東方大戌伝   作:-褌-

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伍 成果

悪いが修行の場面は飛ばさせてくれ

どうせ見ても意味ないだろ?

犬一匹が頑張って喋ろうとしたり、妖力をある程度扱えるようになったり

俺だったら見ないね。

ということでここは飛ばさせてもらう。

 

_______________________________________

 

~修業が始まってから早10年

 

普通の犬なら少し老いてきたかな?って感じの年頃だが俺の場合は...

 

 

「ダメだ...妖力の底が尽きる...」

 

まだ元気です。

 

まぁ、上を見たらわかる通り修行の御蔭で俺は普通にしゃべられるようになった

声は普通の青年男性くらいの声だ

 

出来ることになったと言えばもう一つある

これも上記の通りだが妖力をある程度扱えるようになったのだ。

大体ほかの妖怪ができる程度のことは出来る。

その証拠と言っては何だが俺はこの辺じゃあんまり負けない、あんまり

 

まぁ、ここまで強くなれたのは修行相手のせいでもある。

俺を修行してくれていたのは鬼だ

その鬼なんだが...

どうやら鬼という妖怪はそのカテゴリの中で最上位にいる存在らしい

 

なら何故この鬼が自分に修行をつけてくれたか

それを何度も俺は彼女に聞いたのだが毎回決まってこういうだ

 

「助けるのに理由はいらないでしょ?ただそれだけよ」

 

だが俺には分かる、こいつは何か隠している

でもあんまり深く問うと後が怖いのでいつも聞いていない

 

 

あ、今さらだけど彼女の名前を教えてなかった

彼女の名前は【菊】だ

何故この名前なのかも教えてくれない

謎の多い鬼である。

解せない

 

 

そんなある日...

 

「ねぇ、犬」

 

「何だい菊?」

 

「貴方も妖怪なら人型になってみないの?」

 

そうか、俺犬の姿なのか

慣れ過ぎてもうそんなのどっか言ってたわ

 

「あぁ、いいね」

 

「でしょ?」

 

「あ、でも人型じゃない妖怪が人型を維持するのってそれなりの妖力がは必要なんじゃなかったけ?」

 

「流石私の弟子ね、その通りよ」

 

でもそうなると俺にはまだ無理なんじゃ...

 

「それがね、意外に妖力は消耗しないのよあなたの場合」

 

「え?それ本当?」

 

「えぇ、本当よ」

 

何だ、本当に意外だな...

ん?「貴方」だから?

どう言うことだ?

 

てかさり気に心の中読むなや

 

「何故俺だったら消耗しにくいんだ?」

 

「妖獣だからよ」

 

「妖獣?」

 

「そうよ」

 

「なぜ妖獣だったら消耗しにくいんだ?ってか妖獣ってなんだ?」

 

「まず妖獣とはね、妖しい獣のことを指すの。

まぁ、妖力を持った獣の事ね」

 

「解説有難う」

 

「いえ、大丈夫よ。それでね何故消耗しづらいかはその妖獣の特性にあるの」

 

「特性?」

 

「まず、妖獣ってのは人を食らって生きる妖怪よ。

まぁ、大体の妖怪も食べるだろうけどね」

 

「ほうほう」

 

「そこで頭のいい妖獣は人に化けて誘い出し喰らうという考えを持つものが現れたの」

 

「はぇ、同族ながら恐ろしいな」

 

「何言ってんのよ。まぁ、その所為もあってそこから生まれる妖獣たちは人化の術がとてもうまいの」

 

「成程ね」

 

「で、そう言うあなたも例外ではないはずってわけよ」

 

「助かりました」

 

成程、そう言う利点が...

まだ人間やめて十年しかたってないけど、人型が恋しくなってきたわ

てか、何でこうなったやら...トラック運転手は俺に何をしたんだ

 

「でね、ひとつ面白い話があるの」

 

「ん?なに?」

 

「妖獣は人を喰らうっていったわよね?」

 

「はい」

 

「それで敵をおびき寄せ易くするためにね」

 

「...?」

 

 

 

「妖獣の人型は例外がなく美形なのよ」

 

「......え?」

 

美形ってなんだよ

いや、意味は流石に分かるよ

でも美形ってなんだよ

自惚れするわけじゃないがそんな高望みはしたくない

出来れば目立ちたくないのだ

 

っていうか菊さんが美形だから妖怪の顔なんて大体美形だろ

 

「あら、ありがとう」

 

「あれ?俺口に出してた?」

 

「いえ全然」

 

「...」

 

こいつ読心術身に付けてやがる...

ポーカーフェイスで行こう、今日から頑張るか

まぁ、兎に角やって見なきゃわからんよな?

 

「...まぁ、やりますか」

 

「やった!じゃ、今から簡単に説明するね」

 

「何がやった!だよ。何もやってねぇだろ」

 

「まぁまぁ、とにかく早くするよ!」

 

「はい...」

 

「まぁ、教えることは一つなんだけどね」

 

「へぇ...思いの外少ない」

 

「でしょ?まぁ、私の独学ですけど」

 

「...え?まじ?」

 

「うん?まじよ?」

 

すげぇ...やっぱり菊さんってすごい鬼なんやな...

鬼は凄いっていうけど菊さんはもっとやばい

菊さんいつか鬼やめそうだな…

 

「そんなにすごいですか?恥ずかしいです///」

 

10分も立たないうちにポーカーフェイスやめてるじゃないか俺

 

「まぁ、教えてくれ。さっきから無駄話が多い気がするし」

 

「ごめんなさい、興奮しちゃって」

 

「そう言うのいいから」

 

「チェッ...つれないのー」

 

「ごめんごめん」

 

「まぁ、いいわ。早く犬さんの人型もみたいですし教えますよ」

 

「おう、頼む」

 

「やり方は簡単、自分のなりたい性別を選び妖力を体全体に広げるのよ」

 

「成程」

 

「簡単だしすぐに終わるから」

 

「これって性別事故ったりしませんよね?」

 

「大丈夫よきっと」

 

「それじゃあ、やりますね...」

 

「じゃあ、目を瞑って...息を整えて...」

 

俺は菊さんに言われた通りに体全体を鎮める

 

「では性別を想像してください...私は女ですから」

 

いや、今関係ないだろ...おn、おっと危ない男

マインドコントロールみたいに誘導しやがって...

 

「それでは最後に妖力を体全体に広げてください」

 

俺は体全体に妖力を循環させた...

 

 

 

すると、体の骨組みが変わる感じが...

 

しなかった

あっという間に自分は二足歩行で立っていた。

 

「お...?できたのか?」

 

「やっぱり私は間違ってなかったわね」

 

「あぁ、ありがとう。おかげで人型になれたよ」

 

「そして安定の美形ね」

 

マジか...やっぱり美形なのか...

まぁ、いいかどうせそんなに女性と付き合うこともないだろうし、な

 

「そして急で悪いけど、犬さん一度水辺に言って顔でも見てきたら?」

 

「え?なんで?」

 

「だっておも、できたばっかりなんだから見たほうが良いわよ、絶対後悔はしないわ。鬼に誓って」

 

「まぁ、そこまでいうなら...」

 

俺は言われた通りに洞窟を出て近場にある水辺まで直行した

 

そこで自分の顔を見た瞬間俺はどんな言葉を発していただろうか...

いや、恐らく言葉を失っていただろう。

 

何故なら自分がとてつもなく...

 

 

 

 

 

               女顔だったから...




これぐらいの文字数で次回からいけたらいいなと思っております。
感想、指摘、アドバイス等は私への励ましになるので遠慮なさらずしてください

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