GATE 自衛隊彼の地にて、ザク戦えり   作:兎の助

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前回のあらすじ

急きょイタリカ防衛戦に参加した第三偵察隊の一行。

盗賊たちの夜襲を受け、劣勢状態のイタリカの街に鬼神が降り立った。
圧倒的なザクの力の前に盗賊団はなすすべも無く敗れた。

そして……伊丹はロゥリィの禁断に触れてしまい、その報いを受けるのであった……



第十話:交渉と交易と拘束

イタリカの防衛戦が終わったその頃、本来ならばイタリカでの戦闘に参加する予定だったピニャ率いる薔薇騎士団が全速力で向かっていた。

 

先頭を切って馬を走らせるのは金髪縦巻ロールの美女、黄薔薇隊隊長ボーゼス・コ・パレスティー。

その後ろを何とかついてきているのは白銀のショートヘアー、白薔薇隊隊長のパナシュ・フレ・カルギー。

 

パナシュ「ボーゼス!急ぎすぎだ!!後続が追い付いていないぞ!!」

 

ボーゼス「いいえ、まだ遅いわ!!ピニャ姫様が(わたくし)達を待っておられるのよ!!それに今は少しでも早くイタリカに到着する必要があるわ!!数は足りなくても戦い方はあるわ!!………パナシュ…私達、間に合うかしら…?」

 

パナシュ「………姫様ならきっと保たせるさ…」

 

いや…もう戦闘は終わっているのだ……

そんなイタリカの周りの野原にはファットアンクル改が着陸しており、辺りにはザクや自衛官たちが投降者を監視したり、負傷者の手当をしたり、瓦礫の撤去にいそしんでいる。

 

グレイ「終わりましたな…」

 

ピニャ「確かに盗賊は撃退した…」

 

ノーマ「はい…我らの勝利です…」

 

ピニャ「違う!勝利したのはエムロイの使徒ロゥリィとジエイタイ…そしてあの巨人たちだ……我々では無い……そしてジエイタイと巨人は聖なるアルヌスの丘を占拠し続けている我らの敵…」

その言葉にハミルトンの顔は一気に不安の表情に包まれる。

 

ピニャ「妾はイタリカを救うつもりで、もっと恐ろしく悍ましいものを引きずり込んでしまったのではないか?一瞬にして盗賊共を滅却したあの巨人たちと強大な魔導がこのイタリカに向いたとしたら…妾もミュイ公女も虜囚の辱めを受け、帝国を支えるこの穀倉地帯であるイタリカは敵の物になる……民はそれを歓喜の声で迎え入れるであろう…」

 

ハミルトン「そんなことは!!」

 

ピニャ「無いと言い切れるか!?実際街を救ったのは彼らだぞ?もし彼らが開城を迫れば妾は取りすがって慈悲を乞い…足の甲にキスしてしまうかもしれない……」

そんな不安を抱えつつ館へと戻り、自衛隊との交渉を行った……が今のピニャの耳には何の内容も入って来ない。

 

ハミルトン「此度はイタリカ救援に感謝し、その対価の交渉を行いたい。第二の使節の往来の無事と諸経費については慣例通りとする。第三のアルヌス共同生活組合の貿易特権についても問題ない。ただし捕虜の権利はこちら側にあると心得ていただきたい!」

 

鷹「復興のために労働力が必要なのは理解しました。こちら側としては情報収集のために五人ほど確保できればそれで構わない。ただこちらの習慣やしきたりに干渉するわけではないが、せめて人道的に扱って欲しい。」

 

ハミルトン「ジンドウテキ?」

 

レレイ「友人や知人に対するように無礙に扱わないこと。」

その言葉にハミルトンが食って掛かる。

 

ハミルトン「友人や知人が村や街を襲い、略奪などするものか!!」

 

レレイ「それが彼らのルール。」

 

ハミルトン「……了解した。では捕虜と交易に関しては以上だ。残りは軍隊の退去と協定に関してだが…」

 

レレイ「条文通りで問題ない。」

何事も問題なく事は進み、ピニャ、ミュイ、そして鷹の順番で署名が行われ、交渉は終わった。

 

 

 

 

グレイ「どうなりましたか?」

 

ピニャ「捕虜数名の引き取りと費用こちら持ちで施設の仲介と無事の保証、それからイタリカでの交易の租税免除だ。」

 

ノーマ「勝利者にしては随分と少ない要求ですね。で、このまま駐留してここを占領ですか?」

 

ピニャ「いいや、直ちに退去するらしい。」

 

グレイ「それでは向こうが丸損じゃないですか!そんな条件を飲む軍隊など聞いたことがありません。」

 

ピニャ「あぁ、勝者に当然の権利を放棄させるとは…恐ろしいほどの交渉能力だ……ハミルトンがどんな魔法を使ったのか知りたいものだ…」

 

 

 

そして捕虜の待機場所ではハミルトンと伊丹、栗林、黒川、鷲谷の四人が駐屯地に連れて帰る捕虜を決めていた。

 

伊丹「あの子とあの子とあの子、それからあの子に、あの頭に羽が付いたファンタジーな子も。」

 

鷲谷「全員女の子ですね……若い娘だけ選んでません?」

 

伊丹「気のせい気のせい。」

 

黒川「偶然とでも言うんですか?」

 

伊丹「偶然だよ偶然。」

 

栗林「そうは思いませんが?」

 

伊丹「偶然だってば。」

 

黒川「まぁあの子たちの将来のことを考えると分かりますけど…」

そんなこんなで全て無事に終わり、第六と第四がファットアンクルに乗って帰っていく。

民はザクに手を振ったりお礼を言ったりして見送った。

 

本来の目的である鱗の交易も終わり、第三偵察隊も帰っていった。

 

 

すると道中………

 

鷲谷「ん?隊長、前方から土煙を上げながら何かがこちらに接近中!」

 

伊丹「え?また煙?全車停止。」

 

鷲谷「……うわぉ…すげぇ、ベルばらだぁ……」

鷲谷のMSのモニターには美女が馬に乗って走ってくるのがハッキリと映し出されている。

 

伊丹「こちらからも確認した。まぁ揃いも揃って美人ばっか…」

 

倉田「俺、実物の金髪縦巻ロール見たの初めてっすよ……」

 

伊丹「全員敵対行動は避けろ。協定違反になりかねん。」

そしてそのベルばら騎士団が車の前までやってきた。

 

パナシュ「(なんだこの巨人は……ジャイアントオーガーのように見えるが……それに荷車?の中の連中も見たことない服を着ているな。)貴様たち、どこから来た?」

 

富田「えーと…私たち、イタリカから帰る。」

 

パナシュ「どこへ?」

 

富田「………アルヌス・ウルゥ(アルヌスの丘)

富田が口にした次の瞬間…

 

パナシュ「なんだと!!貴様らが異世界の敵か!!!」

騎士団の全員が一斉に槍を構え、剣を抜き、戦闘態勢に入る。

そしてボーゼスが富田の胸ぐらをつかむ。

そこに武器を置いた伊丹が近づく。

 

伊丹「えーと…部下が何か失礼をいたしましたか?」

そんな伊丹の首筋に剣が構えられる。

 

パナシュ「降伏なさい!!」

伊丹は何とか話し合いで解決しようとするがパナシュは聞く耳を持たない。

更にはボーゼスが伊丹の左頬に平手打ちをする。

 

伊丹「逃げろ!!今は逃げろ!!行け!!!」

伊丹の命令に少し戸惑いながらも全員車を走らせ、鷲谷はブースターを噴射してその場を離脱する。

車のエンジン音とブースターの音に驚いた馬が少し暴れ、何とか落ち着かせた頃にはその場にはもう車もザクもいなかった。

ボーゼスとパナシュは伊丹を睨みつけると、拘束して馬で引きずったり蹴とばしたりしながらイタリカへと向かった。

ボーゼスたちは当然、礼を言われるだろうと思っていた。

 

 

だが実際は……

 

ピニャ「なんてことをしてくれたんだ!!貴様ら!!!!」

ブチ切れしたピニャがボーゼスに向かって杯を額めがけて投げつけた。

当たったところからは血が滴り落ち、ボーゼスは何が起きたか分からない表情で突っ立っていた。

 

パナシュ「ひっ、姫様!私たちが何をしたと言うのですか!戦いには間に合いませんでしたが、敵の指揮官を捕虜にしたのですよ!!」

ピニャはため息をつき、頭を抱えながら椅子に座り込む。

 

ピニャ「結んだその日に協定破り……しかもよりによって…」

ピニャは左の方をチラリと見た。

ハミルトンが必死に伊丹に問いかけるが、目を開けたまま気絶しており、前後左右にただ揺れるだけであった。

 

ピニャ「メイド長、彼を頼む。」

 

カイネ「かしこまりました。」

 

グレイ「これを口実に戦争を仕掛ける……帝国の常套手段ですが、彼らが同じことをしないとは限りません。」

 

ピニャ「そうなれば負けるのは確実に我々の方だ。」

 

グレイ「そうですが、此度は幸いなことに死人が出ておりません。策など弄されるより素直に謝罪されてはいかがでしょう?」

 

ピニャ「妾に頭を下げろと言うのか!」

 

グレイ「では戦いますか?ジエイタイと死神ロゥリィ・マーキュリー……そしてあの巨人たちと。」

その言葉にピニャは奥歯を噛みしめる。

 

グレイ「小官はごめん被りますな。ま、どうなるかはイタミ殿のご機嫌次第なんでしょうが……」

 

 

そしてイタリカの城壁外では……

 

 

栗林「隊長……今頃死んでたりして…まぁあんだけ酷い目にあっていたからなぁ…あ、でもオタク的にはあんなキャラにいじめられて本望だったりして。」

 

富田「(本気で言ってるのか?この突撃白兵戦中毒爆乳馬鹿娘は………)多分大丈夫だろ。」

 

倉田「そうそう、あのベルばらは隊長の趣味じゃないし。」

その言葉に富田が倉田の頭にチョップを食らわす。

 

富田「そうじゃないだろ、ああ見えて隊長、レンジャー(・・・・・)持ってるからな。」

すると栗林が手に持っている双眼鏡を落とす。

 

栗林「今なんて言った……?」

 

鷲谷「伊丹隊長がレンジャー持っているって言ったの。」

鷲谷はタブレット端末を操作しながら栗林に事実を告げる。

だが栗林は頭を抱え、ゴロゴロと地面を転がりまわりながらその事実を受け入れようとしない。

 

栗林の話によればキャラが全く合わないのだ。

 

レンジャーとは地獄のような訓練課程をくぐり抜け、鋼のような強靭な肉体と精神を合わせ持ち、何十キロという装備を担いで敵地に潜入し、どんなに過酷な任務でも遂行する………それがレンジャー。

 

だがその伊丹は戦うどころか逃げるのは自衛隊一であり、一度伊丹を目標にした追跡訓練(フォックスハンティング)でも開始前に忽然と姿をくらまし、今まで一度も捕まった事が無い。

 

ゆえに栗林が唸るのもうなづける。

その事を伝えるとレレイはクスッ笑い、ロゥリィとテュカの二人に至っては大笑いしている。

 

 

栗林「ところで鷲谷、何やってんの?まさかゲーム?」

 

鷲谷「んなわけねぇだろ、ドローンで偵察してんだよ。」

 

―旧ザク偵察仕様機に搭載された偵察装備の一つである。

UAVは高度からの長距離偵察だが、ドローンは接近偵察を得意としている。

入り組んだ建物や敵のアジトなどを偵察する際に使用される。

また、ダクトなどの小さな隙間に進入する際にはプロペラが回転し、走行モードにもなる。

どんな風景にも溶け込める最新鋭の光学迷彩や消音モーターを搭載しており、自衛隊での愛称は『シャドウ』と呼ばれている―

 

栗林「ふーん、ちょっと見せて。」

鷲谷が持っているタブレット端末にはドローンから送られたイタリカの城壁の様子が映し出されている。

ズームアップすると人の表情までハッキリと分かる。

 

鷲谷が画面をタッチする、すると城壁上の兵士――ピニャの騎士団に同行していた帝国兵――に赤い枠がつく。

 

栗林「今何したの?」

 

鷲谷「マーキングだよ。こうしたほうが分かりやすいだろ?あと皆にこれ渡しといて。」

そう言われて受け取ったのはサングラスだが、ただのサングラスでは無い。

 

鷲谷「そのサングラスはこっちの端末とリンクしているから、こっちでマーキングした兵士がそっちに映る仕掛けになっているんだ。」

 

栗林「ふーん、色んな装備がついているんだね、旧ちゃんって……」

 

鷲谷「まぁな、さーてと…そろそろ行きますか?」

 

富田「そうだな、おやっさんここ頼みます。」

今回の伊丹の救出には富田、倉田、栗林、古田、鷲谷、ロゥリィとレレイとテュカの八人で行うことにした。

夜でほとんど何も見えない草むらの中を気づかれないように歩いていく。

 

門のすぐそばまでやってくるとロゥリィ、テュカ、レレイの三人は堂々と門に向かって歩いていく。

耳には鷲谷から手渡された小型のインカムがつけられている。

 

鷲谷「テュカさん、城壁上の帝国兵だけ眠らせてもらえますか?」

 

テュカ「分かったわ。」

テュカは帝国兵を確認し、眠りの精を呼び出して兵士たち全員を眠らせる。

全員が寝たことを確認すると、手を振って合図を出す。

 

草むらから残りの五人がゆっくりと出て来て、周囲の安全を確認する。

民兵たちにとっては忘れ物か何か取りに来たと思ったのか、怪しまれずに入る事が出来た。

 

栗林「ねぇ、鷲谷。隊長がいそうな場所って分かる?」

 

鷲谷「そうだなぁ……敵なら牢屋に監禁して尋問したり拷問したりするだろうけど、あの姫様はそんな事しそうにないから恐らく中央の屋敷で看病受けてるんじゃないだろうかな?」

 

富田「よし、まずはそこを目指そう。」

 

 

そして伊丹はその言葉通り、最高のおもてなしを受けていた。

 

目が覚めるとアキバのメイドカフェならぬメイドホテルとでも言わんばかりの状況だ。

左右にはアニメでしか見たことのないようなメイド服に身を包んだケモノ娘にモン娘など、まさしく天国とも言っていい状況だ。

 

メイドはヒトのモーム、メデュサのアウレア、首狩ウサギ(ヴォ―リア・バニー)のマミーナ、キャットピープルのペルシアの四人だ。

 

そんな光景に顔をニヤつかせている伊丹のすぐそばまで八人は迫っていた。

 

栗林「(二階に明かりが…鷲谷、頼む)」

 

鷲谷「(了解)」

鷲谷はゆっくりと窓の高さまでドローンを上昇させる。

カメラに映っていたのは、ベッドの上で横になっている伊丹とその周りにメイドたちがいる光景だ。

 

鷲谷「(うわ~うらやましい……)」

 

倉田「(ケッ!ケモノ娘だぁ!!!!!鷲谷!!もっとよく見せろ!!!!!)」

すると興奮した倉田がタブレットを引き寄せる。

 

鷲谷「(おい馬鹿!やめろ!興奮するな!離れろって!!)」

興奮した倉田を栗林が羽交い絞めにして何とか落ち着かせる。

 

 

部屋の中も目立った動きは見えないのでばれてはいないと思い、そのままドアの留め具を破壊して中に侵入する。

 

だがメイドの中には遠くの物音すらも敏感に感じ取る事の出来る首狩りウサギ(ヴォ―リア・バニー)がいる。

すぐに気づかれた。

 

カイネ「どうしました、マミーナ。」

 

マミーナ「階下より何者かが鎧戸をこじ開け、窓より侵入しようとしているようです。それと虫の羽音のような音もわずかながらに聞こえます。」

 

カイネ「恐らくイタミ達の手の者でしょう。こちらまでご案内しなさい。他の者であったらいつも通りです。」

 

ペルシア「かしこまりました。」

 

キャットピープルのペルシアがそう言うとマミーナとペルシアは部屋を後にする。

どうやらこの世界では人間以外の他種族が人間と一緒に働く事は珍しい…というよりは滅多に無い事らしい。

先代が開明的な方だったようで、ヒト種以外の者も積極的に雇い入れていたらしい。

大半は趣味というのもあったらしいが…もし日本に他種族を招き入れていたら、差別どころかむしろ大歓迎で受け入れているだろう。

 

途中、アウレアに生気を吸い取られそうになったが、モームが止めてくれた。

この世界の他種族にはそれぞれの特性などがある事が分かった。

 

そんなことをしていると富田たちが部屋に入ってきた。

 

倉田「たーいちょ、一人だけずるいっスよ。後ろ弾しますよ?」

 

伊丹「後で紹介してやるよ。」

 

 

 

そんな一方、倉田たちが来たことなどまるで知らないピニャは、自室として今使っている部屋で報告書を書いていた。

 

―協定違反を無かった事には出来ないか?襲撃とイタミへの『ジンドウテキ』ではない扱い―

 

―アルヌスの彼らの砦に報告される前にイタミの部下を捕えるか、口封じをすることは出来ないか?…………無理―

 

―あの巨人たちを買収し、こちらの戦力として加える事は出来ないか?…………不可能―

 

ピニャ「…炎竜ですら撃退し、盗賊共を一瞬にしてほぼ全滅にまで追い込んだ連中をどうやって倒すと言うのだ?………もしかしたらあやつら妾を苦しめるためにわざとイタミを残したんじゃないだろうな?」

誰もいない部屋でブツブツと念仏のように独り言を話すピニャは、途中まで書いた報告書の前で何度も何度も深いため息をつく。

 

ピニャ「(彼ら(ジエイタイ)に謝罪するのが一番良い解決方法かもしれないが、それだとつけ入る隙を与えてしまう…あやつらは妾に圧倒的な武力を見せつけ、帝国との交渉仲介を求めてきた。あの恐るべき力を知らない帝国の官僚たちがいつものように恫喝(どうかつ)居丈高(いたけだか)にふるまい、ジエイタイ側の官僚たちを怒らせてしまえば、結果は火を見るよりも明らかだ…彼らの真の力を知っているのはまだ妾しかいない…どうしたものか……)そうだ、皇帝(父上)に報告書を送ろう。」

そう思い立ったピニャは早速、羊皮紙に羽ペンで書き始める。

 

 

だがペンを持つ手が徐々に震えだし、何と片手で折ってしまった。

 

理由は単純…こんな報告した所で誰も信じないだろうからだ…

自分でさえ信じられないものを他人がどうやって信じるのだろうか?

 

ピニャは頭を抱えて机に突っ伏す。

 

ピニャ「イタミさえ口をつぐんでくれさえすれば……そうだ!当の二人にイタミを篭絡させればいい!ボーゼスはパレスティー侯爵家の次女だし、パナシュは格下のカルギー男爵家だが、あの二人に迫られて堕ちない男はいない!」

早速行動に移したピニャはメイドを呼んで二人を連れてくるように命令する。

 

ピニャ「(イタミ程度の男には惜しい二人だが帝国の命運がかかった重大な任務と命ずればいい)」

ピニャが紅茶を一口飲むと丁度いいタイミングで二人がやってきた。

 

ピニャ「ボーゼス、パナシュ。お前たちは往来を保証したジエイタイを襲い、捕虜としたイタミ殿に『ジンドウテキ』で無い扱いをした。どちらも重大な協定違反だ。」

ピニャのその言葉に二人は、悲しげな表情を浮かべる。

姫のためを思ってしたことが裏目に出てしまったからだ。

 

ピニャ「連中は盗賊共を一瞬にして壊滅させ、炎龍とも互角…いや、それ以上の力を持っている。この一件を口実に戦端を開かれれば、帝国がどうなるか…言わずともわかるな?」

ピニャの問いにボーゼスは…

 

ボーゼス「………はい…」

ただ下を向いて返事をするだけだった。

 

ピニャ「……此度の事は無かったことにする必要がある、お前自身の体でな。」

ボーゼスは顔を赤らめ戸惑う。

だが覚悟を決めたのか、口を開いた。

 

ボーゼス「………貴族の家に生まれた娘として、その手のたしなみも心得ております。ピニャ様と帝国のため、この身を捧げましょう!!」

そしてボーゼスは支度をするために、部屋を出ていった。

 

 

 

一方その頃、伊丹隊長がいる部屋では自己紹介が行われていた。

 

伊丹「ペルシアさん、こいつは部下の倉田だ。よろしく。」

すると倉田が急に立ち始め、自身の自己紹介を始めた。

 

倉田「じっ自分はっ倉田武雄三等陸曹であります!!二十一歳独身!!よろしくお願いしまっす!!」

緊張のあまり顔を赤くし、大声で言う倉田。

そんな倉田が面白いのか、ペルシアはクスッと笑うと……

 

ペルシア「はい、よろしくですニャ。(おかしなヒト……男の視線といえば欲情と怯えだけだったのに………こんなの初めて……)」

と内心思いつつ、返事をした。

 

その返事に倉田は興奮して、飛び跳ねていた。

 

 

 

 

 




どうも、毎度おなじみメガネラビットです。

アニメ終わっちゃいましたねぇ……なんだか煮え切らない……(-_-;)
小説と漫画の方は続いているので、早く漫画全巻出てくれないかなぁ?(;´・ω・)ソワソワ

閉門編まで続けるつもりです。その後も出れば続ける予定です。
特地の海にズゴック泳がせてぇ……(;´Д`)

解説コーナー

〔薔薇騎士団初登場〕

私が薔薇騎士団で好きなキャラはヴィフィータ・エ・カティさんです。
紫髪のボーイッシュな子です。

でも健軍にお姫様抱っこされてから急に乙女の顔になるあの瞬間……たまらん…ジュルリ…
(;^p^)=3ハァハァ

〔突撃白兵戦中毒爆乳馬鹿娘〕

なんか物足りないと思って付け足していったら物凄いことになった(白目)

メガネラビット「こんなことが栗林(クリ)さんに知られたらまずい事になるなぁ…」

栗林「誰がまずい事になるだってぇ?」

メガネラビット「え?」
 栗林   メガネ
( #^ω^) (´・ω・)?

( #^ω^) (・ω・)

( #^ω^) (・ω・`)

( #^ω^) (・ω・;;)ア……オワタ……

イ゙ェアアアア!!!!!!!

〔ドローン〕

はい完全にゴーストリコンです。
あのドローン欲しい(;´Д`)

フューチャーソルジャーの一番盛り上がるシーンは分隊四人同時射撃のシーンだと私は思います。





えー皆さんは人の悪口は絶対に言わないようにしましょうね。
特にそれが筋肉馬k…ゲフンゲフン!!…強い人だったら確実に倍返しにされます。
これメガネとの約束ですよ?


では皆さま、次回また会いましょう!!

それでは!!( `ー´)ノシ

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