meet again 作:海砂
『それで、話というのは何だ?』
俺はレムを連れて自室に戻った。つーか逃げた。竜崎と、それより何より夜神がコワイからとかじゃないんだからねっ!
「えーと、お前さんの目的も俺は知っている。それに協力する代わりにこちらにも協力してもらいたいんだが」
『同盟ということか。お前の目的は何だ?』
死なない事! これが第一条件!! そのためには……。
「夜神月と弥海砂にデスノートを使用した過去を思い出させない、これ以上ノートを使わせない事。お前さんの目的は弥海砂を守る事だろう? 相反するような内容ではないと思う」
弥が記憶を取り戻そうがそうでなかろうが、守れるのであれば彼女にとっては問題ないはずだ。……多分。だといいな。頼むよレム、ウンって言ってくれ。
『既に夜神月はノートを手にし、記憶を取り戻しているだろう』
「だが一時的なものだ。手から離せば記憶も消える。……中身を破いた可能性も無くはないが、少なくとも今の所有権は俺にある。そうだろう?」
『……さぁ、私にはわからない』
何ですと? いや俺に所有権があるから俺に憑いてきたんだろうがよ。葉鳥が放棄した時、俺が持ってたしな。クロロに二冊持たせるのはあまりにもやばすぎるので仕方なく、だが。シュートやパームに持たせるのもアレだし。
『死神は、見えている寿命と名前にデスノートが特殊な影響を及ぼしているという点でノートの所有者を判別する。だがお前の場合は寿命も名前も見えないから、正確にお前が所有者だという確証はない……まぁ、おそらくお前に移っていると考えてついてきたわけだがね』
むー、こんなところでも名前が見えない弊害が出てくるとは……ややこしいのう。まぁいいや、とりあえず俺が所有者だってことで話を進めてもいいよね?
『眼の取引をすればわかるかもしれないぞ』
ダメ、ゼッタイ! ノーサンキュー! 寿命半分だなんて冗談じゃないっちゅーの、ただでさえ変な世界で右往左往してて寿命縮まってるんだから絶対!
「もーわかんなくていいよ。レムが俺を一応の所有者だと思ってくれているならそれでいい。で、俺の目的は、最終的には夜神が切れ端を持っているならそれも没収して、完全に記憶がない状態に持っていくことだ。もちろん二人とも疑われない状態を保持したままでな」
できれば葉鳥夫妻も助けたいんだが……竜崎がいる以上、デッチアゲの犯人あげとかないとまずいだろうしなー……って、間違いでもないか、使ったのは確かなんだから。
『……夜神月の持っていたデスノートは?』
「リュークが黒髪の男に憑いてただろ? 彼が持っている。つまり夜神月の考えは全て俺にとっては『計 画 通 り』って奴だ。実際、あのノートを弥海砂に使わせてLを抹殺するつもりだったんだしな、アイツ」
『……!』
フフン、計 画 通 り。ここまで言えば、夜神がミサミサにもう一度眼の契約をさせようと考えてたことまでわかるだろ。わかんなかったら説明するぞ懇切丁寧にな!
『…………いいだろう。お前は夜神月よりは信用できそうだ。私はどうすればいい?』
「なーに、基本的には夜神の言った通りにしてくれればいいさ。デスノートに関して、特に嘘ルールに関して余計な事は言わない。夜神がミサミサにノートを取りに行ったとしてもそれはすでに俺らの手の内。……あ、夜神がもしノートの切れ端持ってるようだったら隙を見て奪ってくれると非常に助かるが、別に無理しなくていいぞ。あとこれ大事。レムのノートで捜査本部の人間を殺さないでね? マジで」
そこ大事! 特に俺とか俺とか俺の名前を書かれると非常に困る!!
『私が捜査本部の人間の名前を書いてどうするというんだ。今殺せば私が死ぬ事にも繋がりかねない』
「うん、一応ね。念押ししといただけ。そんな事しないってのはわかってるつもりだよ。ホント、マジ頼むッスよ」
『それはこちらの台詞だ。必ずミサを救い出せ。……まぁ、夜神月の付け足したルールでミサの疑いが晴れたという事はわかったが、竜崎という男はまだ怪しんでいるようだ』
そだね……ホント、アレが一番のガンなんだよな……あのひと納得させられたら俺も安心して夜神月にあんなことやこんなことしちゃうのになー。おっと今のは秘密だぜ。
そんなこんなで、俺はレムを仲間に引き入れた。……クロロが余計な事しなけりゃ、このまま計画通りに進むと思うんだけどなー。下手に余計な事言ったら逆に刺激しかねないから怖いよ。どうかおとなしくしててください団長様!