meet again   作:海砂

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怒る新世界の神

「くそっ……この僕があんな雑魚にいいようにされるなんて……何が神の子だ!」

 

 ライト、どーやらLの時よりもますますガンギレしてるみたいだ。まぁ、俺から見ても成瀬拓はライトより明らかに格下だしな。Lは同レベルか?

 

『さっさと殺せばいいのに』

 

「馬鹿を言うな。奴は僕が殺さないということを理解している。だからあんな事を言ってきたんだ。そして僕に合わせてノートと言っていたが、名前が必要ない……わざわざノートに書くという手間すら必要なく僕を殺せる可能性がある。僕に対して強気で出たのもおそらくその為だろう。明らかに僕の方が殺傷能力で劣っている。しかも相手は未来まで知っているんだぞ?」

 

……うーん、余計な事考えずにすぱっと殺しちゃえばいいと思うのは、俺が死神だからだろうか。人間にはどうやら死神には思いもつかない苦悩や思考が存在するようだ。……面白!

 

「……まあいい。幸い奴は僕とL、どちらの味方をする気もないようだ。この件を僕に対してだけ明かしてきた事から考えても、どちらかというとキラ寄りなのは間違いないだろう。もっとも、Lに話せばそれでキラが一巻の終わりだってこともあるが……。何とかして、奴の知っている未来の情報を引き出し、出来るならばその能力、何かしらの形をしているのならそれを奪い取る方法を考えるんだ……」

 

 無謀だと思うけどな。だって死神の俺にも寿命が見えないような奴だぞ。馬鹿っぽく見せかけてるだけじゃないか?

 

「新世界の神に向かって神の子などとくだらない妄言を吐いた事……絶対に後悔させてやる……」

 

 あながち妄言でもないと思うけどなー。でも今のライトに何か言ったら逆ギレされるだけだから黙っとこ。

 

 

 

 

「はい、代わりました竜崎です……え? ゲーム? どうぞご自由に。ただし通信関係はこちらでシャットアウトさせていただきますのでそのつもりで……。はい、そちらの家はこちらで借りてそのままにしておきます。……はい? あと二人? ……それは、ちょっと……え、桂木裕美? グッドタイミングです成瀬先生。ちょうど私も彼女にコンタクトをとろうとしていたところです。はい、彼女ならばかまいません。もう一人……高木蹴人、ってあのプロ野球選手のですか? はぁ……了解しました、こちらで手を打っておきましょう。まさかあなたから桂木裕美の名前が出てくるとは思いませんでしたが……おそらくそれならば、高木蹴人もなんらかの関係があるのでしょうね、わかりました。それではお二人を捜査本部にお連れするのは先生にお任せしてもよろしいですか? はい、ワタリに連絡を取っていただいて、現在地をお知らせする形になると思います。お手を煩わせてしまってすみません……では」


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