混沌の中で選ばれし英雄 ~理不尽な世界を魔法と人型兵器で破壊してやる~   作:氷炎の双剣

24 / 147
今回でルーカス編は最後となります。もちろん最終話では有りません。

次話は閑話。
次々話から新章に入って行こうと思います。

新章は既存のキャラが主人公に成るのですが分かる人いるかな?
居たら、特に何も有りませんが賞賛を贈ります。

さあよーく読み返して下さいねー( ´艸`)

9/24改稿


3-7 終わらない戦い

 

 

 -火星独立軍 カーデェフ付近-

 

 グレートブリテン島の戦況は大きく傾いていた。改良された火星独立軍のHAWにもはや地球連合軍は一方的にやられていた。

 

 ロンドンは陥落し、カーディフにも迫りつつあった。

 途中、僅かな地球連合軍の反撃が有るが被害もほとんど出ず、カーデェフに向かっていた。

 このまま順調に行けるだろうと思われていたが、予想は裏切られる。

 

 突如、鳴り響くアラートに冷静に対処する。

 

 3時の方向から対空ミサイルである。

 両肩のファランクスで誰もミサイルを受ける事無く、全弾迎撃する。

 

 ミサイルの数から大体の戦力は把握出来る。

 3機が3時の方向に向かう。

 

 他のHAWは合流するまで着陸して待機する。各個撃破を恐れているからだ。

 素直に味方からの撃破通信を待つ。

 

 

 

 

 

 

 だが、いつになっても通信は来ない。

 隊長はアイツ等何やってんだか……と悪態をつきながらこちらから通信をする。

 だが、返ってくるのは砂嵐の音ばかり。

 

 隊長が通信を諦めて、飛び立とうとした時突如攻撃を受け、爆散する。

 

 何だ!? と混乱している間に地球連合軍のHAWが周りに次々と現れる。

 

「ーーっ!? コイツらは……HAWだと!? 噂は本当だったのか!?」

 

 まだまだ開発も出来てない地球連合軍のHAWが出来たという良くある誰かが誇張した噂だと思っていた。

 

 戦場において様々な噂は広がる物だ。相手の全てが分かっている訳ではない。だから憶測で出来た噂が広まるのも仕方ない。

 だが、今回は当たってしまった。

 

 動揺している間に敵に何機か撃破されるがまだまだこちらの方が数が多いと判断し、反撃する。

 

「総員、落ち着け!! 相手は6機、こちらは12機!! 一人を二人でかかればやれる!!」

 

 その言葉に動揺も収まる。

 優位と分かれば落ち着くのは人間の(さが) だ。

 

 自然に一機に対し、二機が付く感じになる。

 だが、そう甘くは無かった。

 

 射撃を行う火星独立軍に対し、地球連合軍は攻撃を盾と機動力で避けつつ、格闘を挑んでくる。

 

 近づかれたHAW達も慌ててレーザーブレードを構えるが地球連合軍の方が上手。

 一合も合わず、切り捨て行く。

 

 また格闘では無く、射撃で戦うセイバーもいる。

 両手で構えるのは長い砲身を持ったキャノン砲。

 火星独立軍がちょこまかと動き回るが冷静に動きを先読みし放つ。

 咄嗟に盾を構えるが易々と貫通し、爆散。

 

 もはや一方的であった。

 

 次々と減らされる味方に焦るが、焦るほど単調になる動き。

 もうこの流れは変わらなかった。

 

 

 

 

 残ったのは残骸が 累々(るいるい) としていた。

 そこに静かに佇む青色の六機のセイバー達。

 

 奇襲とはいえ、損害無しで六機が十五機を倒したのである。

 これは性能差というよりも単純に腕の差である。

 

 通信が来た事を知らせるアラートが鳴り、隊長はそれを取る。

 

「こちらはセイバー小隊。……了解しました。直ちに撤収します」

 

 通信を切り、手で味方に指示を出し編隊を組みカーデェフから既に出ている空母に着艦する。

 

 空母の中には入らないが、上には乗る。贅沢な運用の仕方だが、専用の船は今の技術では用意出来ていない。

 

 ユルゲン達とセイバー小隊は沈みゆく夕日を背にグレートブリテン島を、ヨーロッパ方面を去って行く……

 

 

 

 

 この戦いを機に地球連合軍と火星独立軍の戦いは長い膠着状態に入って行く……

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。