引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ? 作:hakusai
「「「「ど……何処だここ!?」」」」
上空4000mから絶賛落下中の四人は、口を揃えてそういった。
霊夢がまわりを見ると、
金髪で学ランを着ている問題児感が溢れている少年。
頭に大きな真っ赤なリボンを着けているお嬢様感が溢れている少女。
薄着で猫を連れている友達少ない感が溢れている少女。
その三人と一緒に落ちていた。
遠くを見れば世界の果てまで見えていた。
(この高さから落ちたら普通の人は死ぬかなぁ。助けた方がいいのかなぁ。)
と霊夢は考え、落ちても問題ないか下を確認すると、水の膜が張られていることに気がついた。
(あれなら死にはしないわね。濡れるけど。私は濡れたくないなぁ……飛ぶか。)
どうしても濡れたくない霊夢は、水のベールに包まれないように、【空を飛ぶ程度の能力】で、近くの地面に着地した。
他の人たちはというと、ベールの下にあった湖に落ちていた。
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全員が湖から脱出して、それぞれ服を絞ったりして落ち着いたあと、それぞれが文句を言い出した。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」
「全くだわ。」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ。」
「……いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない。」
「そう。身勝手ね。」
(たぶん私も大丈夫だろうなぁ。)
「此処……どこだろう?」
「さぁな。まぁ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」
「よくそんなとこまで見る余裕があったわね。」
「余裕はあんまり無かったけどな。」
なんにせよ、この四人と一匹が知っている場所ではないようだった。
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱えている貴女は?」
「……春日部耀。以下同文。」
「そう。よろしく春日部さん。で、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様。」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君。」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様。」
「そして最後に、そこのお目出度い色のリボンをした、一人だけ空を飛んで濡れなかった貴女は?」
「私は博麗霊夢。気楽に霊夢って読んでくれて構わないわ。」
「そう。よろしく霊夢さん。」
「こちらこそよろしく。久遠さん。」
「私のことは飛鳥でいいわ。」
「うん。そう呼ぶことにするわ。」
心からケラケラと笑う逆廻十六夜。
傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。
我関せず無関心を装う春日部耀。
この中でも少し浮いている博麗霊夢。
そんな彼女らを草の陰から見ていた者は思う。
(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……)
彼女には、どうやっても、彼らが協力する姿が思い浮かばないのであった。
深夜のテンションだけで書いたので、おかしいところもあると思います。
本当は滝まで行かせたかったけど、気力がもたなかったです…