、それがかのダッチボーイの手製であることは、依頼者は知らない。
彼の正体が彼女であることを知っている者は、友里家の人間以外だとごくわずかだ。店長も、その1人である。
「まどかってさー、どうして自分がメイジンだって隠してるの?」
「元だ。元メイジン」
「せっかく有名になれたんだから、名前明かせばよかったのに」
「そしたら色々と厄介なことになる。家にファンの大群が押し寄せて来たり、家の電話にマスコミの取材依頼が殺到したり、色々とな」
「そっか」
ガンプラ自体のブームは、爆発的だった10年以上前と比べて減退しつつあるが、それでも有力なコンテンツの1つとして数えられていた。そして、齢10歳で世界の頂点を極めた少年(本当は少女)ともなると、世間が放っておくはずがない。
晒し者になるのを、まどかは避けたかったのである。
「どうしてまだガンプラ作ってるの?辞めたんじゃなかったの?」
店長から依頼料を受け取るまどかに、ほのかは問う。
「辞めたさ。これは好きで作っているんじゃない。金のためさ」
レジカウンター前の席に腰を下ろすほのか。
「どうせ、コーラくらいにしか使わないでしょ」
「そんなことはない。私の発明には金がいるんだ」
「ふーん。発明よりも、ボクのユーちゃんのお家直してよ」
ほのかは持参したバックから、ユーモ・アッガイ庵を取り出して姉に見せる。まどかは椅子に腰を降ろし、一度はその玩具を眺めるも、すぐにほのかに返した。
「修理代は5000円だ」
「ええっ!?お金取るの!?」
「当たり前だ。私がボランティアなんて殊勝な行為のために、自分の腕前を使うと思ったか?」
「いいじゃん、たった一人の姉妹のよしみで直してよ。タダで」
「やだね。……ところでお前、昨日あのハロの友達と遊んだんだよな?」
「そうだよ。ハロも連れてきてた」
「正常に動いていたか?」
「バッチリだよ」
「だったらお前にこれをやる」
まどかが妹に渡したのは1枚の紙切れだった。¥マークに、7200という数字が並んでいる。
「ハロの修理代」
「ええっ!?そっちも請求するの!?このオニ!アクマ!」
「この世の中タダより高いものはない。無料だと思うものに、意外と高値がついてたりするのさ。優しいお姉ちゃんは、無垢な妹にそれを教えてあげている」
「本当に優しいお姉ちゃんは、可愛い妹にお金なんか請求しませんっ!!」
カウンターに請求書を叩きつけて、抗議するほのか。
すると、店の自動ドアが開き、来店を示す短い機械音が鳴る。
3人の客が店内に足を踏み入れた。
「あ」
皮ジャンに指貫グローブ、エアリーヘアー。城ヶ崎だった。
「あ」
その左右には、体格がそれぞれ異なる2人の男子。そのうちの背の低い方とほのかは、面識があった。もう片方の、肥えた作務衣姿の方とは会ったことがない。
「あーーッ!てめぇは、友里ほのか!」
宿敵(?)と鉢合わせた城ヶ崎フォースのリーダーは、指差して声を上げる。彼も、連れの2人も、腕にコマンドデバイザーをしている。どうやら、仲間内でバトルをしに来たようだった。
「やっほー♪」
敵意をもつ相手とは対照的に、親しい挨拶を投げ込むほのか。
「バトルしにきたの?えっと……じょ……じょ……あき竹ジョー君」
「女優じゃねーよっ!いい加減名前覚えろっ!」
すると、まどかが問いかけてきた。
「誰だ、この愉快な男子は」
「学校の友達で、銀河万ジョー君っていうの」
「ギレン・ザビでもねぇわっ!なんでジョーが名前に固定されているんだよっ!そして、友達でもねぇッ!」
まどかは言う。
「お宝?」
銀河万ジョーは応える。
「ドッカーン!……って何やらせんだよ!」
「面白いな。この波乱万ジョー」
「完全に悪ノリ始めやがった!てか、誰だよお前!」
「私か?私は、ほのかの姉の友里まどか。6月13日産まれで血液型はAB型。趣味は因数分解。好きな動物はウサギ。スリーサイズも教えようか?万ジョー」
「いらん!てか、万ジョーじゃねぇ!城ヶ崎!城ヶ崎進だ!」
「ガンプラバトルしにきたんだよね?ボクも混ぜて、万ジョー!」
「お前覚える気ゼロだろ!」
彼の傍らにいる作務衣を着た男子が、彼の肩を優しく叩いた。
「まぁまぁ、落ち着くでゴワス。明日の万ジョー」
「お前まで乗るなよ!収拾つかなくなるだろ!てか何だよ、明日の万ジョーって!ボクシングか!」
「君は?」
「おいどんは碇ドン助。友里殿でゴワスな?会えて嬉しいでゴワス」
握手を求めるドン助。ほのかも、それに応じる。
「ほのかって呼んで。ドン助くん」
「くそぅ。ドン助の名前はすぐに覚えやがった」
「ドン助の名前は覚えやすいじぇ」
山田だけが、城ヶ崎の不服の呟きに答える。
「ところで、ほのか殿と姉君はよく似てるでゴワスな」
蒼い瞳の二人を見比べて、彼は率直に感想を述べる。
「ボクたち双子だから」
「お前双子がいたのか」
二人は顔こそ瓜二つだが、それ以外はまったく違っていた。ほのかはショートボブなのに対して、まどかの髪は腰元まで伸びている。妹は裸眼なのに、姉は眼鏡。
ファッションも異なっていた。ほのかはボーイッシュで中性的な身なりだが、まどかは女性らしいイメージを基調としたお姉系の服を好んでいた。
「ところで、ほのか殿はノーベルガンダムを使っているそうでゴワスな。見せて欲しいでゴワス」
「いいよー♪」
ほのかはバッグから自分の愛機を取り出し、ドン助の大きな手にそれを委ねる。
妖精の名を持つその女性型ガンダムを、作務衣姿の彼は
「ウ~ム、間違いない。これは本物でゴワス。実に美しい」
感無量のドン助に、それを作った本人は悪戯っぽく問いを投げた。
「ほぅ。お前そういうガンダムが好きなのか」
「おいどんは数あるガンプラ作品の中でも、七代目メイジン作品が大好きでゴワス」
「良い趣味だな…」
ドン助は改まってほのかに顔を向ける。
「ほのか殿。これをおいどんに譲ってはくれないでゴワスしょうか?」
「えっ?」
「七代目メイジンはあまり人前に姿を見せず、その正体も謎に包まれたまま。作品集なども出版していないために、ファンにとって現物は喉から手が出るほど欲しいでゴワス。なので頼む、その機体をおいどんに譲ってくだされ」
隣に当人がいることを彼は知らない。
ほのかはそのことを教えたかったが、姉の意向を無視できなかった。それに、彼の打診に返答しておきたかった。
「ダメだよ!フェアリーは大事な機体なんだから!」
「もちろん、タダで……というわけではないでゴワス。買い取りという形でどうでゴワしょうか?」
その言葉に反応したのはまどかだった。
「ほぅ、いくら出すんだ?」
「30万出すでゴワス」
「ええっ!?」
その額に、ほのかだけでなく、城ヶ崎や山田も驚いた。
「ささささ、30万っ!?正気かドン助!?」
「
「高校生のやることじゃねーだろ…。てか質入れとかできるのかよ…」
「よし、乗った。代金は私の口座に振り込んでおいてくれ」
「ちょ、まどか!?勝手に決めないでよ!これボクのなんだから!」
「何を言っている。私はフェアリーをお前にやった覚えはないぞ?店長を介してお前に渡しただけだ」
「何よ、その子供みたいな屁理屈!」
「屁理屈も理屈の親戚だ。悪く思うな」
G-MAXのレジカウンターで、勃発する
「まぁまぁ。だったら、ガンプラバトルをして、おいどんが勝ったら買い取りというのはどうでゴワしょう?」
「でも……」
「フェアリーを手放したくないほのか殿には、おいどんが改めて新しい機体を用意するでゴワス。メイジン作には及ばないにせよ、それなりに上等なガンプラを用意するでゴワス」
「まぁ、それならいいかな。で、ボクが勝ったら何してくれるの?」
「万ジョーを1日貸し出してやるでゴワス」
「くぉらッ!なんで俺が巻き込まれるんだよッ!」
「乗った!」
「乗るなぁぁぁぁッ!」
◇ ◆ ◇ ◆