引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ? 作:hakusai
「キュー○ー3分ファッ○ング」
とか
「キュー○ー3分ファイティング」
とか
くだらないことばかり浮かぶ。
…あした受験なのに
~追記~
たくさんのUA、お気に入り、ありがとうございます!
作者はまじで驚いてます。
UA5000突破とか、受験受かりそうです!
皆様、本当にありがとうございます!
あまりに人間離れしている二人の姿をみて、黒ウサギは興奮を抑えられなかった。
(本当にこの二人が最高クラスのギフトを所持しているのなら………………私たちのコミュニティ再建も、夢じゃないかもしれない!)
ぼーっとしている黒ウサギ。
そんな無防備とも言える黒ウサギの背後に十六夜は忍び寄り、
「おい、どうした? ボーっとしてると胸とか脚とか揉むぞ?」
と、脇下から豊満な胸に、ミニスカートとガーターの間から脚の内股に絡むように手を伸ばしていた。
黒ウサギは自身の貞操の危機を感じ、素早く跳び退いて感動も忘れて叫ぶ。
「な、ば、おば、貴方はお馬鹿です!? 二百年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか!?」
「二百年守ってきた貞操? うわ、超傷つけたい。」
「お馬鹿!? いいえ、お馬鹿!!!」
「まぁまぁ、十六夜。その辺にしといたら?」
そこに霊夢が黒ウサギに助け船を出す。
「ま、霊夢にも止められちまったし、今はいいや。後々の楽しみにとっとこう。」
「さ、左様デスか。」
「ところで十六夜、あの蛇どうする? 食べる?」
「お、それはいい考えかもな。」
「やめてください!」
「ヤハハ、冗談だ。七割冗談だ。」
(三割は本気だったんですね…)
「というか、蛇神様生きてます?」
「命まで取ってはいねーよ。殺すのは別段楽しくないしな。」
「なら、ギフトだけでもいただいていきましょう。ゲームの内容はともかく、十六夜さんは勝者です。蛇神様も文句はないでしょうから。」
「あん?」
十六夜が怪訝な顔で黒ウサギを見つめ返す。黒ウサギは思い出したように捕捉しようとした。
「神仏とギフトゲームを競い合うときは「要するにあれでしょ?あっちが主催者だから勝者として報酬を貰えるって事でしょ?」…まぁそんなところです。十六夜さんは蛇神様本人を倒されたので、すごいものが頂けますよー♪ これで黒ウサギ達のコミュニティももっと力をつけることが出来ます♪」
黒ウサギが小躍りでもしそうな足取りで蛇神に近づく。
その姿をみて、霊夢は不自然さを覚えた。
「ねぇ、十六夜。」
「どうした? 黒ウサギのコミュニティのことなら今から聞くぞ。」
「そう。それならいいわ。」
そう言うと、霊夢と十六夜は黒ウサギの前に立った。
「「────」」
「な、なんですか御二人とも。怖い顔をされていますが、何か気に障りましたか?」
「……別にィ。オマエの言うことは正しいぜ。勝者が敗者から得るのはギフトゲームとしては間違いなく真っ当なんだろうよ。だからそこに不服はねえ───けどな、黒ウサギ。
オマエ、なにか決定的な事をずっと隠しているよな?」
「具体的には、貴女達のコミュニティのことでしょ? 貴女達のコミュニティは強大なナニかに滅ぼされかけて、ギフトゲームに参加できる人材もなく、子供たちを多く抱えていて、なおかつ周りからの信頼も薄く、ギフトゲームの開催もできない。そんな状態でしょ?」
「なっ─────」
黒ウサギは絶句した。
十六夜にコミュニティの事が気づかれたのにも驚きを隠せないが、それ以上に、霊夢のあまりにも的確な指摘に、恐怖すら感じている。
「沈黙は是也─だぜ?黙ってねぇで話せ。じゃないと、他のコミュニティにいっちまうぞ?いいのか?」
「…ハッ、ダメなのです!十六夜さんにはうちに来てもらわないと困るのですよ!」
「じゃあさっさと話せ。」
「話したら……十六夜さん達は、私たちのコミュニティに入ってくださるのですか…?」
「あぁ。面白ければな。」
「私も同じようなもんよ。」
「そうですか……では、せいぜい面白オカシく話させていただきますヨ…といっても、ほとんど霊夢さんのいった通りですけどね……」
そういって、黒ウサギはコミュニティについて話始めた。
まとめると、
・『名』がない
・『旗印』がない
・122人中、ギフトゲームに参加できるのは二人
・他はすべて子供
といった感じだ…
「崖っぷちね…」
「崖っぷちだな!」
「崖っぷちですね♪」
コミュニティの事を話した黒ウサギは項垂れている。
「で? オマエらのコミュニティはどうしてそうなった?」
「それは……箱庭を襲う最大の天災───魔王によって、すべてを奪われたからです。」
「ま…………マオウ!?」
魔王という言葉を聞いたとたん、十六夜はおもちゃを得た子供のように、目を輝かせた。
「魔王!なんだよそれ、魔王って超かっこいいじゃねえか!箱庭には魔王なんて素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか!?」
「え、ええまあ。けど十六夜さんが思い描いている魔王とは差異があると………」
「そうなのか? けど魔王何て名乗るんだから強大で凶悪で、全力で叩き潰しても誰からも咎められることのないような素敵に不敵にゲスい奴なんだろ?」
「ま、まぁ………倒したら多方面から感謝される可能性はございます。倒せば条件次第で隷属させることも可能ですし。」
「へぇ?」
「魔王は“主催者権限”という箱庭における特権階級を持つ修羅神仏で、彼らにギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断ることはできません。私達は“主催者権限”を持つゲームに強制参加させられ、コミュニティは………コミュニティとして活動していく為に必要な全てを奪われてしまいました。」
これは比喩などではない。
「まぁ事情はわかったわ。でも、名前も旗印もないなら、新しく作ればいいじゃない。どう?」
「それはそうですが…………改名はコミュニティの完全解散を意味しています。それではダメなのです!私達は何よりも………仲間達が帰ってくる場所を守りたいのですから…」
《仲間達が帰ってくる場所を守る》それは黒ウサギが初めて口にした、掛け値のない本心だった。
「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ、コミュニティを再建し……………何時の日か、コミュニティの名と旗印を取り戻して掲げたいのです。そのためには十六夜さん達のような、強力な力を持つプレイヤーに頼る他ありません!どうかその強力な力、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか…………?」
「………ふぅん?魔王から誇りと仲間をねぇ」
黒ウサギは頭を下げて二人に懇願する。
(ここで断られたら………………私達のコミュニティはもう………………!)
しかし、返ってきた答えはあっさりしたものだった。
「いいな。それ。」
「…………………は?」
「HA?じゃねえよ。協力するって言ったんだ。もっと喜べ黒ウサギ。」
「え………あ、あれれ?いまの流れってそんな流れでございました?」
「そんな流れだったぜ。それとも俺がいらねぇのか?失礼なこと言うと本気で余所行くぞ?」
「だ、駄目です駄目です、絶対に駄目です!十六夜さんは私達に必要です!」
「素直でよろしい。」
そんな風にいつもの調子に戻りかけた黒ウサギ。
「で?霊夢はどうするんだ?」
「…そうね。いいわ。入ってあげる。」
その答えを聞き、黒ウサギは思わず笑みがこぼれた。
「でも、条件があるわ。」
霊夢が付け加えた。
「…条件ですか? 私達に出来ることならなんでもいたしますよ? 衣食住は保証いたしますし…」
「そんなことじゃないわ。もっと単純なことよ。」
この時、黒ウサギに嫌な予感が走った。
「単純…というと?」
「────私に勝てたら、コミュニティに入ってあげるわ。」
すると、黒ウサギと十六夜の頭上から、白い羊皮紙────────
─────────ではなく、 黒い羊皮紙────────
───でもなく、赤く輝く和紙が降ってきた。
「───さぁ。遊びましょう?」
霊夢に常識は通用しません。
羊皮紙ですら無いです。
まぁそれはそれとして、あした私立入試です。
死にます。死んでます。死にました。
気合いで乗りきります。
次回は受験が終わってお気に入りが111越えたら書くと思います。