GATE 自衛隊彼の地にて、ザク戦えり   作:兎の助

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前回のあらすじ

箱根の温泉旅館『山海楼』にて米露中合同工作員特殊部隊の襲撃を受けた伊丹達。
だがそれはロゥリィによって阻止させられ、工作員達は亜神の力を思い知ることになった。
そして、誰一人として生きて帰る事は無かった……




第十七話:アルヌスへ帰還

亜神の力を目の当たりにした伊丹達は先ほどの酒の酔いも完全に醒め、呆然とロゥリィが作り出した阿鼻叫喚の地獄絵図を見ていた。

 

しばらく経って最初に声を発したのは伊丹だった。

 

伊丹「…やばい…こんな光景を何も知らない警察が見たら面倒だ!そうでなくても後始末に公安が来るだろうし、こいつらの仲間もまだこの近くにいるかもしれない!今すぐずらかるぞ!!富田、鷲谷、栗林!使えそうな武器や弾薬を回収!」

 

三人「はい!」

 

伊丹「梨紗とレレイとテュカは荷物をまとめてくれ!ピニャ殿下とボーゼスさんとノーマさんも着替えて出発の準備を!」

 

梨紗「わ、分かったわ。」

 

ピニャ「承知した…」

 

皆準備を進めている中、四人は工作員の死体に向かって合掌した。

 

伊丹「天災だと思って成仏してください!投擲武器や近接武器も忘れず回収するぞ!」

 

栗林「ウヒョー♪KSGにShaft(AS Val)、P90にPP-2000もあるじゃん!」

 

鷲谷「すげぇ…B&T社のAPCにARX160も…こんなのFPSか映画でしか見たことないよ!!」

 

目の前の最新PDWやSMG、SGの数々に興奮する栗林や鷲谷を尻目に、伊丹はロゥリィを引っ張って部屋の浴室へと連れて行く。

 

ピニャ達は目の前の惨たらしい光景をまだ見続けていた。

戦いに慣れているおかげか、吐いたりすることはなくとも冷や汗は掻いていた。

 

ボーゼス「…死神ロゥリィ…噂に聞いた通りすさまじいですね…」

 

ピニャ「そうか、ボーゼスは亜神の戦いを見るのは初めてだったな。無敵に見える異世界の兵達も、死神ロゥリィの手にかかればこうも容易くやられるのか…ん?」

 

ピニャは敵が落としたベレッタBU9ナノを見つけた。

ピニャがそれを拾い上げたと同時にノーマが口を開いた。

 

ノーマ「それは『ケンジュウ』『はんどがん』と呼ばれている比較的小さい『ジュウ』です。」

 

ピニャ「よく知っているな。」

 

ノーマ「こちらの書店でジュウの本を手に入れましたので、少しだけなら…」

 

ボーゼス「それでピニャ様、それをどうする気ですか?」

 

ピニャ「これを国に持ち帰る。ボーゼス、ノーマ、お前たちも今の内に一つ拾っておけ。早くしないとワシヤ達に気づかれるぞ。」

 

ボーゼス「わ、分かりました。」

 

ノーマ「それでは私はこれを――」

 

ボーゼスはUSSRマカロフPB/6P9、ノーマはグロック17を手に取り懐の中に入れた。

 

一方伊丹はロゥリィの身体中についた血を熱いお湯で落としていた。

 

ロゥリィ「やぁん、ヨージぃ!乱暴にしないでぇ!しみるぅ!あつい、あつい!」

 

伊丹「まったく無茶しやがって!こっちの飛び道具は弓矢とは違うんだぞ!!」

 

ロゥリィ「当たらなければどうということはないわぁ。」

 

伊丹「当たらなければって、シャアじゃないんだから…って、おい…当たってるじゃないか!!」

 

ロゥリィの身体には生々しい銃傷がいくつもできていた。

紅い血が傷口から滴り落ち、普通の人間ならば即死か運が良くても激痛は免れないだろう。

だが彼女は亜神、伊丹は亜神の力を目の当たりにすることとなる。

 

伊丹「え!?」

 

傷口からゴポゴポと音を立てながら透明な液体が体内に残った弾丸を押し返した。

そしてその液体が皮膚となり、それらを塞いだ。

先ほどまであった痛々しい傷口はもうどこにも無かった。

 

ロゥリィ「驚いたぁ?」

 

伊丹「…あぁ…」

 

ロゥリィ「昇神した日から太ったことも痩せたこともない。ヨージ、この体はねどんな傷を負っても再生するの。バラバラにしてもくっつけたらつながるしぃ、亜神は死なない…いえ、死ねない。けど肉体があるから快楽も痛みも感じる…呪いみたいなものよぉ。」

 

それを聞いた伊丹は、ロゥリィが人の姿をした神であることを改めて実感した。

普通に聞けば誰もが欲しがるような力だが、ロゥリィからしてみればこの苦しみを900年以上も続けているのだ。

ただの人が死ぬには致命傷を一回負えば済むのだが、彼女はそれを何十回、何百回と繰り返しているのだ。これ以上の苦しみはどこにも無い。

神になるにはそれ相応のメリットとデメリットがある事を、伊丹は今一度考えさせられた。

 

 

全員の支度が終わると、急いで旅館を後にした。

 

 

 

 

 

伊丹達は周辺を警戒しながら坂道を下っていく。

道路照明灯が暗い箱根の道を照らしており、吐息は白くなりどれほど寒いのかが分かる。

そんな中、いつもは愚痴をあまりこぼさない富田がため息とともに先ほどの戦闘やこれまでの妨害の愚痴を漏らした。

 

富田「なんか最近こんなのばっかですね…」

 

伊丹「ちくしょう、全然休暇になってねぇ~…」

 

栗林「あの旅館が防衛省共済組合の施設でよかったですよ。飛び込みで普通の旅館に入っていたら、民間人にも被害が及んでいたかもしれません。今頃公安が後片付けしてるのかな?」

 

伊丹「連中はどこのだと思う?」

 

鷲谷「聞こえてきた言語は英語、ロシア語、中国語の三つです。会話してましたし、恐らく道中ばったり出会ったとかではなく最初から来賓目的で協力していたと思います。」

 

伊丹「やっぱり?はぁ…まさか三大国がわざわざ手を取り合うなんて、相当特地の情報が欲しいんだな…」

 

鷲谷「もしかしたら来賓を人質にMSの情報提示を要求するかもしれませんよ?」

 

伊丹「どっちにしろ良い事はないな。」

 

その時、前方を歩いていた富田が伊丹を呼んだ。

 

富田「隊長、前方に…」

 

前には一台のワゴン車が止まっていた。

伊丹は三人の顔を見ると首を縦に振り、三人も答えるように頷く。

鷲谷はPP-2000の安全装置を解除し、マガジンを一度引き抜くと弾が入っている事を確認する。

そして再びマガジンを装填すると、ワゴンへと向かっていった。

 

車内には大柄なスペツナズ隊員が一人で仲間の帰りを待っていた。

その時、頭に固く冷たい金属製の何かが突きつけられ、男にはそれが何なのか一瞬で判断できた。

 

伊丹「ゴメンねぇ、悪いけど降りてくれない?」

 

栗林「悪人なら撃ち殺してもいいよね?いいよね?」

 

鷲谷「いいんじゃね?」

 

富田「いや駄目だろ。まだ酔ってんのか?」

 

栗林「じゃあどうする?連れて行けないし、縛ってもすぐ逃げそうだし。映画みたいに首絞めたり頭殴りつけて気絶させようとしても、下手したら死んじゃうだろうし…お、あったあった、鹵獲っと♪」

 

レレイ「殺傷せずに無力化できればよい?」

 

鷲谷「できるの?」

 

レレイは一回頷くと、スペツナズ隊員に向かって睡眠の呪文を唱えた。

すると数秒も経たずにいびきを掻きながらぐっすりと眠ってしまった。

伊丹達は先ほどのワゴン車を使って山を下り始めた。

 

 

 

 

伊丹「……なぁ、やっぱ直接銀座に行くのやめない?待ち伏せされてたらきついよ?」

 

富田「じゃあどうしますか?下手に日本(こっち)で逃げ隠れするより『門』の向こう側の方が安全スよ?」

 

鷲谷「慣れ親しんだ自国よりよく分からない異世界の方が安全ってどんな皮肉だよ…」

 

皆が愚痴をそれぞれこぼし合っていると、ピニャが伊丹に先ほどから気になっている事を問いかけた。

 

ピニャ「伊丹殿、少し尋ねたい。そもそもなぜ妾達が逃げ隠れしなければならないのだ?」

 

栗林「そうですよ、一体何が起こっているんです?米露中共同で襲撃なんて普通ありえませんよ?」

 

ピニャや栗林の質問に伊丹は、

 

伊丹「実は……俺にもよく分からん!」

 

キメ顔で返した。栗林はそのムカつくキメ顔に、マグプルPDRの銃口を静かに向けた。

 

栗林「隊長……いい加減にしないと後ろ弾しますよ?」

 

伊丹「お、落ち着け!栗林!話せば分かる!!」

 

ピニャ「落ち着かれよ、クリバヤシ殿。貴殿はイタミ殿の部下であろう。イタミ殿は立場上言えないのだ。これは妾の推測であるが……妾達は売り渡されたのではないだろうか?」

 

伊丹「いえ、それはありません。」

 

ピニャ「だが初日から度重なる予定と乗り物の変更、地獄の乗り物(地下鉄)が止まり、投宿先での火事と先ほどの襲撃……怪しい出来事が多すぎる。妾は二ホンとの交渉の仲介のためにここまで来た……だが妾達の護衛は飢えたコボルトの前に置かれるがごとく外された……これまでの状況を察するに、講和を進めたい勢力と、それを良しとしない勢力がせめぎ合っている……違うか?」

 

ピニャの考察を聞きながら高速道路を走っていた一行は、パーキングエリアにて軽い食事と休憩を行うことを決めた。飲み物や食べ物を買いに行ったのはいつもの三人組だ。

 

伊丹「エルフに亜神に魔導師…か。そんなファンタジーな存在が自販機でジュース買ってるなんてなぁ……」

 

梨紗「誰が好み?う~ん……容姿はエルフ、性格は黒ゴス…保護欲があるのはプラチナブロンドの魔導師……かな?アンタの性格的に考えて。」

 

伊丹「おぉおぉ、大変よく分かってらっしゃることで。」

 

梨紗「当たり前よ、何年付き合ってると思ってんのよ。」

 

三人が戻ってくると全員に飲み物とパンが配られた。

全員が食事を取っている間、梨紗はスマホ片手にある事をしていた。

 

伊丹「どうだ?いけそう?」

 

梨紗「大丈夫、あの国会中継のネットの反応を見た限りだといけるわ。うまくいけば彼女達を一目見ようと『大きなお友達』が総動員で押し寄せてくるわ。少なくとも千人はね。」

 

伊丹「工作員達も群衆の中で派手な事は出来ないだろうしな。」

 

梨紗「他のサイトや掲示板にも仕込みしておくから、昼まで寝てていーわよ。」

 

伊丹「おぅ、サンキュー。(これでようやく終わる……この長い追いかけっこともおさらばだ……)」

 

 

 

 

 

 

夜が明けて昼の2時になる少し前、世間は別の事で慌てていた。

本位総理が緊急入院した後、突然の辞意表明を発表したのだ。

これにより野党勢力は一斉に本位総理の辞意を『無責任』と批判。

 

銀座では栗林志乃の妹、栗林菜々美がこのニュースの街頭インタビューを行っていた。

だが道行く人たちからの答えはテンプレ的なものばかりであった。

特に特徴のないありきたりな映像ばかりに、撮影スタッフも終始呆れていた。

 

スタッフ「栗林ちゃ~ん、そんな質問じゃありきたりな答えしか返ってこないよー。そろそろ使える絵作らないと……同期でレギュラー狙ってる子、沢山いるんでしょー?スタイルだけが取り柄の色物系女子アナで終わるつもりー?」

 

奈々美「うぅ……(気をしっかり!奈々美、頑張らなきゃ!)」

 

スタッフからも痛い一言を言われ、落ち込みかけるが自信を奮い立たせ、何とか頑張ろうと決意を固める。

そんな彼女たちの近くには米露中合同工作員チームのグラハムが潜んでいた。

彼はドームに囲われた門がある場所を見ながら、作戦のことについて考えていた。

 

グラハム「(まさか首相の辞任という形で切り札を帳消しにするとは……更にはハコネでの謎の少女の襲撃による部隊全滅も想定外だ……だがまだ手はある…まずは中国(国家安全部)の連中にパニックを起こさせ、同時に周辺のTV局の回線をロシア(ザスローン)に切断させる。そして我々(CIA)が速やかに護衛を排除して来賓を回収。そのまま合衆国へと――)」

 

グラハムがそこまで考えていると、近くにCIA局員がやってきた。

 

CIA局員「グラハム局長、今日は何かイベントでもありましたっけ?」

 

グラハム「なに?そんな報告は無いが……」

 

グラハムが辺りを見渡すと、周りはとてつもない人によって溢れかえっていた。

その数は軽く千人を余裕で超えていた。

人は群衆となり道路にまで溢れかえり、車はまともに進む事すらできなくなっていた。

この予想外の出来事に、『門』の警備をしている自衛官や警察官は群衆整理と状況把握を始める。

 

巡査A「本庁も抗議デモの話は聞いていません。」

 

自衛官A「入り口の封鎖は?」

 

巡査B「とにかく状況把握だ!あそこにTV局がいるから誰か聞いてこい!!」

 

万が一に備えて機動隊が投石やナイフといった武器から身を守るべく、防刃性能の高いベストやヘルメットを被る。

暴徒鎮圧用のポリカーボネート製ライオットシールドと警棒を装備して、群集の前に陣形を組む。

 

一方群集の方は、異世界から来た亜神やエルフをカメラに収めようと三脚を立て、カメラを設置し始める。

どうやらTV局のカメラは奈々美の局だけなようだ。

 

奈々美「TV局うちだけだって!局長賞狙えるかも!」

 

スタッフ「てことは他のカメラ、全員一般人か……すげぇな……」

 

巡査A「すみません、これはなんの集まりなんですか?」

 

奈々美「あぁ、みんな特地から来た女の子を見ようと集まったみたいですよ。」

 

そのすぐ近くまで伊丹達は来ているのだが、『大きなお友達』の影響で交通渋滞が発生し立ち往生していた。

 

梨紗「まいった~……まさかここまですごいなんて……正直『大きいお友達』ナメてた……」

 

富田「全然動きませんねぇ……どうします?」

 

伊丹「歩いていくしかないよなぁ……でも危険すぎるし……」

 

すると道中買った花に埋もれたロゥリィが、

 

ロゥリィ「大丈夫よぉ。」

 

そう言って車から降り始めた。

彼女は一度、身体を伸ばすと近くにいた人に話しかけた。

 

ロゥリィ「ねぇあなたぁ、ギンザはどっちぃ?」

 

その声を聞いた周りの人は驚き左右に分かれ、まるでモーゼの十戒の海が割れるように道が出来たのだ。

突然のロゥリィの登場により、銀座の街は騒然とし始める。

 

伊丹「まずいなぁ……この群集の中にどんな奴がいるのか分からないってのに…それに銀座事件の遺族にとっちゃ、ロゥリィ達は初めて見る異世界の『敵国人』だぜ?やっぱり今日はやめて梨紗の部屋に泊まらないか?」

 

栗林「んで、明日になって工作員部隊の待ち伏せを強行突破しますか?」

 

鷲谷「銀座の街が戦場に変わりますよ?」

 

伊丹「じゃあ市ヶ谷駐屯地にでも逃げるか……」

 

鷲谷「それだとアメリカの強引な要求で突破されます。それにこんだけの人が集まったのに逃げたら、何のために首相が辞任して梨紗が人集めしたんですか?」

 

伊丹「どこに行っても問題事か…本当に借金取りから逃げてるみたいだ……」

 

伊丹は三人の方を向いて、命令を下した。

 

伊丹「富田二曹、栗林二曹、鷲谷二尉。もし彼女達を害する者があれば、かまわず撃て!」

 

三人「了解!」

 

四人は工作員部隊から鹵獲した銃火器を手に取り、準備を始める。

伊丹はスプリングフィールドXD、鷲谷はPP-2000のまま。

栗林と富田はそれぞれ手持ちの武器をお互い交換する。

そして準備が終わると、四人は一度深呼吸をした。

彼らの周りをいつもとは違うオーラが包み込んでおり、顔はこわばっていた。

その横顔を見た梨紗はあまりの迫力に飲み込まれそうになっていた。

 

伊丹「悪いな梨紗。一緒に行けるのはここまでだ、助かったよ。車は適当に放っておいて。あと、早く借金返せよ。」

 

梨紗「冬コミで同人誌が売れたらね。ねぇ、次はいつごろ来れる?」

 

伊丹「分かんねぇな、しばらくは無理そうだ。年末に休暇取れたら連絡するよ。」

 

梨紗「あ、あのさ……先輩って来るって言っても来ないときあるでしょ?だから無理言って言っても来るかもって待ってるのは……ダメかな…?」

 

伊丹「そんなんなら、なんで離婚したんだ?」

 

梨紗「だって……結婚してあげるから養ってとゆーのはダメじゃない?」

 

伊丹「……好きにしろよ。」

 

 

 

彼女達は伊丹達に守られながら献花台へと向かっている。

左右には異世界からの美女を見ようと、日本各地からネットの情報を見て集まった人たちがスマホやデジタルカメラのレンズを向けて写真を撮っている。

その道中には奈々美達の中継班もいた。

最初はレポートを続けていたが、姉の姿を見ると特地の情報……というよりは使える映像を少しでも多く作ろうと姉のもとへと近づく。

 

(姉妹会話シーンは下の名前で行います)

 

奈々美「ちょっとお姉ちゃん、なにしてんの!?」

 

志乃「あれ、奈々美?あんたこそなにしてんの?」

 

奈々美「TVの中継だけど…」

 

志乃「うそ、生中継?全国ネット?やっほ~、お母さん。元気?」

 

奈々美「ねぇ、あの三人にインタビューってできない?」

 

志乃「あー無理無理、早く特地に戻らないと…昨日から狙われてるのよ。」

 

奈々美「誰に?」

 

志乃「実はアメリカがロシアや中国と協力して拉致しようとしているのよ。バスは尾行され電車は止められる。挙句の果てにはホテルが燃やされ旅館が襲撃される…もしかしたら今ここでも狙ってるかも……おっと行かなくちゃ、それじゃまたね奈々美。」

 

この衝撃の内容にテレビの司会者やゲスト、そして画面の前の視聴者たちは驚愕する。

そんな様子を遠くから見るグラハムは、駒門と会話していた。

 

駒門「よぉ、グラハム。」

 

グラハム「駒門か、ハコネの件は話がついていたはずだ。どうなっている?」

 

駒門「あぁ、悪質サバゲーマーの件か。それなら後で外務省から連絡が届くはずだ。ところでグラハム……今特地のお客様に近づく怪しい連中を逮捕しているんだが……どうやら全員CIA局員なんだよねぇ…」

 

グラハム「な、なに!?……つ、つながらない……駒門、貴様!!」

 

駒門「すまねぇな。よぉ伊丹、霧払いは済ませたぜ。」

 

この緊急事態にホワイトハウスで中継を見ていたディレルは、近くにあったゴミ箱を蹴り飛ばして、激高した。

 

ディレル「なんだあの女自衛官は!!カメラの前で余計な事をペラペラと!しかもCIAチームが日本側に取り押さえられただと!?だ、だが…まだロシアと中国のチームはいる……悔しいが彼らに任せるしか…」

 

その時、タイミングよくジェガノフと董が同時にテレビ通話回線を開いてきた。

 

ジェガノフ「ディレル、すまないが私達のチームは撤収させてもらう。」

 

董「私も撤収命令を出させてもらう。」

 

ディレル「な、なぜだ!?あともう少しで特地の情報が手に入るというのに!!」

 

ジェガノフ「これ以上危険を冒すわけにはいかないのでな。それにこの群集ではまともに作戦を続けるのも困難だ。」

 

董「それに箱根の襲撃作戦ではかなりの優秀な人材を失った。もうこれ以上続けるのはとてもじゃないが無理だ。」

 

ジェガノフ「というわけで、すまないがここまでだ。」

 

そう言い残して二人は回線を切った。

もはやディレルの怒りは最高潮に達していた。

 

ディレル「ク、クソッたれ共が!!モトイめ!ジェガノフめ!!董め!!!くそぉぉぉぉ!!これだから東側の連中は嫌いなんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ディレルの目論見が失敗に終わり、伊丹達も無事に門の前まで何事も無く帰る事が出来た。

そして一行はそれぞれの場所へと一時帰還した。

 

ピニャは自室にて日本での出来事の記録を書いていた。

横にはボーゼスやノーマの姿もある。

 

ピニャ「(イタリカやアルヌスで見た物はその一端でしかなかった。あまりにも格差があり過ぎる。このまま帝国が戦争を続ければ敗北……いや滅亡する。)二人とも、聞いてくれ。我々は明朝出立し帝都へと向かう。講和の交渉を準備しなければならない。妾は……この戦争を終わらせる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ロシアでは、ジェガノフがホットラインで董と話していた。

 

董「これでアメリカは当分の間、『門』のことは諦めるだろう。それにしてもあのディレルの顔、今思い出しただけでも笑えてくる。」

 

ジェガノフ「そうだな……そろそろ私達も動き始めるとしよう。」

 

董「そうだな……あの計画(・・)を進めなければな。『門』のことについてはその後だ。」

 

ジェガノフ「あぁ……この計画は必ず成功させなければならない……『鉄人計画(・・・・)』を開始するぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、BLUE ENCOUNTのSurvivorを聞きながらこの小説を書いているメガネラビットです。
ようやく日本での外交と参考人招致が終わって一安心しています(´・ω・)=3 ふぅ…
リアルでも採用選考が終わって後は結果を待つのみとなりました。

気づけばゲートの原作タグも作られてるし、このサイトでもスタンダードになりましたね。
嬉しい限りです( *´艸`)

正直言って日本ではあまりMSの話題が出せないから、結構苦しかったw

次回からはMSの事がジャンジャン書けるから嬉しい(´ω`*)
では恒例の解説コーナー行きましょうか。

解説コーナー

〔ノーマもちゃっかり銃を頂く〕

ノーマさんもしっかり銃を頂いています。
G17を選んだ理由としては一番馴染みやすいかなと思った。
本文では書かれていませんが、しっかり検問で押収されています。

〔当たらなければどうということはない!〕

漫画版を見たときに確信した。

(;・_・)(これ絶対に元ネタガンダムだよね…)

〔ディレルさん、激おこ〕

失敗して協力断念されてCIAがほとんど逮捕される。
正直言って、ザマァみろwww

〔鉄人計画〕

まだ言えないけど、ガンダム観てる人ならもう分かるよね?
ようは察しろ。





さぁて!ジャンジャンMS開発していくぞ!!

それではまた次回お会いしましょう!
それでは( `ー´)ノシ

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