Fateで斬る   作:二修羅和尚

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エスデスとの戦闘は次回。
この間に挟む話をどうするかかなり悩んだ。
戦闘については頭のなかで出来上がってるんどけど、のの一話挟むっていうのに苦労した。結果、少し短くて低クオリティー

……ま、ニシュラだし仕方ないよね!


二十六話

エスデスが残していった置き土産。

 

あの女最初から逃がすつもりなんてなかったみたいだ。

恐らくは、今日のうちに帝都中に貼り出されていたのだろう。窓から大通りを見れば、民家の壁や街灯の柱にも張り紙があった。

そしてそれを見て盛り上がりを見せる人々。

 

こういうのもエスデスの手の内なんだろうな、と考える。

大方、帝都市民の娯楽にでも、と考えていたのだろう。

そして同時に俺への枷になる、と。

 

これどんな条件になってても結局はこうなってたのね

 

 

「さて、どうするか…」

 

勝負を投げる、という選択肢はない。

逃げたとは思われたくないし、ここで弱味を見せればあの大臣がどうでるか予想ができん

 

それに、ここらで俺の実力を上のやつらに見せておく必要がある。

前回俺がチョウリ様を個人的に護衛したことについてはもう陛下を含めた上層部は知っているはずだ。なら、俺がチョウリ様派であるのとは分かっているだろう。

今ではチョウリ様がまともな良識派の文官をまとめており、オネストと真っ向から対峙しているのだ。

そして、今回のことで俺がエスデスにも劣らない実力を見せれば、チョウリ様には俺という戦力を持っている証明にもなる。

確か、大将軍もチョウリ様の方についてくれているから、武力で言えばチョウリ様の方が上と判断してもいい。

近衛兵と警備隊もついてるからな。

三獣士という戦力を失ったエスデス軍には分が悪いだろう。

 

だが、注意しなければならないのは、明日の試合で力を見せすぎるのはアウトだってとこか。

 

宝具なんて下手すりゃ、帝具以上の反則じみた鬼札を持つ俺からすれば、ただ勝つだけならそれほど苦ではない。

何せ、始まった瞬間にブッパすればいいだけの話だ。

まぁ開幕ブッパは基本だけどな。

 

ただ、問題なのは俺が所持する宝具のなかでブッパできるのが一つしかないうえに、その一つを解放すれば闘技場どころか下手すりゃ帝都も滅ぶ。

人類最古の地獄なんぞ見たくない。

 

それにあまりに強すぎる力は無駄に警戒心を抱かせるかもしれない。

そうなればいろんなとこからちょっかいかけられるに違いない。

だからこそ俺の自宅にチョウリ様達を住まわせているのだが、万が一ということもある。

 

故に、最善なのは引き分けか辛勝といったところか。

負けはない

 

まぁここまで色々と言ってはいるが、俺がやるべきことは一つだ。

 

「絶対一発は殴る」

 

今度は自慢の氷ごと粉砕してやらぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、まぁそんなところです」

 

「何やってるんだ」

 

真顔でチョウリ様にツッコまれた。

 

今日の出来事、そして明日の試合の件を含めて自宅泊まっているチョウリ様へ報告したところ、このような反応が返ってきた。

まぁ、分かってはいたんだ。

なんせ、仕事終わりに副隊長に話したら同じことを真顔で言われたからな。+αでバカなんですかもついてきた。

 

「まぁいい。明日の件についてはどうしようもないからな。それよりも問題はないその後だ。セイよ。お主はその特殊部隊とやらに入るつもりか?」

 

「入る、というよりも警備隊長と兼任ですね。それに、エスデスはあのオネストと協力関係にあります。懐に入り込んで奴がどう動くのか見るには都合がいいかと」

 

それにエスデス本人が俺の警備隊長としての権限を約束してくれているのだ。言質は取ってある。問題ない。

 

「監視、ということか……なるほど」

 

「何かあればこちらから使者を送って連絡します。チョウリ様は俺がその部隊の任務で帝都を離れる場合、周りにお気をつけください。何かあれば警備隊を使ってもらっても構いませんので。うちの副隊長には話を通しておきましょう」

 

「うむ。その時は頼らせてもらおう。ところで……」

 

そこまで話したチョウリ様の視線が俺の背後、詳しく言えば俺の背後に立て掛けられている二メートル以上ある一つのケースに向けられた。

 

「それはなんだ?」

 

「あぁ、これですか。この間俺がイエヤスに強化した剣をやったんですが、イエヤスとスピアが手合わせしたさいにスピアがその事を聞いたらしくて……私も欲しいと煩かったので仕方なく作りました」

 

「……なんかすまん」

 

「ええ……まぁ」

 

 

実際、煩かったし。最後はウザかったし

 

『ねぇセイ、私もイエヤスみたいなのが欲しい! ほーしーいー! ねぇってば、ねぇ! ほーしーいー!!』

 

みたいな。その時はアイアンクローで落としたけど

 

「今はうちの三人娘と外出中みたいですし、チョウリ様の方から渡しておいてください」

 

「む? 直接渡さないのか?」

 

「まぁ。明日にむけて、少しばかりやることもありますから」

 

では、と言ってチョウリ様よ部屋を出た俺はそのまま道場の方へ足を向け、誰も使っていないのを確認して中へ入る。

 

さて、訓練はじめますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイ! この槍ありがとう!! 早速だけど手合わせしよ!!」

 

 

スピアが道場に突撃かましてきたのはその一時間後である。

 

 

当然圧勝した

 

 

 

 

 




セイがスピアに渡した槍について一応

普通の槍に比べて、切れ味、耐久性が大幅に向上
また、使用されている金属も稀少金属を使っており、なによりセイが道具製作のスキルを大いに振るったため、使用者の身体能力、並びに動体視力の向上などの恩恵が受けられる。
ただし、長時間使用した後は普段よりも疲労感が増すので注意。



……あれ? これ、地味に準帝具的なのになってね?
もしくは臣具

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